「大切」という言葉は日常会話で頻繁に使いますが、大切と言えば「important」という形容詞が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。
しかし、ひとえに「大切」といっても、重要、貴重、有力、特別などどのような意味合いで大切なのかによってニュアンスが異なり、英語ではどのような意味で大切なのかによって使うべき単語が異なります。
そこで今回は、「大切」の英語表現について解説します。importantのニュアンスはもちろん、ほかの表現についても解説しますのでぜひ参考にしてください。
「大切」を表現できる英語6選
「大切」というのは便利な日本語ですが、同じ“大切”という言葉を使っていても、細かなニュアンスが異なります。
たとえば、「彼は会社にとって大切な人です。」という場合の大切は、物事や誰かに対して影響するほど重要な人というニュアンスです。一方、「大切な時間をありがとうございました。」という場合の大切は、客観的にみて貴重な、価値のあるといったニュアンスになりますよね。
このように、同じ「大切」という言葉でも、シーンや使い方によって意味合いが変わってくるので、英語ではどのような意味の大切なのかによって使うべき単語が異なります。
ここでは6個の英語表現について、一つひとつ見ていきましょう。
important
「important」は、英語の単語で「大切な」「重要な」という意味を表します。この単語は、「import」(持ち込む、重要視する)と「-ant」(~する人、~するもの)という接尾辞が組み合わさってできた形容詞です。
importantは汎用性があり、さまざまなシーンで使える単語です。とくにある事柄や物事が、他よりも特に重要であることを示す際に使用されます。また、一般的には肯定的なニュアンスを持つのもポイントです。
以下に例文を示します。
教育は個人の成長において重要な要素です。
自分の健康を大切にすることが重要です。
valuable
「valuable」は、英語の単語で「貴重な」「大切な」「高価な」という意味を表します。valuableは「value」(価値)と「-able」(可能な)という接尾辞が付いて形成されています。
valuableは、「価値」という意味のvalueという単語が使われている通り、何かが非常に高い価値や重要性を持っていることを示します。物理的な価値や経済的な価値だけでなく、感情的な価値や意味のあるものを指す場合もあるので覚えておきましょう。
そのネックレスは貴重な宝石で作られています。
大切なお時間をありがとうございました。
precious
「precious」は、「貴重な」「高価な」「尊い」といった意味を表します。preciousの語源は「値段」という意味のラテン語である「pretium」なので、価値があるというニュアンスが含まれます。
なお、valuableとの違いは、固有の物事に価値があり、貴重であるというニュアンスが含まれることです。そのため、金やプラチナなどの有限で貴重な物にもpreciousが使われます。そのほか、自分にとって替えがきかない大切なもの(家族など)を表現するときに使われることもあります。
家族は私にとって貴重です。
その古代の遺物は文化的に貴重な宝物だとされています。
essential
「essential」は、英語の単語で「必要不可欠な」という意味を表します。「存在する事」という意味のラテン語である「essentia」が由来になっているとされています。また、essentialは形容詞と名詞形があり、名詞形の場合は「必要」「必需品」といった意味になります。
「essential」の発音記号は「isénʃəl」であり、カタカナで発音を表現すると「イセェンシャル」となります。発音記号の「i」の部分を「エ」と「イ」の中間音で発音するのがポイントです。
「essential」を使って大切をいう意味合いを表現する場合、何かが成り立つためには欠かせない重要な要素であることや、特定の目的や目標を達成する上で不可欠なものであることを強調できます。
効果的なコミュニケーションスキルは職場で必要不可欠です。
良質な睡眠は健康を維持するために不可欠です。
special
「special」は、英語の単語で「特別な」「特殊な」という意味を表します。日本語でも「スペシャル」という言葉を使うことがあるので、身近な単語だといえるでしょう。
ちなみに、specialという単語は「観察する」「見る」という意味のspekという単語が元になっています。そのため、specialを使って「大切」を表現する場合、「目立って人目をひくもの」「他と比較して特別であること」を強調できます。
また、「special」は、感情的なつながりやその人にとって特別な価値があることを表現するときにも使われますよ。
今日は特別な日です。彼の誕生日です。
この贈り物は私にとって特別な意味を持っています。
vital
「vital」は、英語の単語で「極めて重要な」「生命に関わる」という意味を表します。
「vital」を使った表現は、何かが他の要素や結果に対して不可欠であり、欠けてしまうと命や生命を脅かすようなニュアンスを強調します。
酸素は人間の生存に不可欠です。
定期的な運動は健康を維持するために重要です。
まとめ
今回は「大切」の英語表現について解説しました。
ひとえに「大切」といっても、重要、貴重、有力、特別などどのような意味合いで大切なのかによってニュアンスが異なり、英語ではどのような意味で大切なのかによって使うべき単語が異なります。
「大切=important」と覚えがちですが、valuableやprecious、essentialなどさまざまな表現があり、それぞれ伝えられニュアンスが異なります。そのため、どのような大切かによって表現を使い分けできれば、よりスムーズにコミュニケーションがとれるでしょう。
ぜひ今回の記事を参考に、「大切」の英語表現を会話で使い分けてみてください。