今回のテーマは、ネット用語の「スレッド」です。スレッドとカタカナで表記しているものの、英語でもそのままなのか、それともまったく違う言い方になるのか、わからず困っている人も多いのではないでしょうか。
また、スレッドの略語「スレ」や「スレッドを立てる」「インターネット掲示板」などの関連表現についても、英語で何と言えばよいか詳しく確認していきます。これを読めば、英語でもインターネット上でのコミュニケーションが楽しめるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
目次
日本語のネット用語「スレッド」とは?
「スレッド」を英語で何と言うかを確認する前に、まずは日本語のスレッドの正しい意味を知っておきましょう。
日本語で「スレッド」というカタカナ英語は、多くの場合、インターネット掲示板の投稿のことを表します。これは、多くのインターネット掲示板が「スレッドフロート型掲示板」というシステムを利用して作られていることに由来しています。
このシステムでは、最新の投稿がなされたスレッドが最上位に位置する仕組みになっているため、常に最新の話題が目に留まりやすくなります。そのため、色々な話題の中でのトレンドが掴みやすいことから、1990年代後半ごろから急激に数を増やし、それ以来インターネット掲示板システムの基本形となりました。
「スレ」とは?
同じくネット用語に「スレ」がありますが、これはスレッドを単純に略したものです。そのため、意味においては「スレッド=スレ」と考えて問題ありません。
意味は同じですが、スレの方がスレッドよりもカジュアルな響きになります。そのため、単なるネット用語というよりネットスラングの一種と考えてよいでしょう。日常会話ではスレでよいですが、あらたまった場面で説明する際はスレッドと正しく呼ぶ方が無難だといえます。
ネット用語「スレッド」の使い方は?
新しくスレッドを作ることを「スレッドを立てる(スレを立てる)」と言います。
なぜ「立てる」なのかの由来は明らかになっていませんが、おそらく「看板を立てる」と同じ感覚だと推察されます。スレッドという看板を立てて、そこにユーザーが集まっていくイメージです。また、スレッドを立てることを略して「スレ立て」と呼ぶこともあります。
そのほか、スレッドをクリックする「スレッドを開く」や、スレッド内の議論を確認する「スレッドを読む」などもよく使われます。
ネット用語「スレッド」は英語で何て言う?
ネット用語のスレッドはいかにも和製英語のように感じられますが、英語でも同じく “thread” と言います。発音記号は「θrɛd」で、「ス」の部分の発音に注意が必要です。
先述したスレッドフロート型掲示板のシステムは、日本で開発されたものだといわれています。そのため、そこで使われるスレッド(thread)という用語もそのまま海外へ輸出され、世界的に同じ意味で使われるようになりました。
thread という英単語はもともと「糸」という意味で、そこから派生して「会話の流れ」や「文脈」も表していました。そのため、インターネット上掲示板での投稿を表しても違和感がなかったのでしょう。
The term “thread” used in internet forums originated in Japan.
訳)インターネット掲示板で使う「スレッド」って用語は、日本発信なんだ。
Thanks to Japan, the meaning of the English word “thread” has spread.
訳)日本のおかげで、threadという英単語の意味が広がったんだ。
「インターネット掲示板」は英語で何て言う?
スレッドを立てるための「インターネット掲示板」は、英語だと “internet forum(インターネットフォーラム)”、あるいは “message board(メッセージボード)” と言います。
internet forum に使われている forum は、もともと「公開討論会」や「議論の場」という意味で、古代ローマで討論が行われていた広場「フォルム(forum)」が語源といわれています。インターネット上で行われる公開討論と考えると、非常にぴったりなネーミングですね。
一方、message board は直訳すると「メッセージのための板」であり、日本語の「掲示板」とほぼ同じニュアンスであることがわかります。
どちらも同様によく使われますが、強いて違いを挙げると、internet forum の方が大型の掲示板を、message board の方が小規模な掲示板を表す傾向にあります。
I’m not quite sure about the difference between internet forums and social media.
訳)インターネット掲示板とSNSって、違いがよくわからないよね。
In the past, they were differentiated by anonymity, but nowadays they’re pretty much the same, I think.
訳)昔は匿名かどうかで分けられたけど、最近はほぼ同じかもね。
thread にも略語はある?
日本語のスレッドには「スレ」という略語がありましたが、英語の thread にも以下のような略語が存在します。
- THD(THreaD)
- TH(THread)
- T(Thread)
※それぞれ、thread の太字部分のみを残した表現
THDならまだ何とかわかりそうですが、Tまで来ると略し過ぎのようにも見えますね。
実際、これらは英語圏のコアなネット民の方々が使うネットスラングなので、私たちが日常生活で見ることは稀だといえます。もし仮に日常でTHDやTHを見た場合、それは他の意味の略語である可能性も高いので注意しましょう。
This THD is more lively than that TH, so it’s currently the trending T.
訳)このスレってあのスレより盛り上がってるから、今注目のスレなんだ。
I have no idea what you’re talking about!
訳)何言ってるかまったくわからん!
「スレッドを立てる」は英語で何て言う?
先述の通り、新しくスレッドを作ることを日本では「スレッドを立てる」と言いますが、英語では “start a thread(スタート ア スレッド)” と言うのが一般的です。直訳すると「スレッドを始める」であり、日本語より直接的な表現でわかりやすいといえるでしょう。
また、”create a thread(クリエイト ア スレッド)” もよく使われます。こちらは直訳すると「スレッドを作る」となります。
start a thread だと、その後に投稿が繋がることがイメージされ、create a thread だと、スレ立てという行為自体に重点が置かれている印象です。ただ、そこまで厳密に使い分けられているわけではないので、語感がしっくり来る方を使えばOKです。
Yesterday, I started a new thread on the internet forum.
訳)昨日、例のインターネット掲示板で新しくスレを立てたよ。
Well, it seems like you’re creating a new thread of some sort every day, not just yesterday.
訳)えっとさ、昨日とかいう以前に、毎日何かしらのスレ立てしてるよね。
Yeah, I guess I’m addicted to the internet.
訳)うん、たぶんネット中毒なんだと思う。
まとめ
今回は、ネット用語「スレッド」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
スレッドは日本発祥のネット用語なこともあり、英語でもそのまま “thread” で通じます。略語の「スレ」に相当する THD などもありますが、こちらは一部の人にしか伝わらないネットスラングなので、使用は控えた方がよいでしょう。
今回ご紹介したことを参考に、現実世界でもネット世界でも、英会話を楽しんでいきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!
中学では英語が大の苦手で、偏差値30台。高校時代に詰め込み勉強に嫌気がさして一念発起。独学で勉強を進めるうちに「大切なのは覚えることではなく、イメージを理解することだ」と気づき覚醒。模試の偏差値は最高80に。 苦手を得意にした経験を活かし、約10年の学習塾講師経験(+人見知り克服のためのアパレル店員経験)を経て、現在はWEBライターとして独立。「何故がわかる英語学習」をモットーに活動を続けています。