皆さん、最近誰かを叱りましたか?それとも叱られてしまった経験がありましたか?叱ることが必要なときってありますね。
ところで、ネイティブは英語で「叱る」をどのような表現にしているのでしょう?
この記事では、英語「叱る」のフレーズを紹介します。普段、お子さんなど家族に対して感情的になってしまう人も、理性的に話せる人も、ぜひ最後までお付き合いください。
「説教」の英語
まずは、説教(せっきょう)です。説教とは、宗教の教義などを口頭で解き明かすこと、そして一般的には先生、上司または親などが立場が下の者に対してする教訓的な話のことを言います。
宗教関係の説教はsermonまたはpreach
キリスト教など宗教的なお説教には「sermon」や「preach」が使われます。
sermon(サーモン)は説教という名詞、または長くて退屈な話という意味があります。魚の鮭はsalmonですのでお間違えなく。
preach(プリーチ)のほうは動詞で「説教する」になります。
一般的な説教はlecture
lecture(レクチャー)と言えば、大学の講義などのことを指す言葉としてお馴染みかもしれません。
このlectureには、名詞「説教・講義・講演」、そして動詞で「説教をする・小言を言う・抗議をする」の意味があります。
説教はlectureで使えることを紹介したところで、例文で使い方をみてみましょう。
The teacher’s lecture has begun again…
訳)先生のお説教がまた始まった、、、
Everyone in the office has been lectured by the boss.
訳)オフィスにいる全員が上司から説教を受けています。
説教じみたをlectureで表す
いかにもそれらしく言うことを”説教じみた”という言い方をします。これもlectureを使って例文を作ってみましょう。
Blah blah blah, that’s enough. It’s like you are giving me a lecture.
訳)ブラブラブラ~もう十分。説教じみてる(説教しているかのように話している)。
Blah blah blahは誰が言ったことについて、なんとかかんとかなどと興味がないことを表すときのフレーズです。説教じみたことをまた言ってる、なんてどうでもいいやってなるとき、ありますね。
I didn’t mean to lecture you.
訳)説教じみたこと言うつもりはなかったのよ。
「叱られる」の英語
子どもでもなければ、普段叱られることはさほどないかもしれません。それでも、いくつになっても失敗はするものです。
叱られる?怒られる?
皆さんは、叱られると怒られるの違いをはっきり知っていますか?
英語の表現を紹介する前に、ここの違いを確かめましょう。”叱られる”のほうは、自分がした過ちや失敗などについて指導されるという状態です。叱られた本人は反省し、次に繋げていける可能性があります。
一方、”怒られる”は怒っている側に感情的なものがあり、腹を立てながら何かをまくし立てるというイメージです。怒られた人は怒られたということだけが残り、自分で考えたり、改善していくことができないケースがあります。怒る側の感情を爆発させられても反発するだけ、立場の弱い人が怒られっぱなしでは、お互いの関係は悪くなる一方かもしれません。
叱られるはtold off
英語の叱られるは「told off」が自然でピッタリなフレーズです。何かの間違いを起こしてしまったときに誰かがあなたのことを叱り、真剣に話しかけているイメージです。
told offはtell offの過去・過去分詞形です。tell offには小言をいう、叱りつけるの意味があります。そこから、叱られる人の側になった受け身の形told offが叱られるになるのです。
ここで、get told offとbeen told offという2つの英語フレーズについて解説を続けましょう。
get told off
叱られるの表現として「get told off」があります。getのコアイメージは動きを伴って何かを得るということから、何かを入手する、どこかに到着するなどの意味で使われます。叱られることを得る=叱られる、と言えばイメージができるでしょうか?
I will get told off if I lose my water bottle again.
訳)ウォーターボトルをまた無くしたら、叱られる~
ボトルを一回無くしたくらいでは叱られなくても、同じ失敗を繰り返すと叱られますね。
My brother gets told off when he talks back to his mother.
訳)弟は母に口ごたえすると叱られます。
talk backは口ごたえの意味です。お子さんのいる方はぜひ覚えたいフレーズではないでしょうか?
been told off
been told offのほうは叱られたことを表現できます。通常、been told off by ○○にし、○○に叱った人を当てはめます。
You’ve been told off by the instructor, what happened?
訳)インストラクーから叱られたね、なぜ?
He has been told off by his mother because he didn’t get up early enough to go school again.
訳)彼は学校へ行くのにまた早起きをしなかったために母親に叱られたんだ。
「叱る」の英語と言い方
さて、次は叱るほうの立場から「叱る」の英語表現をみていきましょう。
scoldは使わない?
scold(スコールド)という単語があります。辞書で調べると、確かに「叱る」という動詞であることが分かります。しかし、ネイティブが英会話でscoldと言うところを聞くことはほぼほぼありません。
scoldは怒って批判するというような強い意味を持っており、それはberate(ひどく叱りつける・ガミガミ叱る・激しく非難する)という同義語があることからも分かります。
「叱る」の英語tell off
叱られるの項でtold offを紹介しました。叱る立場の人はこれをtell offとするのがとても自然な表現です。
I was telling off my son as he was mean to his sister.
訳)息子が彼の妹にとても意地悪だったので叱っていたんです。
この例文で出てきた”mean”ですが、多くの人が知らないだろう使い方があるのではないでしょうか?meanはもちろん「意味する」が定番の意味ですが、形容詞として「意地悪な・不親切な・卑怯な」もあります。
He is so mean.と言えば”彼って本当意地悪~!”という感じで、ネイティブが日常的に使うフレーズです。ぜひ、覚えてみてはいかがでしょう?
My kendo teacher told off the students because they were chatting during the practice.
訳)生徒たちが稽古中におしゃべりをしていたので剣道の先生が叱りました。
「叱る」の英語yell at
yell(イェル)には大声をあげる、怒鳴るといった意味があります。このため、大声で叱る、というよりは怒るという雰囲気があります。yell at ○○で叱られる人を○○に入れましょう。
My husband yelled at my daughter of lying.
訳)夫は、娘が嘘をついたと怒鳴った。
叱るときの言い方はcalmlyに
さて、感情的になって怒るのと違い、叱るという行為は指導するというスタンスになります。
そこで叱る立場の側は、落ち着いてしっかり大切なことを伝える姿勢でいなければいけません。yell atは避けたいところですね。
この落ち着いたというときに使う単語に「calmly」があります。calmly(カームリィ)は「落ち着いて・平然として・静かに」という意味の副詞です。stay calmとすれば形容詞calmを使うことで”落ち着いて”のようになります。
My father told me off calmly.
訳)父は落ち着いて私を叱った。
Even you are angry, it’s no point to be emotional, but you should speak calmly.
訳)例え怒っていても感情的にならず、冷静に話すべきでしょう。
「叱る」の英語・ビジネスバージョン
ビジネスシーンでも叱るという場面があるかもしれません。
一つ「reprimand」と言う単語を紹介しましょう。reprimand(リプリマンド)には、名詞「叱責・非難」、そして動詞で職務に関して人を「叱責する」という意味があります。
reprimandの使い方と例文
叱責とは、大声をあげて叱る、あるいは叱って励ますという意味があります。責任者が下の者の失敗をきつく非難するということですから、必要な場合もありますが、言われる側がやる気を失ったり、パワハラと受け取りかねない時代でもあるのではないでしょうか?
It wasn’t nice to see that the boss reprimanded her in front of everyone.
訳)上司が皆の前で彼女を叱責するのを見るのは気分が良いものではなかった。
The football coach was fired officially because he often reprimanded the members and couldn’t get good results during the season.
訳)そのフットボールコーチはメンバーをしばしば叱り、シーズンの良い結果を出せなかったため正式に解雇された。
まとめ
- 説教はlecture
- 叱られるはtold off
- 叱るはtell off
意外にもシンプルな単語の組み合わせで「叱る」「叱られる」の英語を言えることが分かりました。叱る場面では、なるべく感情的にならずに成長に繋げていきたいですね。