学校や受験などで「英語は時制を一致させよう」と聞いたことがあるのではないでしょうか?
確かに英文法で「時制の一致」は大切な要素です。
日本人は「時制の一致」は、試験でいい点数を取るために学ぶ人が多いですが、実は「時制の一致」を理解することでアメリカ人やイギリス人などの英語を話す人たちの「感覚」を理解することに繋がります。
この記事では、そんな英語の「時制」について、そして英語で「過去、現在、未来」などの時間を表現する方法を紹介します。
時制の一致 英語
「時制の一致」は英語の基本原理だと言えます。
文字だけではわかりづらいので、例文と一緒に見ていきましょう。
例文↓
- I know he is so modest.
私は、彼がとても謙虚だと知っている。 - I think it is too difficult for her to understand the book.
私には、彼女にその本を理解するのは難しすぎると思える。 - She told me it didn’t matter.
彼女は「それは問題ではない」と私に言った。
例文の下線部を見てピンと来る方も多いでしょう。
文章内での動詞が、現在形なら現在形、過去形なら過去形で、違う時制にならないように文章が作られているのがわかりますよね。
以上の説明を聞いて、↓のように思われる方もいらっしゃったのではないでしょうか?
確かに、英語の時制の一致を授業で聞いて、今これを書いている筆者も同じことを思っていました。
しかし、私たち日本人は、日本語を扱うがゆえに、次でお伝えするミスをしてしまいがちなんです。
whenを使った時制の一致
私たち日本人は、「何時(いつ)」を表す英語のWhenを使った文章で、以下の例文のような間違いをしがちです。
例文↓
×:I knew when he comes.
私は彼がいつ来るかわかっていた。
いかがでしょうか?
「ここがおかしいな」と感じた方と、「あれ?これっておかしい文章なの?」と感じた方とで、2パターンの人がいらっしゃったことでしょう。
↑の例文では、「彼が(いつ)来るのか」に当たる「When he comes」の形が、「I knew」に合わせて「過去」の形になっているのが正しい形だと言えます。
◯:I knew when he would come.(WouldはWillの過去形)
私は彼がいつ来るのかわかっていた。
先ほどの「When he comes」の例文で、「この文章、どこがおかしいの?」と感じる人がいるのも無理はありません。
なぜなら、日本語を見てみると「彼が来るのは」というように、現在の形で訳されているからです。
このように日本語では「〜するのは」という現在の形になるものでも、英語ではルールに則(のっと)って「時制を一致させる」と言えます。
ですので、「日本語に引っ張られず、英語のルールで考える」ことが大事だと言えます。
時制の一致とthat節
突然ですが、あなたは以下の例文にどんな違いがあるかわかりますか?
- He told me “I am so tired”.
彼は私に「すごく疲れたよ」と言った。 - He told me that he was so tired.
彼は私にすごく疲れたと言ってきた。
↑の2つの例文とも、言っている内容は同じです。
しかし文章の「形式」の上では、2つの文章に大きな違いがあります。
2つの文章の違いは、以下の2つだと言えます。
- 「私」が「彼」の言葉を「直接」言っている
- 「私」が「彼」の言葉を、「第三者の目線から」言っている
↑のような「言い方の違い」を、文法用語で「直接話法」と「間接話法」と言います。
1,の文章は「彼」の言葉を「直接」言っているので「直接話法」
2.の文章は「彼」の言葉を「間接的に」(第三者の目線で)言っているので「間接話法」と言うわけですね。
そして「時制の一致」という観点で見ると、1.の例文である「直接話法」では、「彼」が言った直接の言葉が「時制の一致」よりも優先されるので「He told」に対して「I am」の形になっています。
対して、That節を使った「間接話法」では、「時制の一致」が適応されて「He told」に対して「He was」が使われているわけですね。
- 「直接話法」では、時制の一致よりも、話された言葉を「直接」表現するのが優先される
- 「間接話法」では、「時制の一致」が適応される
というわけです。
「過去の」を英語で言うと?
ここまでで「英語の時制」を英文法の観点から見てきましたが、「過去の栄光」や「過去のできごと」など、「過去の〜」を表す場合にはどのような表現を使うのでしょうか?
「過去」を英語で直訳すると「Past」となります。
実際に英語の文章で使われる「Past」を例文で見てみましょう。
例文↓
- You shouldn’t rest on past glories.
過去の栄光にすがるべきじゃない。 - The result of the past exam is not great.
過去の試験の結果はイマイチだ。
例文のように、形容詞としてPastを使うことで、多くの場合「過去の」を表すことができるわけですね。
また他にも、過去や現在、そして未来などの「時間」について英語でいろんな言い方があります。
次の項で見ていきましょう。
「現在過去未来」を意味する英語の言いかえ表現
現在、過去、未来などの時間を表す英語には以下の表現があります。
現在を表す言い換え表現
「現在」を表す英語の言い換え表現には、主に以下が挙げられます。
- Current
- At this time
- Present
「今」というと「Now」を思い浮かべますが、「現在」というだけでも、これだけ言い換え表現があるわけですね。
順番に見ていきましょう。
Current
Currentはそのまま「現在」という意味で使われます。
「Currently(現在は〜)」という使われ方でもよく見かけますね。
例文↓
- Currently, the company has a total staff strength of 300 employees.
当社の従業員数 は現在300名です。
At this time
At this timeは、直訳すれば「この時において」という訳になります。
「この時において」が転じて「現在」の意味で使われるわけですね。
例文↓
- A lower price is not possible at this time.
現在はこれより低い価格設定をするのは不可能です。
Present
カタカナで「プレゼント」というと「贈り物」の意味を思い浮かべますが、実は「現在」という意味でも使われます。
例文↓
- It seems that he likes his present job.
彼は現在の仕事が気に入っているようだ。
過去を表す言い換え表現
「過去」については前項で「Past」という表現を紹介しましたが、他にも以下のような表現もできます。
Previous
Previous「前の」を意味する英単語で、転じて「過去の」を意味する英単語としても使うことができます。
例文↓
- The previous owners of this house moved to England.
この家の以前の(過去の)持ち主はイギリスに引っ越した。
Former
Formerも前述した「Previous」と同じく「前の」の意味を持つ英単語で、転じて「過去の」という意味でも使うことができます。
例文↓
- How did you make the move from your former job to the present job?
前の(過去の)仕事から現在の仕事へと移ったきっかけは何でしたか?
未来を表す言い換え表現
「未来」を英語に直訳すると「Future」が真っ先に出てきますね。
「Future」の他にも、以下の言い換え表現があります。
From now on
「From now on」は「これから」という意味の英語表現です。
「これから先のこと」を表すので「未来」のことについて話す時に使われます。
例文↓
- Men have to wear a tie every day from now on.
男性社員は、今後は(これから先)毎日ネクタイを締めなければなりません。
Down the road
Down the roadは、Futureと似た使われ方で「未来」や「将来」を表す英語表現です。
直訳するなら「道の先で」という意味になり、時間的な感覚で「先に」というニュアンスを含んで「未来」や「将来」を表すイメージです。
例文↓
- She will be a good teacher down the road.
彼女は将来、良い先生になるだろう。
まとめ
この記事では、英語の「時制」について、そして「過去、現在、未来」の時間に関する表現を紹介しました。
ここまでお読みのあなたは、日本語の時間の表し方と、英語の時間の表し方のギャップ、そして英語で時間に関する表現を適切に使うだけの知識を十分に持っていることでしょう。
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語学習をより充実したものにできれば幸いです。