わたしたちの身の回りには、「法律事務所」や「管理事務所」など、「事務所」と名の付く組織や建物がたくさんあります。
個人で経営している小さな事務所から、子会社をいくつも持っているような大きな事務所まで、同じ「事務所」でも、規模や仕事内容にはかなり違いがありますよね。
そんな幅広い意味を持つ「事務所」は、英語では何と言うのでしょうか?
今回は、「事務所」を表す3つの英語 “office” “firm” “agency” の意味の違いと使い分けについて解説していきます。
事務所全般を表す “office”
“office”は、「事務所」を意味する最も一般的な英語です。
事務所全般を表し、机と椅子があり、事務仕事をする会社や仕事場と言う意味で使われます。
企業や組織の本部や支部のほか、特定の業務を行う部門や部署を指すことが多いです。
a room or part of a building in which people work, especially sitting at tables with computers, phones, etc., usually as a part of a business or other organization
ビジネスやその他の組織の一部として、コンピューターや電話などのある、テーブルに座って仕事をする部屋または建物のこと
ただ”office”とだけ言うだけでは場所や業務内容がわかりにくいので、”the office”や”head office”、”my office”や”home office”など、形容詞や冠詞とセットで使うことをおすすめします。
【例文1】
There were three design offices here.
訳)ここには、3つのデザイン事務所があったのよ。
I see. I heard that one of those offices closed last year.
訳)そうなんだ。そのうちひとつは昨年閉鎖されたって聞いたよ。
【例文2】
My brother works at the welfare office.
訳)弟は福祉事務所で働いているよ。
I know, right? I sometimes see him in the office.
訳)やっぱり?ときどき事務所で見かけるよ。
【例文3】
Why don’t you stop by the office?
訳)事務所にちょっとだけ顔出したら?
As this is my first time visiting, let’s start by asking where the office is located at the entrance.
訳)初めての訪問だから、まずは入口で事務所の場所を聞いてみよう。
弁護士事務所や法律事務所は “firm”
“firm”も、「事務所」を意味する英語のひとつです。
辞書に”professional service”とあるように、専門的なサービスを提供する事務所を示していることがわかります。
専門知識や資格を持って業務を行う弁護士事務所や法律事務所、会計事務所などには”firm”を使うのが適切です。
a company offering a professional service, for example a company of lawyers
専門的なサービスを提供する会社のこと 例:弁護士の会社
【例文1】
My first job was in a small accounting firm.
訳)初めて就職したのは、小さな会計事務所だったわ。
What a coincidence! I had worked at an accounting firm for five years, too.
訳)ええ!偶然!僕も会計事務所で5年間働いてたんだよ。
【例文2】
Are you going to get a job at the law firm, aren’t you?
訳)法律事務所で働くんだって?
Yeah, I want to start my own law firm in the future.
訳)うん、ゆくゆくは自分で法律事務所をやりたいんだ。
【例文3】
I’m looking for a job.
訳)仕事を探しているんだけど。
My sister works part-time for an architecture firm as an assistant. Shall I introduce her to you?
訳)姉が建築事務所のアシスタントとしてアルバイトしているから紹介しようか?
芸能事務所や声優事務所は “agency”
“agency”も、「事務所」を表す英語として覚えておきたい単語です。
芸能事務所やタレント事務所、声優事務所、探偵事務所などを表すときに使われます。
- a business that represents one group of people when dealing with another group
あるグループを代表して、他のグループと取引する企業のこと- a business that provides a service to other people or organizations
他の人々や組織に、サービスを提供する事業のこと
【例文1】
I love pop singers, so in the future I want to work as a manager at an entertainment agency.
訳)アイドルが大好きだから、将来は芸能事務所でマネージャーとして働きたいの。
So, if you were to work for the agency, would you be able to get celebrity autographs?
訳)そしたら、有名人のサインもらえるかな?
【例文2】
Wonderful voice. Do you belong to any voice acting agency?
訳)素晴らしい声ね。どこか声優事務所に所属しているの?
No, but I applied to a major voice acting agency.
訳)いや、でも大手の声優事務所に応募したよ。
【例文3】
I’m a little suspicious of a friend I met on the app. I might need to hire a detective agency.
訳)アプリで知り合った友人がちょっと怪しいんだよね。探偵事務所に頼む必要があるかも。
Umm, I think there is no need to go as far as hiring a detective agency.
訳)うーん、探偵事務所に頼むほどではないと思うよ。
事務の仕事は “office work”
「事務所」でデスクワークを仕事とする人は、事務職や一般事務と呼ばれています。
事務の仕事を表す英語としては、以下のような表現がよく使われます。
- office work
- paperwork
- desk work
“desk work”は「デスクワーク」として日本語でも浸透しているのでわかりやすいですね。
【例文1】
I usually do office work such as telephone support, processing insurance claims and so forth.
訳)普段は電話対応や保険請求の処理など、事務的な仕事をしているの。
Good. I am a sales representative.
訳)いいね。僕は営業の仕事をしているよ。
【例文2】
My boss always gets his paperwork done quickly.
訳)上司はいつも書類仕事を素早く終わらせるの。
I have a colleague who does paperwork quickly too.
訳)僕の同僚にも事務処理が早い人がいるよ。
【例文3】
I did desk work today, so I didn’t leave the office.
訳)今日はデスクワークだったから、外回りはしなかったわ。
So, you got the job done on time, didn’t you? Good for you.
訳)じゃあ定時で終わったんだ?よかったね。
まとめ
「事務所」を表す3つの英語 “office” “firm” “agency” の意味の違いと使い分けについて解説しました。
事務所全般に使える”office”は、「オフィス」として日本語でも頻繁に耳にするので最も身近な英語といえます。
弁護士事務所や法律事務所といった専門分野の「事務所」には”firm”を、芸能事務所やタレント事務所には”agency”を使うのが最適です。
事務仕事を表す”office work”や”paperwork”、”desk work”は、カタカナ読みでも馴染みのある表現なので、一緒に覚えておくと役立ちますよ。