月というと満月が人気ですが、個人的には三日月に心惹かれます。あの独特の形がなんだか神秘的で、空に浮かんでいると思わず目を奪われてしまいます。
さて、そんなわけで今回のテーマは「三日月」です。英語で三日月を何と言うか、語源なども含めて詳しく解説していきます。
また、「上弦の月」や「下弦の月」をはじめ、その他の月の形や名前についてもご紹介します。これを読めば、いろいろな月の名前を英語で表せるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
「三日月」は英語で何て言う?
「三日月」は英語で “crescent moon” と言います。発音記号は【ˈkrɛsənt muːn】で、カタカナだと「クレセント ムーン」です。また、単に crescent だけでも通じます。
crescent の語源はラテン語の crescere という単語で、これは「だんだん増える、成長する」という意味を表していました。三日月とは、月が見えない状態の新月から、まん丸に見える満月に至るまでの間にできる楔(くさび)型の月です。そこから、「満月まで成長する過程の月」という意味で、crescent moon と呼ばれるようになったのでしょう。
なお、crescent と語源を同じくする単語として、音楽用語の crescendo(クレッシェンド)が挙げられます。これもまた「(音が)だんだん大きくなる」という意味なので、コアイメージが共通していますね。
When the crescent moon hangs in the sky, I can’t help but gaze.
訳)空に三日月が浮かんでいると、思わず見入ってしまいます。
そもそも「三日月」ってどういう意味?
英語で三日月が crescent moon だとわかりましたが、そもそも日本語でなぜ「三日月」と言うのかご存知でしょうか?
三日月はもともと、太陰暦の時代、新月から3日目に見られる月のことを表していました。3日目の月だから「三日月」という、そのままのネーミングなんですね。
なお、そのまま月が満ちて満月になり、また欠けていく際にも三日月型の月が見えますが、こちらは正確には「二十六夜月(にじゅうろくやづき)」と言います。
新月から満月、そしてまた新月に戻るまでが29~30日と考えられていたので、三日月と二十六夜月は、ちょうど鏡映しの関係になっていることになります。実際、形もそれぞれ逆を向いています。
The Japanese word “Mikazuki” means the moon on the third day from the new moon.
訳)日本語の「三日月」は、新月から3日目の月って意味なんだ。
I see. So, in English, it would be something like “the third day moon,” right?
訳)なるほどね。英語で同じように考えると「サードデイムーン」って感じか。
三日月以外の月の形と名前を英語で言ってみよう!
ここからは、「新月」や「満月」、「上弦の月」「下弦の月」など、三日月以外の月の形と名前を英語で何と言うか、詳しく確認していきましょう。
「新月」in English
地球と太陽の間に月があり、月全体が暗く見える「新月」は、英語で “new moon(ニュームーン)” と言います。
視覚的には、この状態から徐々に月が大きくなっていくように見えるため、「新しく生まれる月」という意味で、日本でも英語でも「新(new)」が当てられているのでしょう。
In the state of the new moon, the moon is not visible at all.
訳)新月の状態だと、月が全然見えません。
「満月」in English
月全体が丸く見える「満月」は英語で “full moon(フル ムーン)” と言います。full は「満」という意味なので、new moon の場合と同様、日英でほぼ同じイメージを持っていることがわかります。
なお、通常1ヶ月で満月が見られるのは1回ですが、2回見られる場合、2回目の満月を “blue moon(ブルー ムーン)” と言います。なぜ blue moon と呼ぶかについては諸説あり、正確なところはわかっていませんが、一説によると、過去に見られた 2回目の満月が、火山灰などの影響で実際に青く見えたのだとか。
ちなみに、blue moon が観測された月の1回目の満月は “first moon(ファースト ムーン)” と呼ばれます。
On a full moon night, the world somehow appears bright.
訳)満月の夜は、なんだか世界が明るく見えます。
「上弦の月」in English
新月から満月に向かう過程にある半月「上弦の月」は、英語だと “waxing moon(ワクシング ムーン)” と言います。
ここで使われている wax は名詞だと「ロウソク、ロウ」の意味ですが、動詞だと「増える、満ちる」という意味があります。~ing形には「~の途中」という意味があるので、waxing moon で「(満月に向かって)増えている途中の月」という意味になります。
また、月の満ち欠けを4つに分けたうちの1番目という意味で “the first quarter moon” と呼ぶこともあります。
「下弦の月」in English
満月から新月へと小さくなっていく過程にある半月「下弦の月」は、英語だと “waning moon(ウェーニング ムーン)” と言います。
ここで使われている wane はマイナーな動詞ですが、「(光などが)衰える、弱くなる」という意味を表します。そのため、waning moon で「(新月に向かって)衰えていく途中の月」という意味になります。
なお、月の満ち欠けを4つに分けたうち、最後の部分(4分の3から4分の4の過程)に相当することから “the last quarter moon(the third quarter moon)” とも呼ばれます。
【発展】三日月と二十六夜月を英語で言い分けると?
以上見てきた「上弦の月(waxing moon)」と「下弦の月(waning moon)」の考え方を応用すると、正確な意味での三日月と二十六夜月の言い分けができるようになります。
まず三日月は、先述の通り新月から3日目の月であり、月が満月に向かって増えていく過程の状態なので、“waxing crescent” と表現できます。
反対に、満月から欠けていき、また新月に戻る直前である二十六夜月は、“waning crescent” と言います。
これらの言い分けは、日本語で三日月と二十六夜月を言い分けることが稀なのと同様に、日常会話ではほとんど行われません。しかし、言い分け方を知っていれば話題が広がるので、余裕のある方はぜひ覚えおきましょう。
There are two types of crescent moons: the waxing crescent with the left side concave, and the waning crescent with the right side concave.
訳)三日月にも2種類あって、左側が凹んでいたら三日月、右側が凹んでいたら二十六夜月って言うんだ。
You’re quite knowledgeable!
訳)めちゃくちゃ詳しいな!
まとめ
今回は「三日月」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
「三日月」は英語で “crescent moon”、または単に “crescent” と言います。一括りに月といっても、三日月や満月、半月などと色々な形と名前があるので、この機会に日本語と英語での呼び分け方を覚えておきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!