冬の花のなかでも、一際存在感のある「椿」。
日本原産でありながら、今では庭木としてヨーロッパで大人気です。
では、この椿の英語はどのようなものになるのでしょう?

記事では「椿」を取りあげ、英語表現や花言葉、そして世界有数のファッションブランドのあのデザイナーが愛したというエピソードまで紹介します。
花木好きの外国人との会話に、ぜひ椿について話せるようにしましょう。

椿の英語はcamellia

椿(つばき)は英語でcamelliaになります。
camelliaのスペリングは”ll”とlがふたつ、発音はカメリアのよう発し、可算名詞ですので複数の場合はcamelliasにすることを忘れないようにしましょう。

椿という名前ですが、冬になってもツヤツヤとした葉を落とさないことから”強葉木”とつけられ、ツバキと読まれたという説があります。

camelliaの使い方を例文で紹介

筆者は椿が大好きで、自宅の前庭に赤のつばきを植えています。毎年いくつものふっくらとした花が咲き楽しんでいます。

Aさん
What’s your favourite flower?
訳)好きなお花はなんですか?
Bさん
I love flowers especially red camellias.
訳)私はお花、特に赤の椿が大好きです。

椿でなくても自分の好きなお花の英単語を言えるようになっておくと、ガーデニング好きのイギリス人と話が盛り上がります。

Aさん
There are pink, red and white camellias.
訳)ピンク、赤、そして白の椿があります。
Aさん
I have a yukata, summer kimono, which has a camellia pattern.
訳)ツバキ柄の浴衣を持っています。

椿は色々なものにモチーフとして使われる魅力的なお花ですね。

camelliaを英語で説明しよう

ここで、少し椿について英語で説明する英文を紹介します。

Aさん
Camellia is in the family Theaceae.
訳)椿はツバキ科です。
Aさん
Camellias bloom during the cold months.
訳)椿は寒い季節に咲きます。
Aさん
Camellias are found in tropical and subtropical areas in eastern and southern Asia, from the Himalayas in the east Japan and Indonesia.
訳)椿はヒマラヤ東部から日本、インドネシアに至るまで、アジア東部から南部の熱帯および亜熱帯地域で見られます。
  • tropical and subtropical areas=熱帯および亜熱帯地域

椿の花言葉と英語の表現

椿の花言葉と英語の表現

それぞれのお花には花言葉があります。
花言葉は英語で”flower meaning”や”flower language”であり、椿の花言葉と言いたいときには”Camellia’s flower language”のようにすればよいでしょう。

camelliaの花言葉 日英の比較

日本語で言われる椿の花言葉は、主に”美”に関するものになります。

  • ピンクの椿は「控えめな美・控えめな愛」
  • 赤の椿は「完全なる美しさ・至上の愛らしさ」
  • 白の椿は「控えめな素晴らしさ・謙虚な美徳」

では、英語ではどうでしょう?以下の英文を紹介します。

Camellia speaks to the heart and expresses positive feelings.
– Desire or Passion
– Refinement
– Perfection and Excellence
– Faithfulness and Longevity

椿は心に語りかけ、前向きな気持ちを表現する。
– 欲望または情熱
– 洗練
– 完璧と優越
– 忠実と長寿

日本語と英語ではずいぶん異なる意味が含まれていることが分かります。どれもポジティブなものですが、実は椿は怖い花言葉を持っているとも言われています。

椿の花言葉で怖い意味とは?

冒頭で、椿はヨーロッパでも大人気だと述べましたが、江戸時代の末期にはすでに注目を集めていたようです。
そこで、皆さんも聞いたことがあるかもしれない”椿姫”という小説がフランスで書かれました。

肺を病う美しい高級娼婦のマルグリットが主人公です。彼女はいつも椿の花を身につけていました。ある日、アルマンという青年に出会い、恋に落ちます。当然、マルグリットは娼婦の仕事をやめ、ハッピーエンド、、、というわけにはいきませんでした。
アルマンの父が別れて欲しいとマルグリットに迫ります。マルグリットはアルマンのことを考え、身を引きますが、アルマンはマルグリットに裏切られたと勘違いをします。

時が経ち、真実を見つけたアルマンでしたが、マルグリットは肺が悪化しこの世を去る、これが椿姫の悲しいストーリーです。

このストーリーから、椿には「罪を犯す女」という花言葉があるのです。

椿の木は英語で?

椿の木は英語で?

大きく美しい椿は花に注目が集まりがちですが、葉は光沢があり無毛、厚みがあってツヤツヤとしています。
ここで、椿の木の英語表現をみていきます。

椿の木はcamellia tree

椿の木を植えた、など木として椿を表現したいときにはシンプルに「camellia tree」としましょう。

Aさん
There is a camellia tree in my garden.
訳)庭に椿の木があります。
Aさん
There are three camellia trees in my garden.
訳)庭には3本の椿の木があります。
Aさん
I’ll buy a camellia tree and will plant it in my back garden.
訳)椿の木を買って、裏庭に植える予定なのよ。

この例文では”椿の木を植える”を植物という意味のplantで表現しています。plantには「〜を植える」という動詞の働きがあります。

また、椿の木はevergreenとも言えます。
evergreenとは常緑・常緑樹の意味です。常緑樹とは、一年を通して緑色をしている樹木を指します。

椿には別名があった

英語でcamelliaと言えば椿ということが分かりましたが、特に日本のツバキと言いたい場合はJapanese camelliaにするとよいでしょう。ちなみに、学名としてはCamellia Japonicaになります。凛と美しい椿は、日本の薔薇と呼ばれます。

そして椿には、以下のような別名があります。

  • 曼荼羅(まんだら)
  • 都婆岐(つばき)
  • 耐冬花(たいとうか)
  • 海石榴(つばき)

海石榴に関してですが、中国では椿が海石榴と表記され、石榴はザクロであることから、海を渡ってきたザクロのような花として椿が表現されます。
ちなみに、ザクロは筆者の住むイギリスでも食べるために売られていて、その英語はpomegranate(ポミグラニト)になります。

椿オイルの英語表現を紹介

日本書紀にも登場する椿。開花直前の乾燥花に熱湯を注いだものは滋養強壮や便秘に利用されます。
そして、椿といえば”椿オイル”が有名です。

椿オイルの魅力

オレイン酸を主成分とする椿オイル(椿油)には様々な嬉しい効能があります。例えば、食物として摂れば悪玉コレステロール値を下げたり、血液のサラサラ効果があります。そのため、心臓病や動脈硬化、高血圧を防ぐことが期待されます(これらは一般的なものであり個人差があります)。
また、髪や肌を長時間しっとりと艶やかに保つ保湿性も優れています。

椿オイルの英語はcamellia oil

海外でも椿油camellia oilを購入することができます。大島椿がとても有名ですが、Oshima Tsubaki camellia oilとしても販売されているんです。

Aさん
My Japanese friend Masa recommended camellia oil for my skin.
訳)日本人の友達マサが、私の肌に椿油を勧めてくれたの。
Aさん
The Oshima Tsubaki camellia oil is infused with 100% natural camellia oil to protect the hair from environmental damage, reduce dandruff and deliver nourishment.
訳)大島椿オイルには100%天然のつばき油が配合されており、環境によるダメージから髪を守り、フケを抑え、栄養を与えます。
  • is infused with=配合されている
  • dandruff=頭皮のフケ
  • nourishment=栄養

ココ・シャネルが愛した椿

ココ・シャネルが愛した椿

フランスのファッションデザイナー、ココ・シャネル。世界的にも有名で長年に渡りファッション業界に大きな影響を与えました。

シャネルと言えばカメリア

シャネルのカメリアのモチーフは永遠ですね。そうなんです、コサージュやバッグや衣類によく使われる花は椿です。シャネルと言えばカメリア、誰にとってもシンボルと理解されています。

1913年、シャネルが白い花をベルトに留めました。花には単純な形であり純粋な印象、そして冬に咲くことを恐れない活力があり、これらが彼女を魅了したのです。それ以来、椿がシャネルの象徴になりました。

Aさん
Coco Chanel loved camellia and it became a symbol of the brand.
訳)ココ・シャネルはカメリアを愛し、ブランドのシンボルとなった。

シャネルのカメリアほど、シンボルとして長年愛されている花は他にないかもしれませんね。

Aさん
I can’t believe that Chanel Camellia tote bag cost for more than £1,700!
訳)シャネルのカメリアトートバッグの値段、1,700ポンドを超えるなんて信じられない!

執筆時の換算レートで1,700ポンドは約31万円です。トートバッグとしてはやはり高いのでは?!

まとめ

筆者も大好きな椿の英語表現はcamellia。自宅近所を歩くと、高い確率で椿の木が庭に植えられています。
好きなお花の話題で、英会話を楽しんでみませんか?