皆さんは自然の風景が好きですか?
私は昔、自然風景にほとんど魅力を感じませんでした。しかし、最近では美しい風景を見ると、下手な創作物では得られない強い感動を受けるようになりました。
果たして、感性が磨かれたのか、単に年を取っただけなのか、前者であることを信じつつ、今日も前向きに生きていきます。
さて、そんなわけで今回のテーマは「風景」です。タイトルにもある通り、英語で風景を表す際には4種類の表現が使われますが、それぞれの意味やニュアンスの違いを詳しく解説します。
また、記事の後半では「田園風景」や「風景画」、「原風景」などの関連語を英語で何と言うかもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
それでは、早速始めていきましょう!
「風景」は英語で何て言う?
「風景」を表す際、英語では “landscape”、”scenery”、”sight”、”view” という4種類の単語が主に使われます。
一括りに風景といっても、これらが表すイメージには若干の違いがあるので、状況に応じてそれぞれ適切に使い分けたいところです。
以下で、各表現の意味の違いについて、詳しく確認していきましょう。
風景①:landscape
日本語の「風景」という語感に最も近いのが “landscape” です。発音記号は【ˈlænd.skeɪp】で、カタカナだと「ランドスケープ」と読みます。
landscape はもともとドイツ語で「地域」や、その地域の「風景」を表していました。そこから、現代英語では主に、自然が残る雄大な風景を表す際に使われています。
In the countryside, there may not be many conveniences, but in exchange, there are magnificent landscapes.
訳)田舎には、便利なものこそ少ないかもしれませんが、その代わりに素晴らしい景色があります。
風景②:scenery
主に自然の風景を表す際に使われるのが “scenery” です。発音記号は【ˈsiːnəri】、カタカナだと「シーナリー」となります。
前述の landscape の場合は、良くも悪くも、目に映る自然風景をそのまま言い表します。その一方、scenery の場合は「美しい自然風景」というニュアンスが含意されています。
住んでいる人には見慣れた landscape にしか見えなくても、初めて訪れた人にとっては、人生を変えるほどの scenery に映る、そんな違いがあります。
Witnessing beautiful scenery can often leave a greater impression on people than reading books.
訳)美しい風景を目にすることは、ときに書物を読むより多くの感銘を人に与えます。
風景③:sight
“sight” は、視界に入ってきた限定的な風景を表す際に使用される表現です。発音記号は【saɪt】、カタカナだと「サイト」となります。
“sight” はもともと「視界」「視力」を意味する言葉です。そこから転じて、自分の目に入ってくる風景も表すようになりました。
前述の “landscape” や “scenery” が端まで見切れないほどの広大な風景を表していたのに対し、”sight” が表すのは。自分の目が及ぶ範囲内の風景です。
そのため、たとえば庭や公園など、比較的狭い場所の風景を指す際によく使われます。
The sight from the window in the morning looks more beautiful than anything in this world.
訳)朝起きて窓から見える風景は、この世の何物よりも美しく見えます。
風景④:view
“view” は、ある特定の場所から見える眺めとしての風景を意味する際に使われます。発音記号は【vjuː】で、カタカナだと「ビュー」です。日本語でもよく使われるので、聞き馴染みのある方も多いでしょう。
たとえば、ビルの屋上に上った際に美しい風景が見られたら、”view” を使って表現するのが適切です。
“view” なら、人工的なビル群の風景でも、雄大な自然の風景でも、どちらでも表せます。「この場所に立っているから見られる特別な風景」というニュアンスになります。
The beautiful view from the top of the hill comes alive only when you stand there.
訳)丘の上からの美しい眺めは、あなたがそこに立つことで初めて成り立ちます。
Hey, why are you so poetic today?
訳)ねえ、何で今日はそんなにポエマーなの?
「田園風景」や「風景画」など、風景に関連する表現を英語で言ってみよう!
ここからは、「田園風景」や「風景画」、「原風景」など、風景に関する各表現を英語で何と言うか、詳しく確認していきます。
前述した4種類の表現を応用するものが多いので、それぞれ何と言うか、ぜひ考えながら読み進めてみてください。
「田園風景」in English
のどかな印象の「田園風景」は、英語だと “rural landscape(rural scenery)” や “pastoral landscape(pastoral scenery)” と表現します。
ここで使われている”rural” は「田舎」という意味で、”pastoral” は「のどかな」という意味です。前者は田畑が広がっているような、後者は牛などが放牧されているような風景が頭に浮かびます。
「風景画」in English
自然の景色を描いた「風景画」は、英語だと “landscape painting” と言います。
“scenery painting” とも言えなくはないですが、”landscape painting” の方が一般的です。そのままで美しい自然(scenery)を描くのではなく、素朴な自然(landscape)を美しく描くというイメージなのでしょう。
なお、文脈上明らかであれば、”landscape” 単体で「風景画」の意味で使うことも可能です。
「原風景」in English
「原風景」という言葉には色々な意味があるので、意味ごとに適切な英語表現を考える必要があります。
まず、原風景という言葉の本来の意味は「手付かずの自然」です。これはドイツ語の “Urlandschaft” という単語が由来になっていて、それを英語にすると “virgin landscape” となります。
続いて、日常的により多く使われるのが「幼い頃に見た懐かしい風景」という意味での原風景です。こちらの場合は、”nostalgic rural landscape” などと表現すればよいでしょう。
最後に、原風景には「実在しないけれど懐かしく感じる心象風景」という意味もあります。この場合は、”imagined landscape” や “landscape in one’s mind’s eye” などと言えばニュアンスは通じます。
まとめ
今回は「風景」を英語で何と言うかについて、詳しく確認してきました。
風景を表す際、英語では “landscape”、”scenery”、”sight”、”view” の4種類が使われます。それぞれに表す風景のニュアンスが違っているので、今回ご紹介したことを参考に、それぞれを適切に使い分けていきましょう。
それでは、これからも楽しい英語学習を。
Let’s enjoy!!