4年に1度のオリンピックを人生で一度は生で観てみたいという人も多いのではないでしょうか。ここでは、紀元前708年に徒競走以外で初めてオリンピック競技に採用された歴史の長い、ヨーロッパが発祥の格闘技「レスリング」について詳しくお伝えいたします。英単語や簡単な英文の作り方もご紹介しているので、今後海外で開催されるオリンピックを現地で観る人や、SNSを通じて海外の方と交流する方はぜひ参考にしてください。

レスリングについて

レスリングは英語では「wrestling」と言います。「wrestle」の現在分詞で、「wrestle」は「組み打ちする」「とっ組み合う」などの意味があります。その意味通り、レスリングは素手で相手を組み伏せた方が勝ちというシンプルなルールの格闘技です。直径9mの円形マットの上で、3分×2ピリオドの合計6分間行われます。6分と聞くと短く感じますが、その間に繰り広げられる技の数々、試合中の駆け引きが見どころとなっています。勝敗の決め方は相手の両肩を1秒以上マットに付けて勝利するか、ポイント差をつけると勝利となります。もし6分以内に決着がつかなければ、ポイントが多い方が勝利となります。日本の女子レスリングの選手層の厚さは世界一ともいわれており、吉田 沙保里選手や浜口 京子選手をはじめ、さまざまな選手が活躍しています。レスリングをきちんとみたことがない人でも、吉田 沙保里選手や浜口 京子選手をテレビでみたことがある人は多いかと思います。日本が活躍しているオリンピック競技の1つなので、ぜひレスリングについて説明できるようになってほしいです。

フリースタイルとグレコローマンについて

レスリングには、グレコローマンとフリースタイルという2つのスタイルがあります。
フリースタイル「freestyle」は、全身を使った攻防「offense and defense」で男子/女子共に参加できます。「ofense」は違反、反則、犯罪などの意味もありますが、ここでは攻撃するという意味で使います。「defense」は防衛、防御、守備などの意味で、ここでは防御として使います。オフェンス・ディフェンスはスポーツでよく耳にしますが、こちらも同じ意味を持ちます。
ルールは18世紀頃にイングランドで発祥したレスリングの一種「CACC(Catch As Catch Can)」に由来するとされています。「Catch As Catch Can」の名詞の意味は「フリースタイルレスリング」ですが、例文として「できるだけ取れ」「何とかしてできるだけ捕まえろ」などもあります。
全身への攻撃に制約がないため、素早いタックルとローリングなど多様な寝技でも技術展開が豊富です。技の英単語については詳しく後述いたします。

グレコローマン「Greco-Roman wrestling」は、「Greco」という単語の意「ギリシャ」と、「Roman」という単語の意「ローマ」で成り立っており、「ギリシャ・ローマの」という意味です。ギリシャ、ローマ両方の影響を受けてレスリングのスタイルになりました。
上半身の攻防で男子のみ参加することができます。詳しく説明すると、腰から下を攻撃・防御に用いてはいけないという制約があるため、相手の腰から下をつかむことや脚を使っての攻撃がルールで禁止されています。そのため、ダイナミックな投げ技の応酬が繰り広げられます。

技の名前を英語でも覚えてみましょう

まずはフリースタイルの技名をご紹介していきます。

・ローリング「rolling」
相手の腰をロックし、横へ1回転させる技です。「rolling」は動詞「roll」の現在分詞で意味は「回転」「(船・飛行機などの)横揺れ」「(波の)うねり」などがあります。

・アンクルホールド「ankle hold」
相手の足首を交差させて固めることで相手の下半身の動きを封じ、自分の体を回転させることで相手の体も回転させることができる技です。「ankle」が足首、「hold」が 「(手に)持つ」「握る」「固定させる」などの意味があります。

・またさき「crotch tear」
相手の股関節を両足ではさんでロックし、背骨をきしませるようにして上体をひっくり返す技です。「crotch」は「(人体の)また」「(樹木の)また」、「tear」は「涙」「雫」などの意味もありますが、+目的語を置くことで「引き裂く」「破る」などの意味として使えます。

・足技「footwork」
柔道や相撲に見られる脚をかけて倒す技です。

・投げ技「throw technique」
相手を投げる技です。「throw」は「投げる」「ほうる」「投げつける」、「technique」は「手法」「技法」「方法」と言う意味です。

・タックル「tackle」
タックルへ入り、持ち上げて、背中からマットに落とす技です。

次にグレコローマンの技名をご紹介していきます。

・一本背負い「a one-arm back throw」
相手が肩に手を置いてきた時や、脇に手を入れてきた時などにその手を掴んで一気に投げる技です。

・首投げ「neck throw」
相手の首に腕を巻きつけて投げる技です。

・腰投げ「hip throw」
相手の体を自分の腰に乗せて投げる技です。

ここで紹介した技は一部ですが、技の点数や迫力は1つ1つ違いますので、自分好みの技もあるかと思います。ぜひいろいろな技名を覚えてみてください。また、柔道や相撲でも使われている技もあるため、「Ippon Seoi Nage」「Kubi Nage」「Koshi Nage」などでも伝わる場合があります。話し相手、伝えたい相手によって変えみるのもいいかもしれません。

レスリングの印象を簡単な英文に訳してみましょう

技名を覚えたところで試合の感想を英文にしてみましょう。

Aさん
The tackle now was amazing.
訳)今のタックルは素晴らしかった。

「The tackle」は「タックル」、「now」は「今」、「was amazing」は「素晴らしかった」と言う意味です。

技以外にもレスリングの試合終了後よく、選手が監督やコーチを肩車したり、投げたりする光景をよく観ますよね。あの光景が印象的だったので、英文にしてみたいと思います。

Aさん
The player threw the supervision.
訳)選手が監督を投げた。

用語の確認をしていきます。「The player」は「選手」、「threw」は「throw」 の過去形で「投げた」、「the supervision」は監督と言う意味です。「コーチ」と伝えたい場合は、「the coach」なので、「the supervision」を「the coach」と変えます。

Aさん
The player piggybacked the supervision.
訳)選手が監督を肩車した。

「piggybacked」は、「piggyback」の過去形、または過去分詞で「背に乗せて運ぶこと」を意味します。

こんな風に記憶に残っている印象を短い文を英文にしていくと、少しずつ単語のイメージが残っていきます。

空想で英文を作る方法もおすすめです。今回お伝えしたレスリングについてをレスリングを知らない人に簡単にルールをお伝えするとします。日本語では、「レスリングは素手で戦う格闘技で、直径9mの円形マットの上で、6分間試合をします。」と伝えることができます。しかし、1文でまとめて英語で伝えようとすると難しく感じてしまいませんか?そんなときは、1つ1つ文を分けて英文にすると伝えやすいです。それでは英文にしていきます。

Aさん
Wrestling is a martial art that fights with bare hands.
訳)レスリングは素手で戦う格闘技です。
Aさん
It is done on a circular mat with a diameter of 9 m.
訳)直径9mの円形マットの上で行われます。
Aさん
The match will be settled in 6 minutes.
訳)6分間で試合の決着がつきます。

短い文が3つできましたが、簡単に英文へ訳すことができました。ここのシーンがよかった、今の技がすごくかっこよかった、応援してる選手が試合に勝って一緒に喜んだ、などいろいろ伝えたい内容が増えていくかと思いますが、英文に慣れないうちは短い文に分けることを意識することもおすすめです。

レスリングで世界と繋がりましょう

レスリングについて、英単語や英文での伝え方を説明しましたがいかがでしたか?レスリングについて知ることが増えた方や、英文を作りやすくなったと感じてくれた方がいらっしゃいましたら、嬉しく思います。技やルールだけでなく観ている時の感情や感想の英単語も覚えていると、英文にしやすいかと思います。ぜひ、レスリングを通じて日本だけでなく世界と繋がってください。