日常生活を送る上で、助けてくれた友人や一緒に仕事を頑張ってくれた仲間に対して「お疲れ様」と労(ねぎら)いの声をかけることは多いですよね。そんな「お疲れ様」は、英語で何と表現するのでしょうか?実は、日本語で「お疲れ様」と表現することでも、英語では全く違う言葉で表すことが多いんです!そこでこの記事では、「お疲れ様」を英語で表現する時に今すぐ使えるフレーズをお伝えしていきます。この記事を読み終わる頃には、日本語訳の「お疲れ様」にとらわれずに、その都度(つど)適切な表現を出来るようになるので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

英語で「お疲れ様」とは言わない?

皆さまは「お疲れ様」をどんなニュアンスでお使いでしょうか?ねぎらいの言葉、感謝の言葉、挨拶としてのひと言…。ひと口に「お疲れ様」といっても、その用途や意味合いは様々です。そして日本語ではひと言で表す「お疲れ様」も、英語ではシチュエーションごとに違う言葉を使います。つまり、英語では「そこはお疲れ様とは言わないよ」という事態が起こるわけです。そこで、「お疲れ様」が持つ意味やニュアンスについて、以下の3つの性質に分けて、それぞれ英語でどのように表現するかを確認していきましょう。

  • 労(ねぎら)い
  • 感謝
  • 挨拶

労(ねぎら)いを表す英語の「お疲れ様」

まずは「労(ねぎら)い」を意味する「お疲れ様」の英語表現についてお伝えしていきます。

お疲れのことかと思います

日本語のニュアンスで「お疲れのことかと思います。」を表す英語として、以下の表現を用いることが出来ます。この表現が日本語の「お疲れ様」のイメージに最も合致する言い回しで、目上の人にも問題なく使うことが出来ます。

Aさん
You’ve got to be tired from work.
訳)お仕事でお疲れのことかと思います。
Aさん
He must be tired after such hard work.
訳)大変なお仕事でさぞお疲れでしょう。

日本語では「お疲れ様」と「ご苦労様」を、目上の人(上司など)に対して使うかどうかで区別しますが、目上の人にも問題なく使えるという意味でも「お疲れ様」と同じ感覚で使うことが出来ますね。
※ただし、初対面の人に使うのは馴れ馴れしい印象を与えてしまいかねません。初対面の人を相手に言う場合は他の表現を用いた方が無難です。

今日のあなたは良い仕事をしましたね

日本語でいう「今日のあなたは良い仕事をしましたね」のニュアンスをGood work todayで表すことが出来ます。相手の努力を讃(たた)えて「お疲れ様」と言いたい時に役立つ英語表現です。

Aさん
You really did good work today. We managed today’s tasks thanks to you.
訳)今日のあなたは本当に良い仕事をしました。あなたのおかげで今日の業務を乗り切ることが出来ました。

努力が報われましたね

日本語でいう「努力が報われましたね」のニュアンスを、以下のように英語で表現出来ます。順番に見ていきましょう。

Aさん
Your hard work paid off.
Hard workが「頑張り」を意味して、Paid offが「支払われた」のニュアンスで機能しています。つまり、「君が積み立ててきた頑張りが、君のもとに戻ってきた(払い戻しされた)ね」というニュアンスから、「努力が報われたね」を意味するというわけです。
Aさん
Your efforts bore fruit.

Effortが「努力」を意味する英単語で、複数形になることで「たくさんの努力」のニュアンスを持ちます。そしてBore fruitは「実る」の意味を持ちます。BoreはBearの過去形で、Bearは「結ぶ、産む」などの意味を持ちます。Fruitはカタカナの「フルーツ」の通り「果実」を意味します。「果実を結ぶ=実を結ぶ」という発想から、「たくさんのあなたの努力が実を結んだね」の意味を持つわけですね。高校受験や大学受験、資格試験や就職試験などで、長い努力が報われたときに「お疲れ様」と労(ねぎら)うことがありますよね。そんな長い努力を讃(たた)える「お疲れ様」を表現出来るフレーズです。

感謝を表す「お疲れ様」

感謝を表す「お疲れ様」

続いて、感謝を意味する「お疲れ様」の英語表現をお伝えしていきます。

Thank you for~で伝わる感謝の「お疲れ様」

感謝の意思を英語で伝える際の「お疲れ様」は、「Thank you for」で始まる以下のフレーズで表現出来ます。

Aさん
Thank you for your hard work.

「Your hard work=あなたの一生懸命なお仕事(働き)」に対して、「Thank you=ありがとう」と言っているイメージですね。
※Workは広い意味で「働き」なので、仕事だけじゃなく勉強やお手伝いなども広く含まれます。
というわけで、Thank you for your hard work.は「一生懸命頑張ってくれてありがとう」というニュアンスになります。研究作業やお仕事のプロジェクトなどで、たくさん頑張ってくれた人に「お疲れ様」を言いたい時にぴったりのフレーズです。

Aさん
Thank you for all your trouble.

「Thank you for all your trouble.」は、「色々お手数をおかけしました。」に近いニュアンスを持っています。この場合の「Trouble」は「お手数=手間をかけさせたこと」というニュアンスを持っています。また、この場合の「色々」には「お手数をかけたであろう要素すべてをひっくるめて」のニュアンスを持っていることが伺えますよね。この「すべてをひっくるめて」を「All」で表すことで、「Thank you for all your trouble」が「色々とお手数をおかけしました。」の意味になるというわけですね。こちらも、自分たちのために奔走していただいた功労者に「お疲れ様」の意を伝える時にピッタリのフレーズです。

このように、「Thank you for ~」を用いて、Hard workやTroubleを引き受けたことに感謝することで「お疲れ様」を表しています。上述した2つの言い回しが特にシンプルで覚えやすいですが、下記のようにご自身でアレンジしても正確に感謝の「お疲れ様」を伝えることも可能です。

Aさん
Thank you for working so hard on such a tight schedule today.
訳)今日は、きついスケジュールの中で一生懸命働いてくれて、ありがとうございました。

決まり切った表現に慣れて、余裕が出来たらご自身の言葉で伝えてみましょう。
※その際は、必ずフィードバックを貰いましょう。間違ったままの英語が定着してしまうと、もったいないですからね。

軽い挨拶の「お疲れ様」

軽い挨拶の「お疲れ様」

軽い挨拶として「お疲れ様」を使う時もありますよね。勤務中に職場の上司や同僚、部下とエレベーターなどで顔を合わせた時の「お疲れ様です」であったり、とても仲の良い友人と会った時の「おつ!」や「おつかれ!」が「軽い挨拶のお疲れ様」にあたります。軽く挨拶する際の「お疲れ様」を表す時は、深く考えずに「その場に相応しい英語の挨拶」をすればOKです。

とてもカジュアルな場合

友達間での「おつかれ!」や「おつ!」に相当する軽い挨拶には「Hi, Hey, Bye」が挙げられます。Hi!やHey!は「やぁ!」のイメージ、Bye!は「おつ!またね!」くらいのイメージです。

カジュアルにもフォーマルにも使える挨拶の「お疲れ様」

会社の上司や同僚、部下などと顔を合わせた際の「お疲れ様です」には、以下の挨拶が該当します。どれも簡潔な挨拶ですよね。

  • Hello
  • Goodbye
  • Good morning/afternoon/evening
  • Have a nice day

Helloは「こんにちは」を、Goodbyeは「さようなら」を、Good morning/afternoon/eveningは時間に応じて「おはようございます、こんにちは、こんばんは」を、Have a nice dayは「良い一日をお過ごしください」を表します。

まとめ

この記事では、以下の点から「お疲れ様」を表す英語表現についてお伝えしてきました。

  • 日本語でひと口に表現される「お疲れ様」は、英語ではそれぞれ別の表現を用いる
  • 「お疲れ様」は、労(ねぎら)い、感謝、挨拶として使われる
  • 英語では、「お疲れ様」を使って「どんな気持ちを相手に伝えたいか」を簡潔に表す

日本語ではひと言で様々な意味を持つ言葉でも、英語では別の表現を用いることは多々あります。そしてここまでお読みのお方は、日本語の意味にとらわれず、状況に応じて適切な表現が出来るようになっています。

ぜひこの記事でお伝えしたことを活用して、自然で適切な表現を相手に伝えてみてくださいね。