「私の父は最近パソコン教室でレクチャーを受けて、かなり上手になったよ。」
というように、何かをしっかり教わる時には「レクチャー」という言葉が使われますよね。
日本にいるとカタカナ英語で「〇〇(誰か)のレクチャー」や「〇〇(誰か)にレクチャーする」という使われ方をしますが、英語本来の”lecture”はどうでしょうか?
この記事では、カタカナ英語の「レクチャー」の使われ方と比較しながら、英語の”lecture”について例文付きで紹介します。
例文付きで紹介することで、直訳表現などに因われずに、丸暗記にならない学びを期待できるからです。
この記事を読み終わる頃には、カタカナ英語の「レクチャー」と、英語の”lecture”とのギャップをしっかりと理解し、あなた自身も英語を話す外国人のように、適切に使い分けられるようになっているのでぜひ最後まで読んでください。
レクチャー(lecture)にはどんな意味がある?
レクチャーの元になっている英語の”lecture”は、大きく分けて以下2つの意味で使われることが多いです。
順番に見ていきましょう。
講義・講じる
lectureには「講義」と「講じる」という意味で使われます。
「講義」は名詞、「講じる」は動詞で使われるわけですね。
「講義」というと、大学の講義や専門性の高いセミナーなども「講義」と銘打って使われることもあります。
「講ずる」は簡単に言うと「教える」のニュアンスで、「講義」で教えるような形式張った教え方をする時に使われるイメージです。
【例文】
- I attended an interesting lecture on quantum mechanics yesterday.
昨日、量子力学に関する興味深い講義に出席しました。 - The university offers a wide range of lectures on various topics.
大学ではさまざまなトピックに関する幅広い講義が提供されています。 - The professor will lecture on Shakespearean literature next week.
その教授は来週、シェイクスピアの文学について講じます。
説教
lectureは「説教」という意味でも使われます。
lectureが「説教」というネガティブなニュアンスでもで使われるのは意外に思う人が多いでしょう。
なぜならカタカナ英語の「レクチャー」では「説教」というネガティブなニュアンスでは使われないからですね。
「説教」という意味のネガティブなニュアンスで使われる”lecture”は、上述した「講義」の意味に含まれる、教授などの目上の人から講釈を受ける印象から、親や上司などからの「長々とした話(説教)」に連想して使われるようなイメージをすると覚えやすいです。
【例文】
- The teacher gave us a stern lecture on the importance of honesty.
先生は正直なことの大切さについて厳しい説教をしました。 - After coming home late, I got an earful lecture from my parents.
帰宅が遅くなった後、両親から耳の痛くなる説教を受けました。 - He received a scolding lecture from his coach for not putting in enough effort during practice.
彼は練習中に十分な努力をしなかったことでコーチからお叱りの説教を受けました。
「伝授する」ことを”lecture”で言い換えられる?
カタカナ英語で「レクチャーする」と言うと、何かを「伝授する」という意味も思い浮かべるのではないでしょうか?
英語の”lecture”の意味は上述した通り「講義・講じる・説教」がメインで、厳密には「伝授する」の意味とは少しズレます。
しかし、「講ずる」の意味を少し広く解釈して「教える」という意味で考えると、文脈によって「伝授する」の意味で”lecture”を使うこともあります。
【例文】
- He lectures invaluable skills to young apprentices, shaping future craftsmen.
彼は貴重な技術を若い見習いたちに伝授し、将来の職人を育てている。 - The coach lectures strategies, instilling winning tactics in the team.
コーチは戦略を伝授し、チームに勝利の戦術を教え込みます。 - The professor lectures innovation, fostering creativity in aspiring entrepreneurs.
その教授はイノベーションを伝授し、起業家志望者たちの創造性を育んでいます。
「レクチャーを受ける」は英語ではどんな意味になる?
カタカナ英語で「レクチャーを受ける」と聞くと、上述した「『講義』を受ける」の他にも、スポーツや楽器などの「技術」について手ほどきを受ける…といった意味も連想するのではないでしょうか?
英語の”lecture”では、「技術的な手ほどき」の意味で使われることは少なく、あくまで「講義」の意味で使われます。
カタカナ英語の「レクチャーを受ける」が持つニュアンスの「技術的な手ほどき」を表現する場合は、”instruction”を使うと良いでしょう。
「テニスのインストラクター」とか「IT技術のインストラクター」の「インストラクター」の元の言葉として連想するとイメージしやすいですよ。
【例文】
- The coach offers instruction on proper tennis techniques.
コーチはテニスのテクニックについて適切な手ほどきを提供します。 - The professor instructed the students on the basics of programming.
教授は学生たちにプログラミングの基礎を手ほどきした。 - She provided detailed instructions on how to assemble the furniture.
彼女は家具の組み立て方について詳しく手ほどきをしてあげた。
「レクチャーをする」は英語でどう表現する?
前項の「レクチャーを受ける」の逆で、自分が「レクチャーをする」側の文章を作る場合は”hold”や”give”、もしくは動詞として”lecture”を使います。
holdは「(催し事などを)開催する」、giveは「〜を与える」の意味で、それぞれ名詞の「講義」の形にくっついて「レクチャーを開催する」や「レクチャーを(生徒などに)与える」というイメージで使われます。
【例文】
- He gave a lecture to his colleagues on the new company policy.
彼は同僚たちに新しい会社の方針についてレクチャーした。 - The expert held a lecture on sustainable agriculture practices.
専門家はサステナブル(持続可能)な農業の実践についてのレクチャーを行った。 - The guest speaker gave a lecture on the history of art.
ゲストスピーカーは美術史についてのレクチャーを行った。
まとめ
この記事では、カタカナ英語の「レクチャー」の使われ方と比較しながら、英語の”lecture”について例文付きで紹介しました。
ここまでお読みのあなたは、カタカナ英語の「レクチャー」と、英語の”lecture”とのギャップをしっかりと理解し、例文付きで触れたことで、あなた自身も英語を話す外国人のように適切に使い分けられるようになっているでしょう。
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語表現をより豊かにできれば幸いです。