皆さんは「もっと自由を感じたいな」と思うことってありますか?そんなときに何が自由にしてくれるのでしょうか?
この記事では、自由や解放がキーワードの英語表現set me freeを紹介します。このフレーズが持つ意味や使い方を学びましょう。
set me freeの意味と使い方
set me freeというフレーズには「私を自由にして」の意味があります。この表現はネイティブにスラングとして使われます。
set me freeの意味
「私を自由にして」の意味を持つのがset me freeです。
ここで、フレーズに使われているそれぞれの単語を辞書で調べてみます。
まず、freeは皆さんご存知のとおり「自由」を表現し、したがって制限されていない、影響を受けていない、障害物がないといった意味も持ちます。
一方setには「正しい位置に置く・整える」などの意味があります。
そこで、set me freeというフレーズに戻ってみましょう。
直訳にすれば「私を自由の位置に正しく置く」という感じでしょうか?そこから「私を自由にして」になります。会話の流れによっては「放っておいて」ととられそうですが、この場合にはleave me aloneと言う表現のほうが当てはまります。
set me freeの使い方
set me freeは歌詞にも登場するフレーズです。Stingも「誰かを愛しているなら、その人を自由にしてあげて」と歌います。
それでは、set me freeの具体的な使い方を例文で確認しましょう。
Living abroad has set me free.
訳)海外での生活は私を自由にしてくれた。
海外経験が自分の視野を広げ、自分自身を解放できたという内容の例文です。外国人のこだわるポイントが異なることを発見するだけでも、悩みが小さく感じられることってありますね。
My parents are both so strict, I always think “please set me free”.
訳)私の両親両方がとても厳しいので、私を自由にしてといつも思っている。
strictは規則などを守らせるために「厳しい、厳格な」という意味の形容詞です。厳しすぎると感じる環境であればあるほど自由になりたいと感じます。
set me freeとlet me be freeの違い
set me freeと似たフレーズにlet me be freeがあります。
setとletの違いがありますが、どのように使い分けをすればよいのでしょう。2つのフレーズの違いをみていきます。
set me freeとlet me be freeの違い
これら2つの表現には違いがあり、set me freeが他者が自分を制限から解放してくれるように求める表現である一方、let me be freeは「私が自由であることを許してほしい」というニュアンスを持ちます。
set me freeはより他社による積極的な行動を伴う。
let me be freeは自己の状態に対し、受け身的な解放を求める。
したがって、人生のトラウマになるような束縛や拘束、義務からの解放を求めるときに使うのはset me free、それより現在の制限に対し受け身的に許可や許しを求めているときに使うのがlet me be freeになります。set me freeはより深刻で、監禁状態という物理的な拘束にも使われます。
set 人 freeの使い方
ここまで、set me freeをみてきましたが、このパターンはset 人 freeとして応用することができます。
set 人 freeの応用バージョン
set 人 freeの「人」にあらゆる人物を当てはめることができます。置き換える場合には、目的格の形にするというルールがあります。
主格がI/he/she/theyなどに対し、目的格はme/him/her/themです。これらの意味は「~を・~に」になります。
具体的には以下のような応用になります。
set you free
set him free
set her free
set them free
If you love someone, set him/her free.
訳)誰かを愛しているのなら、その人を自由にしてあげて。
The film ‘Emancipation’ is about a black American slave. His wife just wanted to set him free from the injustice he suffered.
訳)映画「自由への道」は、アメリカの黒人奴隷についての物語である。彼の妻は、彼が受けた不当な扱いから彼を解放したかったのだ。
the injustice=不当な扱い・行為
皆さんは、ウィル・スミス主演の映画”Emancipation”を観たことがありますか?1800年代のアメリカ南部が舞台、南北戦争中の実話をもとに、黒人奴隷のピーターが自由を求めて北部を目指したストーリーです。例文では、長年苦しんできた人々が解放され自由になることにset 人 freeが使用されています。
set freeの例文
次に、set freeという表現を紹介しましょう。
set freeには「~解放する」「自由の身にする」という意味があります。
set freeの例文
解放や自由の身という際、一つ上で紹介した奴隷解放が強烈な歴史を物語っています。さらに、イスラエル・パレスチナ問題で捕虜の解放も世界中で大きな注目を集めています。
Israel must end the attacks on Palestine now, and they should set free the Palestinians from this conflict.
訳)イスラエルは今すぐパレスチナ攻撃をやめるべきであり、パレスチナ人をこの紛争から解放すべきだ。
毎日のニュースに心が痛みます。イギリスの大学を含め、世界中で解放や自由のための抗議のデモが繰り広げられています。現在の世界情勢を考えると、フレーズset freeの意味を理解することが大切と言えます。
set me freeの言い換え2選
最後に、set me freeを別の言葉に言い換えてみます。
free自体にも「自由の身の」「束縛を受けていない」などset me freeと同様の意味があります。本記事では、それ以外の2つの置き換え表現について例文で理解を深めましょう。
release
releaseには動詞で「解放する・自由にする」、名詞で監禁や束縛からの「解放・救出」などの意味があり、set me freeと同じ意味で使われます。ストレス状態をリリースするのように、日本語でも使われている言葉です。
The release of the hostages couldn’t happen without the use of force.
訳)人質の解放は、武力行使無しにはありえなかった。
hostage=人質
use of force=武力行使
emancipate
ウィル・スミス主演の映画”Emancipation”を紹介しましたが、関連用語として動詞emancipateをset me freeに置き換えて使うことができます。emancipate(エマンシペイト)には、政治的・社会的な束縛や圧迫から「解放する・自由にする」という意味があります。また、法律関係では、親権を放棄して独立させる意味で使われることもあります。
Are women in the world now fully emancipated?
訳)世界の女性たちはもう完全に解放されているのでしょうか?
Slaves weren’t emancipated until 1863 in the US.
訳)アメリカでは、1863まで奴隷が解放されなかった。
まとめ
「私を自由にして」という意味を持つset me free、let me be freeとの比較でそのニュアンスや使い方を紹介しました。深刻な束縛や世界情勢を考えても、英語学習者が知っておくべき表現だと言えるのではないでしょうか?