「ランデブー」ということばを知っていますか?曲のタイトルや歌詞で聞いたことがあるという方もいるかもしれませんね。

今ではあまり耳にすることのない「ランデブー」ですが、昔はごく普通に日常会話で使われたことばです。
今回は、もはや死語?のランデブーの本来の意味や、英語での表現をご紹介します。

ランデブーってどういう意味?

ランデブーってどういう意味?

ランデブーはもともとフランス語から来た言葉。日本語ではもっぱら「デート」という意味で使われていました。

ランデブーはフランス語では“rendez-vous”で「会う約束、待ち合わせ」という意味。“rendre(返す)”と“vous(あなた)”が組み合わさった単語です。
日本語では、「彼らはこれからランデブーだそうだ」、「ぼくとランデブーしない?」というように使われてしました。
最近、日常会話で耳にすることはなく、この意味のランデブーはほぼ「死語」。ちょっとレトロな響きやどことない背徳感があるので、歌のタイトルや歌詞で使われることもありますね。

日本の「ランデブー」は男女のデートというロマンチックな意味が主ですが、フランス語ではごく日常的に使われることばで、必ずしもデートを意味するわけではありません

「今日、弁護士とランデブー(会う約束)がある」や「明日のランデブー(待ち合わせ)は4時でいい?」というような表現にも使われます。

日本語の「ランデブー」、デート以外の意味は?

本来のフランス語では、「待ち合わせ」という意味を持つランデブー。日本語のランデブーにも「デート」以外の意味もあります。

それは、宇宙開発の分野で使われる「ランデブー」。宇宙開発の分野でのランデブーは「宇宙空間で2機以上の宇宙船、もしくは宇宙船と宇宙ステーションや人工衛星が、お互いに速度を合わせ、同一の起動を飛行し、お互いに接近する操作」のことを指します。

人ではないけれど、時間と場所を決めておき、合流するのはまさしく「ランデブー(待ち合わせ)」。飛行士の往還および物資の補給がランデブーの主な目的だそう。
宇宙でのランデブー、なんだか壮大でロマンがあるように感じますね。

他にも「ランデブーポイント:救急車とドクターヘリが合流する場所(地点)」や「ランデブー走行:車や電車などが2台、前後や左右に並んで走行すること」ということばもあります。

英語でランデブーって何て言う?

フランス語のランデブーは“rendez-vous”。英語でも日本語と同様に、そのまま ”rendezvous”として使われています。意味は「待ち合わせの場所」や「会う約束」で本来のフランス語の意味と近く、日本語のように、男女間のデートに限定して使う表現ではありません。

例えば、”rendezvous”を使って、渋谷駅前のハチ公像を紹介してみましょう。

Aさん
The statue of Hachiko at Shibuya Station is a popular rendezvous spot.
渋谷駅のハチ公像は人気のある待ち合わせスポットです。

ほかにもこんな風に使われますよ。例文を確認しましょう。

Aさん
The rendezvous point was 100 kilometers away.
待ち合わせ場所は100キロ先だった。
Aさん
Maria plans a rendezvous with her father.
マリアは彼女の父親との待ち合わせを計画する。
Aさん
NASA has flown rendezvous missions for nearly a half-century.
NASAは半世紀近くにわたってランデブーミッションを実施してきた。

和製フランス語とその英語表現をチェック!

和製フランス語とその英語表現をチェック!

ホッチキスアルバイトノートパソコンなどは代表的な和製英語和製英語とは、日本だけで使われている英語のような表現で、実際の英語としては通じません。和製英語と同様に、日本語では少し意味が変化してしまったいわゆる「和製フランス語」もあります。

ここでは、主な和製フランス語とその英語表現を確認しましょう。

ちなみに、ホッチキスはstapler、アルバイトはpart time job、ノートパソコンはlaptopです。お忘れなく!

アベック

ランデブーと同じく、もはや死語と言えるアベック。日本語では男女の2人連れを指すこのことばもフランス語からきたもので、”avec”とつづります。

この”avec”は前置詞。英語でいうところの”with”や”and”と同じ働きをし、「~と」という意味で、いわゆる男女の2人連れという意味は全くありません
たとえば、フランス語で「わたし」を意味する“moi”を使い“avec moi(アヴェック・モワ)”とすると、「わたしと一緒」という意味。英語の”with me”と同じ表現になります。

このアベック、英語では“couple”と言います。日本語でも「アベック」より「カップル」のほうが耳にする回数が断然多いですね。

Aさん
The couple had been dating since 2013.
あのカップルは2013年から交際している。

Aさん
They are a beautiful couple.
彼らはとても美しいカップルだ。

デジャブ

日本語では既視感を意味するデジャブ。これも和製フランス語のひとつです。フランス語では”déjà-vu”と書きます。
déjà”は「既に」、”vu” は “voir(見る)”の過去分詞で、英語に訳すと”already seen”。「既に見たもの」という意味です。
日本語のように、なんだか見たことがあるという「既視感」を表現することもありますが、単純に「あの映画、もう観たよ」というような表現にも使います。

デジャブは英語にもなっており、”deja vu”として使えます。

 

Aさん
It was like a deja vu for us. 

それは、わたしたちにとって、まるでデジャブのようだった。

 

seem familiar(見覚えがある)”を使って表現することもよくありますよ。

Aさん

This café seems familiar to me.
このカフェには見覚えがある。

 

クレヨン

日本人なら誰もが使ったことのある「クレヨン」。これも日本語になったフランス語ですが、フランスではそのままで使えないことばです。

日本語では、色をつける画材の意味の「クレヨン」ですが、フランス語の”crayon”は鉛筆の意味。フランス語で日本語のクレヨンを表現するなら、“crayon de pastel (クレィヨン・ドゥ・パステル)が正しい表現です。

クレヨンは英語でも“crayon”。この場合の意味は、日本語と同じ色をつける画材の意味の「クレヨン」です。

Aさん
Can I borrow your crayons?
あなたのクレヨンを借りてもいいですか?

Aさん
Color the picture as desired with crayons.
絵にクレヨンで好きな色を塗りなさい。

まとめ

今回は、ランデブーについてご紹介しました。今となってはあまり耳にすることのないことばですが、ランデブーはフランス語。ただ、日本のように「男女のデート」という意味ではないので、気を付けてくださいね。

さまざまの言語が取り入れられ、外来語として使われているのは、言語を学習する人なら、きっと興味深いポイントになるはず。英語由来だと思っていたものが実は全く違う言語から来たものかもしれません。

カタカナのことばに出会ったら、そのことばの由来を探ってみるのもおすすめですよ。

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