この「ことわざ」、「英語」で何と言う?シリーズ、今回は、「数字」のつく「ことわざ」を英語に翻訳してみました。

「数字」とは、数を表現するための記号や文字のことです。また、企業によっては売上や顧客数などの業績を「数字」と呼ぶことがあります。また、数字にはパワーがあると考えられており、「777」はラッキーな数字、「666」は悪魔の数字、「13」は不吉な数字などと呼ばれることもあります。

そんな「数字」のつく「ことわざ」を今回は4つ選んで英語に訳しました。

1. 一か八か

1. 一か八か

「一か八か」は、運を天に任せて思い切ってやってみることを意味する「ことわざ」です。「一」と「八」は賭博用語で、「一」は「丁」、「八」は「半」を意味しています。博打はこの「丁」か「半」かを当てる運試しのようなものであることから、思い切ってどちらかが出ることを決めた事が由来となっています。江戸時代を描いた時代劇のドラマを観ていた時、「丁か半か?」と聞いて賭博をしていたシーンがあったのを思い出します。

英語では
“Take the plunge and go for it.”
と翻訳することができます。

直訳すると「いちかばちか、思い切ってやってみる」という意味です。

ほかにも”All or nothing.”「全部かゼロか」、”Do or die.”「やるか死ぬか」や “Make or break”「作るか壊すか」も使われ、いずれも「いちかばちかやってみるしかない」という意味で使われます。会話を通して、例文を見てみましょう。

Aさん
The bet is very risky.
訳)その賭けはとても危険だよ。
Bさん
But I decided to go all in, seeing it as an all-or-nothing moment.
訳)でも、僕は一か八かの瞬間だと捉えて、すべてをつぎ込むことを決めた。
Aさん
I thought you were conservative and prudent. Anyway, good luck with that. 
訳)あなたは保守的で慎重な人だと思ってた。とにかく幸運を祈るよ。

2. 一蓮托生

「一蓮托生」は、多くの人が一つのものに生死を託すことを意味する「ことわざ」です。仏説によると、弥陀の称号を唱うる人々は、死して極楽に行き、同じ蓮華の上に生きるといいいます。このことから「運命を共にする」という意味でつかわれる「ことわざ」です。「一蓮托生」というのは、「運命共同体」のような状況を指す場合によく使われます。

英語では
“To sail [be] in the same boat.”
と訳すことができます。

”sail”は「帆、航海」を意味します。
直訳すると「同じ船に乗り合わせる」という意味です。「同じ船に乗り合わせる」と聞くと、学生時代に習った「呉越同舟」という表現を思い出すかもしれませんが、それは「仲の悪い人が同じ舟に乗り合わせる」という意味なので、「一蓮托生」とはちょっと意味が違います。

「一蓮托生」の例文を、会話を通して見てみましょう。

Aさん
When it comes to security policy, Japan and the US seem to be in the same boat.
訳)安全保障という話になれば、日本とアメリカは一蓮托生のように思えます。
Bさん
If the U.S. is attacked, Japan will have to help the U.S. in some way.
訳)もしアメリカが攻撃されたら、日本は何らかの方法でアメリカを助けなければならないからね。

3. 二度あることは三度ある

「二度あることは三度ある」は、一度ならず二度起こったことは三度目もあるという意味の「ことわざ」です。この「ことわざ」は良いことがあったときよりも、嫌なことがあったときに用いられることが多く、日常ではあまりお世話になりたくない「ことわざ」でもあります。

英語では、

“Things come in threes.”

がよく使われます。Things の前に ”Good”や “Bad”を入れて使われることもあります。会話を通して例文をチェックしてみましょう。

Aさん
First, my car broke down, then my washing machine stopped working, and now my computer is broken.
訳)まず私の車が壊れて、次に洗濯機が動かなくなって、今コンピュータも壊れてる。
Bさん
Poor you. Bad things really come in threes.
訳)可哀想な君。まさに悪いことは三度あるだね。

”It never rains but it pours.”
も同じような意味で使われます。

直訳すると「雨が降れば必ず土砂降りになる」というアメリカの「ことわざ」です。

ここでの”but”は接続詞で、”but S V”で「SがVすることなしに」という意味になります。”pour”は自動詞で「流れ出る、ふきでる、(雨が)激しく降る」の意味です。

また、”Everything that happens twice will surely happen a third time.” も同じ意味で使われます。この表現は、厳密に言えば、”Everything that happens once can never happen again. But everything that happens twice will surely happen a third time.” (一度しか起こらないことはもう二度と起こらない。でも二度起こることは必ず三度起こる)という表現の後半部分から来ています。

「二度起きたことは必ず三度起こる」という意味なので、「二度あることは三度ある」という日本語表現に一番近い英語表現だと言えます。会話を通して例文を見てみましょう。

Aさん
There were two traffic accidents in the same spot last year.
訳)昨年、同じ場所で2件の交通事故があったよ。
Bさん
I believe that everything that happens twice will surely happen a third time.
訳)二度あることは三度あると思うよ。
Aさん
The road is very narrow there and there is a lot of traffic.
訳)そこは道幅がとても狭くて、交通量が多い場所なんです。
Bさん
The local government should take some measures.
訳)その地方自治体は何らかの対策を講じるべきだね。

4. 三度目の正直

4. 三度目の正直

次に「三度目の正直」は、英語で何と言うのでしょうか。

ことわざ「二度あることは三度ある」と意味が少し似ているように感じるかもしれませんが、「三度目の正直」は、何かにチャレンジして一度目、二度目は失敗したけれど、三度目に成功したという意味合いでよく使われます。

英語では、

“Third time lucky” 

と訳されます。または、”Third time’s a charm.”「三度目は魔法」という表現も使われます。

苦労して何かにチャレンジしていて、三度目で成功した人に対して、「三度目の正直だね」と声を掛けたくなる状況で、ぜひこの英語表現を使ってみてください。

Aさん
I failed the Eiken Grade 1 exam twice in a row, but finally passed it on the third try.
訳)英検1級の試験に2回連続で落ちたけど、三度目でやっと合格しました。
Bさん
Wow! Third time lucky.
訳)わぁ! 三度目の正直だね。

まとめ

今回は、「数字」のつく言葉にまつわる「ことわざ」をまとめてみました。

「数字」がつく「ことわざ」には、「十人十色」や「三つ子の魂 百まで」など日常生活でも用いられるものが数多くありました。英会話のなかでもこうした「ことわざ」を織り交ぜることができると、一気に知的で遊び心のある会話になりそうです。

今後も様々な「ことわざ」や「名言」を翻訳していきますので、お楽しみに!