贈り物やちょっとしたプレゼントにフィナンシェを選ぶ方は多いでしょう。
アーモンドとバターの風味にしっとりとした食感、やさしい甘さが、世界中で愛され親しまれています。
日本でも高い人気と知名度を誇るフィナンシェは、フランスに起源を持つ伝統的な焼き菓子の一つです。
その歴史は古く、教会から始まり、金融街へ広まっていったといわれています。
今や知らない人はいないほど身近な存在となったフィナンシェですが、フランス菓子でありながら、世界で最も売れているのはじつは日本のお店だと知っていましたか?
今回は、誰もが好むフランスの焼き菓子「フィナンシェ」について、その由来と魅力に加え、英語表現などを解説していきます。
世界一売れているフィナンシェの名店も最後にご紹介しますのでぜひご覧ください。
フィナンシェとは
「フィナンシェ」とは、アーモンドとバターの風味が特徴のフランス発祥の焼き菓子です。
材料は、小麦粉、砂糖、卵白、アーモンドパウダー、バターといたってシンプルです。
ブール・ノワゼットという焦がしたバターで香ばしさを出すのがポイントで、この工程によって濃厚なバターの風味が際立ちます。
金塊や金の延べ棒をイメージした長方形の形で、片手におさまるちょうど良いサイズ感と、軽くてやわらかい食感が食べやすいのが特徴です。
フィナンシェは英語で”financier”
フィナンシェは英語で”financier”です。
“financier”はフランス語から来ており、「金融家」や「財政家」という意味を表します。
financier
a person or company that controls large amounts of money, for example providing money for investment, or arranging loans to companies
多額の資金を管理する人または会社、たとえば、投資のための資金を提供したり、企業への融資を手配したりする
辞書ではお菓子の”financier”に関する記載はありませんでしたが、類語として”génoise”と”madeleine”が載っていました。
genoise
a type of soft cake made from eggs, sugar, and flour, with a small amount of butter:
ジェノワーズ
卵、砂糖、小麦粉、少量のバターで作られた柔らかいケーキの一種
madeleine
a small French cake made from butter, sugar, and eggs that is baked in a mould shaped like a shell
マドレーヌ
バター、砂糖、卵で作られ、貝殻のような形の型で焼かれる小さなフランスのケーキ
参考:Cambridge Dictionary|genoise, Cambridge Dictionary|madeleine
“génoise”と”madeleine”の定義を見ると、どちらも、”financier”のように卵や砂糖、バターを使った焼き菓子であることがわかりますね。
financierの例文
“financier”を使った例文を紹介しましょう。
訳)フィナンシェは好きな焼き菓子の一つです。 甘くておいしいです。
訳)四角い金属の型でフィナンシェを作ってみました。
訳)フィナンシェを食べると、子供の頃にタイムスリップした気分になりました。
お店やメニューには、以下のような表現もおすすめです。
訳)フィナンシェは5種類から選べます。
訳)抹茶とほうじ茶のフィナンシェはテイクアウトにぴったりです。
訳)ガーデンカフェのコーヒータイムには、ラテと一緒にシナモンフィナンシェをお楽しみください。
フィナンシェの起源と由来
フィナンシェの起源は、17世紀のフランス北東部ロレーヌ地方のカトリック教会にあります。
「聖母訪問教会」の修道女が余った卵白で作ったお菓子「ヴィジタンディーヌ」が始まりといわれています。
教会生まれの「ヴィジタンディーヌ」は、やがて、パリの証券所の近くで菓子店を営む職人ラヌ(Lasne)によって現在の長方形のフィナンシェへと変化していきました。
ラヌは、金融街で働くビジネスマンたちがスーツを汚さず手軽に食べやすいように、今のような四角くて持ちやすい形を考案しました。
四角いフィナンシェは、見た目が金塊や金の延べ棒に見え、縁起が良いとされたことから、”financier”の名前が付いたといわれています。
フィナンシェの魅力と種類
フィナンシェの魅力は、なんといっても香ばしい焦がしバターとアーモンドの豊かな風味ではないでしょうか。
フィナンシェの魅力
- 縁起が良い四角形ときれいな焼き色
- 軽くて柔らかい食感
- アーモンドとバターの芳醇な香り
- 持ちやすく食べやすいサイズ感
- どんな飲み物にも合う
金や金塊にちなんだ縁起の良い長方形をしており、こんがりと美しい焼き色も食欲をそそります。
外はサクッと軽く、中はふんわりしっとりとした食感で、何個でも食べたくなる美味しさです。
アーモンドの甘い香りと濃厚なバターの風味は、リッチで幸せな気分にさせてくれます。
手がベタベタになったりポロポロとこぼれたりすることなく、片手でも食べやすいのも嬉しいポイントですね。
コーヒーや紅茶など、どのような飲み物にもよく合うので、いつでも気軽にティータイムを楽しめます。
トースターで温めなおすと、表面がサクサクして香ばしさが増し、一層美味しくなりますよ。
フィナンシェの種類
フィナンシェは、万人受けするといっても過言ではないほど、広く知られた焼き菓子の定番です。
フランス由来のお菓子ではありますが、日本での人気は非常に高く、最近では、チョコレートやストロベリー、レモン、抹茶、柚子などさまざまな味のものもあります。
丸型、正方形、ハート型、船形など形のバリエーションも豊富で、日常のちょっとしたギフトやお土産、ビジネスでの贈り物にも重宝されています。
売り上げ世界一「フィナンシェ」の名店
フランス発祥のフィナンシェの販売数は、じつは日本のお店がトップだと知っていましたか?
世界一フィナンシェが売れているのは、「アンリ・シャルパンティエ」です。
1日約6万個、年間2400万個以上が売れるという「アンリ・シャルパンティエ」のフィナンシェは、販売個数でギネス世界記録にも認定されました。
1969年に兵庫県芦屋市で、「スイーツも提供する喫茶店」として注目された創業当初からは想像持つかないほどの人気ぶりです。
素材と製法にこだわった唯一無二のフィナンシェは、世界で最も売れた至極のフィナンシェとして確固たる地位を築き、日本中のファンから高い支持を集め続けています。
オンラインショップでは、注文を受けてから24時間以内に工場直送で配達するなど、品質もサービスも妥協しない世界一のプライドが感じられますね。
参考:日本経済新聞電子版
まとめ
世界中で愛されている焼き菓子フィナンシェは、フランスの教会から始まり、金融街の菓子職人によってその名が広まりました。
小さな喫茶店が、今や世界一の売り上げを誇り、最も有名なフィナンシェの名店として君臨し続けていることは日本人としても嬉しい限りです。
片手でつまめるコンパクトなサイズでありながら、軽くて柔らかな食感とバターの風味は、お茶菓子としてはもちろん、贈り物や手土産としても人気があります。
ゆっくり過ごしたいティータイムや忙しい仕事の合間のコーヒーブレイクには、ぜひ甘くて香ばしいフィナンシェをどうぞ。
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