イギリスでは現在、33ケ所が世界遺産として登録されています。多くの世界遺産を訪れることができるのも、観光大国であるイギリスの魅力のひとつでしょう。
ところで、イギリスの元首相ウィンストン・チャーチルが生まれた家が世界遺産であることをご存知ですか?
この記事では、イギリスの世界遺産「ブレナム宮殿」を紹介します。ブレナム宮殿の基本情報や歴史、なぜ世界遺産に登録されたのか、そして見どころなど英語表現とともに幅広くみていきましょう。
世界遺産「ブレナム宮殿」の基本情報
ちょうどこの記事を執筆する直前にブレナム宮殿のニュースが流れました。2019年9月にこのブレナム宮殿から、当時の為替レートで5億円超えだった黄金のトイレが盗難にあった事件の公判についてでした。この大胆不敵な事件はたった5分の犯行だったという説明を検察がしてニュースになったのです。
さて話を戻し、さっそく、イギリスの世界遺産である「ブレナム宮殿」がどのような宮殿なのか基本的な情報から紹介しましょう。
オックスフォードシャーにあるBlenheim Palace
ブレナム宮殿の英語表現はBlenheim Palaceです。この宮殿は、イギリス南西部オックスフォードシャー州ウッドストックにあります。
訳)ブレナム宮殿は、イングランドのオックスフォードシャー州ウッドストックにあります。
1987年に世界遺産に登録
ブレナム宮殿は、チャーチル家の祖先の邸宅であり、1705年~1722年にかけて建てられ、1987年に世界遺産に登録されました。チャーチル家に関しては本記事の中心ともなり得るものですので、後ほどさらに解説をしましょう。
訳)ブレナム宮殿は、1705年~1722年にかけて建てられました。
訳)ブレナム宮殿は1987年、ユネスコの世界遺産に登録されました。
「ブレナム宮殿」が世界遺産に登録された理由とは?
次に、ブレナム宮殿が世界遺産にどのような理由で登録されたのかみていきましょう。
ブレナム宮殿が世界遺産になった理由とは?
ここでは、地方自治体West Oxfordshire District Councilのホームページからブレナム宮殿が世界遺産になった理由を紹介します。
訳)その優れた建築、初代マールバラ公爵とその子孫であるウィンストン・チャーチル卿の国内外での歴史的役割、そしてランスロット「ケイパビリティ」ブラウンによる世界的に有名な公園の再造園工事が認められ、1987年、ブレナム宮殿とその公園はユネスコの世界遺産に登録されました。
ブレナム宮殿にはチャーチル家が深く関わっていることがわかりました。次で、その点についてさらに詳しくみていきましょう。
引用:West Oxfordshire District Council
「ブレナム宮殿」とチャーチル家
ウィンストン・チャーチルといえば、イギリス好きな人の間ではもっとも有名な人物の一人です。まずは彼について紹介し、その後でブレナム宮殿との関係をみていきます。
Winston Churchillという人物
チャーチルが有名なのは1940年、第二次世界大戦中にイギリスの首相に就任した後の働きによるものが大きいでしょう。宿敵と言われる当時のドイツ首相ヒトラーとはわずか20キロ離れた前線で戦いました。肥満体質、しかめっ面、気難しい性格で知られたチャーチルは絶体絶命に陥っていた連合軍を勝利に導くことに尽力します。
晩年ではたびたびの心臓発作、そして脳卒中により左半身が麻痺してしまったチャーチルは1965年1月24日、90歳で死去しました。
ブレナム宮殿とチャーチルの関係
ウィンストン・チャーチルはマールバラ公爵の家系に属する貴族出身でした。第7代マールバラ公爵は祖父であり、父は将軍ジョン・チャーチルです。1704年、ブレンハイムの戦いにて宿敵フランスを破った功績によって、アン女王からブレナム宮殿が建設するための資金と土地がジョン・チャーチルに贈呈されました。ブレナム宮殿という名前は、戦場となったブレンハイム、これを英語にするとブレナムであることが由来です。
訳)アン女王は、ブレナムの戦いで勝利の褒賞として、ジョン・チャーチルにオックスフォードシャーのウッドストック王室領地とブレナム宮殿建設のための資金を贈与しました。
したがって、ブレナム宮殿はウィンストン・チャーチルの生家ということになるのです。ブレナム宮殿は、イギリスを代表するバロック様式が華麗な宮殿です。完成までに20年、英国最大の豪邸としても知られています。
「ブレナム宮殿」で生まれ、求婚したチャーチル
ウィンストン・チャーチルの父ジョンには女王から土地と資金が贈呈され、この宮殿が建設されました。ブレナム宮殿はチャーチルの生家としても有名です。
ブレナム宮殿とウィンストン・チャーチル
訳)ウィンストン・チャーチル卿は1874年11月30日、ブレナム宮殿で生まれました。
イギリスの歴史を感じますね。そして、この宮殿でウィンストン・チャーチルは10歳年下のクレメンタインにプロポーズもしたのです。
訳)ウィンストン・チャーチルはブレナム宮殿のダイアナ神殿で妻のクレメンタインにプロポーズし、2人は1908年9月12日に結婚しました。
ここまで、チャーチル家とブレナム宮殿の関係についてわかりました。次では、誰もが訪れることができるブレナム宮殿の見どころを紹介しましょう。
「ブレナム宮殿」の観光ポイントを紹介
ブレナム宮殿はイギリスでは珍しいバロック建築が特徴です。バロック建築とは、曲線、過剰な装飾、光と影の演出を特徴としています。
「ブレナム宮殿」の観光ポイント
ユニアンジャックが掲げられる東門の上部にはマールバラ公爵家の紋章、その先を進み大きな時計台のある門をくぐるとブレナム宮殿の全景が目の前に広がります。
宮殿に足を踏み入れるとマイセンなどの陶磁器、絵画、タペストリーや家具などが多く見ることができます。その部屋の数は200以上と言われますが、大広間は現在も使用されるダイニングルームで40名もが座ることができるスペースです。バロック建築の優雅さを楽しみながら外に出れば、これも素晴らしい庭園が現れます。
以下が「ブレナム宮殿」のホームページです。素晴らしい景色、イギリスならではの雰囲気をお楽しみください。
まとめ
本記事では、イギリスの世界遺産「ブレナム宮殿」を紹介しました。チャーチル家が深く関わっていることも大きな特徴で興味深かったのではないでしょうか?
訪問者が世界遺産に触れていることをそこここに感じられる貴重な宮殿が「ブレナム宮殿」です。