ヨーロッパ最大の山脈といえばアルプス山脈です。最高峰として4,809メートルのモン・ブランが有名ですね。
ところで、アルプス山脈でイタリア・アルプスと呼ばれるドロミーティが世界遺産であることをご存知ですか?

この記事では、イタリアの世界遺産「ドロミーティ」を紹介します。美しい山岳群がいつどのような理由で自然遺産に登録されたのか、おもな名所やアクティビティなど英語表現とともにみていきましょう。

イタリア・ドロミーティの基本情報

イタリア・ドロミーティの基本情報

アルプス山脈(The Alps)はなんと、イタリア・フランス・モナコ・スイス・ドイツ・リヒテンシュタイン・オーストリア・スロベニアという8ケ国もの国々にまたがる巨大な山脈です。イタリアでは、アルプス山脈は北イタリアに位置しています。

ドロミーティの英語フレーズ

さっそく、ドロミーティの英語表現を紹介しましょう。英語ではThe DolomitesまたはDolomitesになります。また、イタリア語ではDolomiti(ドロミーティ)です。ドロミーティはドロミテと表現されることがあります。

Aさん
The Dolomites is a mountain range in Italy.
訳)ドロミーティは、イタリアの山脈です。

mountain rangeで「山脈」ですが、アルプス山脈はAlps, mountain range in EuropeやAlps mountainsで表現します。

ドロミーティってどこ?位置を確認しよう

アルプス山脈はイタリア北部にかかり、本記事で紹介するドロミーティはこのアルプス山脈の一部である一群の山岳を指します。

Aさん
The Dolomites are a mountain range in northern Italy that is part of the Eastern Alps.
訳)ドロミーティは、東アルプスの一部である北イタリアの山脈です。

イタリアの北にアルプスがあり、アルプス山脈としては東に位置するのがドロミーティというイメージになります。

ドロミーティの名前の由来

ドロミーティでは、約2億5,000万年も前、海底で形成された珊瑚礁が隆起し、長い時間をかけて苦灰岩であるドロマイト岩(dolomite)が形成されました。

18世紀、フランス人地質学者ドゥオダ・ドロミューがこの地域の岩石を研究していたのですが、これを「ドロマイト」と命名、そこからドロミーティという地名で呼ばれるようになったのです。

一群の山岳ドロミーティが特別と言われる理由

ドロミーティへはレンタカーがベストですが、ベネチアから直行バスで約2時間半ほどの距離です。ローマやベネチアの美しさとはまた異なる、自然の偉大さを感じる絶景がドロミーティにあります。

ドロミーティの特徴

ドロミーティには標高3,000メートル超えの峰が18もあります。日本の最高峰である富士山が標高3,776メートルですので、そのダイナミックな絶景がイメージできます。以下、ドロミーティの特徴の説明になります。

Aさん
It features some of the most beautiful mountain landscapes anywhere, with vertical walls, sheer cliffs and a high density of narrow, deep and long valleys.
訳)垂直の壁、切り立った崖、そして狭く深く長い谷が密集した、どこよりも美しい山の風景が特徴です。

引用:UNESCO World Heritage Centre

ドロミーティが世界遺産になった理由は?

ドロミーティが世界遺産になった理由は?

標高の高い山岳の清々しい空気、厳しくも美しい自然、そんなドロミーティがユネスコの自然遺産に登録されました。ここで、登録年と登録の理由について紹介しましょう。

ドロミーティが世界遺産になった年

Aさん
The Dolomites was designated as a UNESCO World Heritage Site in 2009.
訳)ドロミーティは、2009年にユネスコの世界遺産に登録されました。

ドロミーティが世界遺産になった理由

Aさん
The reason why the Dolomites became a World Heritage Site, is because they were combined with a geological value, diverse landscapes and biodiversity.
訳)ドロミーティが世界遺産に登録された理由は、地質学的価値、多様な景観、そして生物多様性が組み合わさっているためです。

ドロミーティはもともと地殻変動で隆起した珊瑚礁が氷河に削られ、さらにそれが浸食作用によって形成された特異な山塊なのです。パールのような輝きを持つミズリーナ湖、アルプス特有の動植物が生息することから生態系を支えているという重要な役目も果たしてきました。

ドロミーティのおもな名所を紹介

ドロミーティのおもな名所を紹介

ドロミーティは山岳群であり、いくつかメインとなる名所が存在します。そびえ立つアルプスの名峰をイタリア側から眺めるだけでも素晴らしい体験になりますが、ここでそれらのスポットを紹介します。

山岳の名所3選

ドロミーティ最高峰となるマルモラーダ(Marmolada)は標高3,343メートル、ドロミーティの女王と呼ばれ氷河に覆われた絶景を見ることができます。そして、巨大な岩塊が広がる山岳地帯であるセッラ(Gruppo del Sella)トレ・チーメ・ディ・ラヴァレード(Tre Cime di Lavaredo)は2,999メートルで3つの岩峰がそびえ立ちます。

湖の名所2選

先に述べたパールのような輝きを持つ「ミズリーナ湖」はトレ・チーメのふもとにあります。氷河が溶けた澄んだ水でなる湖でたっぷりマイナスイオンを浴びましょう。
また「カレッツァ湖」はエメラルドグリーン色の神秘的な湖でドロミーティの宝石と呼ばれています。

自然のなかのそれぞれの素晴らしい自然を最高に感じることができるのがドロミーティです。

ドロミーティでアウトドアアクティビティ!

ドロミーティにはいくつものトレッキングやハイキングコースがあり多くの人が自然を楽しんでいます。

ドロミーティで行なうアクティビティ

トレッキングやハイキングのベストシーズンは6月~9月です。

ドロミーティで行なうハイキングはいくつかコースがあります。例えば4時間コース、距離9.6kmのトレ・チーメを1周するものがありますが、こちらは登山口までバスのアクセスがあったり、道が安全というメリットがあります。山々や湖を目の前にしてランチをすれば、ドロミーティにいる幸せを実感します。

Walking Holidays Dolomitesというサイトには、様々なアクティビティが美しい画像とともに紹介されていますので、ぜひご覧ください。

ドロミーティでウォーキングをすれば、マーモット(リスの仲間)やアイベックス(野生のやぎ)、またエーデルワイスやランなどの花々を発見する可能性があります。

なお、ドロミーティには秋に紅葉を、冬にはスキーやスノボなどのウィンタースポーツを楽しむ季節が到来します。

ドロミーティのグルメを紹介

ドロミーティのグルメを紹介

19世紀に起こったアルプス登山ブームがありました。ドロミーティも登山愛好家や冒険家たちの注目を浴びました。そして今では多くの観光客で賑わっています。
最後に、散策の後に最高のドロミーティのグルメを紹介しましょう。

ドロミーティの郷土料理

綺麗な空気を吸えばお腹も減ります。それに応える美味しいドロミーティ伝統料理があります。
まず、パスタ料理のカスンツィエイ(Casunziei)はかぼちゃ、ほうれん草、赤カブなどを詰めた半月型のラビオリでドロミーティ料理定番です。カネーデルリ(Canederli)はパンと卵をお団子にして茹で、熱々のコンソメスープに入れたり、パルミジャーノチーズをかけていただきます。

旅行は美味しい食べ物に出会うとテンションが上がりますね。それが美しい山岳群という大自然に囲まれた雰囲気のなかであればなおさら、気持ちもお腹も膨らみ満足すること間違いなしです。

まとめ

本記事では、2009年に登録されたイタリアの世界遺産「ドロミーティ」を紹介しました。ドロミーティの眺望と豊かな生態系、そして自然に親しむアウトドアアクティビティを行なえるサンクチュアリとして、北イタリアの絶景世界遺産は大変おすすめです。

【関連記事】