美食や歴史的遺産、美しい自然やフランス植民地時代の影響が残る独特な文化を持つ国モロッコ。そのモロッコにあるマラケシの旧市街はその昔、敵の侵入を防ぐために3,000もの路地が入り組んでいるため世界一の迷宮都市と呼ばれていることをご存知ですか?
この記事では、モロッコの世界遺産「マラケシ旧市街」を紹介します。世界遺産に選ばれた理由、歴史的背景や伝統など英語表現とともにみていきましょう。
モロッコの基本情報
モロッコはアフリカ大陸の北西部に位置する国です。
まず、マラケシ旧市街のある国モロッコについて、簡単に基本情報を紹介します。
モロッコの英語表現
モロッコの英語表現はMoroccoまたはthe Kingdom of Moroccoになります。United Kingdom(UK)が英国であるのと同様、Kingdom(王国)が使われていることからモロッコには王がいます。
訳)モロッコは、北アフリカに位置する国です。
訳)モロッコ国王は1999年以来、モハメッド6世です。
モロッコ基本情報
モロッコはアフリカ大陸のマグリブ地域にあります。マグリブはアラビア語で「西の果て」や「日の没する地」という意味です。
・首都 ラバト(Rabat)
・人口 3,771万人
・宗教 イスラム教
・公用語 アラビア語、ベルベル語
モロッコ北部には地中海とジブラルタル海峡を挟みスペイン、そして東部にはアルジェリアがあるというロケーションです。
マラケシ旧市街の基本情報

モロッコでは、映画の舞台として知られるカサブランカも有名です。カサブランカから電車で約2時間40分南下したところにマラケシがあります。
ここでは、マラケシ旧市街について基本的な情報をお届けします。
マラケシ旧市街の基本情報
マラケシはモロッコ中部に位置し、国内で2番目に古い街です。モロッコ映画のロケ地としても有名ですが、それはマラケシすべての建物が赤茶色とピンクで素晴らしく、別名「赤い街」と呼ばれ、その美しさも理由でしょう。歴史を発見できる観光スポットも多く、観光客で賑わう大きな都市です。
ちなみに、マラケシをマラケシュとすることがありますが、これは日本語の表現であり、どちらでも正しく使うことができます。
マラケシ旧市街の英語フレーズ
ここからは、英語表現を兼ねた形でマラケシ旧市街をみていきましょう。
マラケシ旧市街の英語を紹介
マラケシ旧市街の英語はThe Medina of Marrakeshです。Marrakeshはベルベル語で「神の国(amur akush)」を、Medina(メディナ)は旧市街を意味します。
訳)マラケシ旧市街は1062年、アルモラビッド朝によって建設されました。
アルモラビッド朝(ムラービト朝)とは、1056年にモロッコ南部でベルベル人の間で勢いが盛んになったイスラーム教国です。
Marrakeshを形容詞にするとMarrakchiになり、マラケシに住む人を指します。
マラケシ旧市街が世界遺産になった理由は?

マラケシ旧市街では、イスラム文化とアフリカ文化が融合した独特の街並みを見ることができます。
ここで、マラケシ旧市街が世界遺産になった年や理由をみていきます。
マラケシ旧市街が世界遺産になった年
訳)マラケシ旧市街は、1985年にユネスコの世界遺産に登録されました。
マラケシ旧市街が世界遺産になった理由
次に、マラケシ旧市街が世界遺産に登録された理由を紹介しましょう。
訳)マラケシ旧市街は、その印象的な建築、イスラム教の主要な都市としての豊かな歴史、そして文化と遺産が独自に融合した歴史的な街の活気に満ちた生きた例としての地位により、ユネスコの世界遺産に登録されました。
アラブ、ベルベル、アフリカ、そしてヨーロッパの文化による多様性、イスラム建築の傑作、中世から続く商業と文化の中心としての役割すべてが、ここマラケシ旧市街に存在しているのです。
マラケシ旧市街の歴史
アラブ、ベルベル、アフリカ、そしてヨーロッパの文化による融合が起こったマラケシ旧市街、どのような歴史を持つエリアなのか紹介しましょう。
マラケシ旧市街の歴史を紹介
1062年、アルモラビッド朝によって建設された後、マラケシには様々な変化が起こりました。
1147年、イスラム改革派のアルモハド朝がマラケシを制服、この時期、マラケシはアンダルシア、サハラ交易やアフリカ南部まで影響力を持つ大都市に成長します。
13~17世紀には、マリーン朝による文化と学問の発展、サアード朝による壮麗な建築物の建設といった過程で都市の景観はさらに豪華に変化していきました。
17世紀以降はアラウィー朝時代であり、宗教、文化、商業の重要な拠点として継続しました。
そして、モロッコは1912年のフェズ条約によってフランスの保護国となりますがその後、1956年に独立しました。
世界一の迷宮都市「マラケシ旧市街」

ベルベル語で神の国という意味のMarrakesh。
マラケシ旧市街は「世界一の迷宮都市」と呼ばれています。これはなぜなのでしょう?
「世界一の迷宮都市」のマラケシ旧市街
マラケシ旧市街はその美しさだけでなく、歴史ゆえの街の作られ方がユニークな都市です。
訳)マラケシ旧市街は、世界最大の迷路のような旧市街です。
labyrinthineは「迷路のような・迷宮のような」「入り組んだ」という意味の形容詞です。また、旧市街をシンプルにold townと表現しています。
訳)マラケシ旧市街に多くの路地があり迷路のような構造になっているのは、敵の侵入を防ぎ、人々を混乱させるために設計されたためです。
マラケシ旧市街は、迷子になりやすい場所として知られている「世界一の迷宮都市」なのです。
Marrakesh Souk(マラケシ・スーク)
スークとはアラビア語で「市場」を意味します。交易で栄えた街を今も誇るかのように、旧市街に広がる迷路のような路地にお店が点在しています。ショッピング天国のスークは、市場を表し旧市街で必須のスポットです。
訳)マラケシのスークはメディナ内の活気あるエリアで、観光客にとても人気があります。
マラケシ旧市街の観光ポイント

マラケシに行けば、モロッコのすべてが観れると言われるほど歴史と文化が集約されています。
次に、魅力的な街マラケシ旧市街の観光ポイントをみていきましょう。
マラケシ旧市街のおすすめスポット
ジェマエルフナ広場(Jemaa el-Fna)は2001年にユネスコの無形文化遺産に登録された旧市街の中心的スポットです。たくさんのオレンジジュースの屋台が名物ですし、占い師もいたりで大変活気があります。夜になれば、伝統的な音楽やダンスのパフォーマンスでさらに盛り上がります。
12世紀に建設されたクトゥビア・モスク(Koutoubia Mosque)は77メートルで、旧市街のランドマークになっています。そして19世紀後半に建てられたバヒア宮殿(Palais de la Bahia)は160室を有し、豪華な装飾とイスラム建築とモロッコ独自の建築が融合されています。
訳)バヒア宮殿はモロッコ建築の素晴らしい記念碑であり、この国の豊かな文化の証です。
マラケシ旧市街で食べる「タンジーヤ」
モロッコといえばクスクスや香辛料が使われたタジンが有名ですね。最後に、マラケシ旧市街で食べたい郷土料理を紹介しましょう。
マラケシのソウルフード「タンジーヤ」
旧市街ではカフェやレストランがたくさんあります。しかし、旧市街ではぜひタンジーヤを試してみましょう。タンジーヤは、テラコッタのツボに羊肉とスパイスを詰めて煮込む料理です。タンジーヤがあるかどうかは、店先に素焼きのツボがあるかどうかで見極めましょう。タジンではなくタンジーヤ、これがマラケシのソウルフードです。
まとめ
本記事では、1985年にユネスコの世界遺産に登録された「マラケシ旧市街」を紹介しました。世界最大の迷路のような入り組んだ旧市街は長い歴史を持ち、異なる文化がひとつになった独特の雰囲気を持っています。
「赤い街」そして「世界一の迷宮都市」という世界遺産・マラケシ旧市街の魅力を感じます。
