トールは北欧神話に登場し、ミョルニル(トールハンマー)という武器を使う神として知られています。実はオーディンよりも上位の位置にいたとされているトールは、北欧神話でどのような活躍をしたのでしょうか。この記事では最高神とも言われたトールの神話を英語を交えて解説します。
トールとは?
トール(Thor)は、北欧神話に登場する雷神であり、アース神族の中でも最も力強い神の一人です。彼は雷や嵐を司り、巨人族と戦う戦士の守護神としても知られています。
筋骨隆々な戦士として描かれることが多く、燃えるような赤髪とひげを持つ姿が特徴です。頭に砥石(または火打石のかけら)が入っているため、大胆で少々荒っぽい性格と言われています。神話の中では彼の戦闘力が数々のエピソードで語られています。また、彼は農民の守護神でもあり、豊穣をもたらす存在としても崇められていました。
英語での説明:
- Thor is one of the strongest gods of the Aesir.
(トールはアース神族の中でも最も強いです。) - He controls thunder and storms and is known as the protector of warriors against giants.
(彼は雷や嵐をあやつり、巨人族と戦う守護神として知られています。) - People describe him as a muscular warrior with red hair and a beard.
(彼は赤い髪とひげを持つ筋骨隆々な姿として描かれます。)
トールの神話と伝説
それでは、トールの個性を作ったエピソード、関係の深い神々との神話を紹介します。
1. ミョルニルの力
トールの最も有名な武器は「ミョルニル(Mjolnir)」と呼ばれる柄の短いハンマーです。このハンマーは決して外れることなくほぼ一撃で敵を打ち砕き、投げれば必ず手元に戻ってくるという特性を持っています。ミョルニルはドヴェルグ(ドワーフ)によって鍛えられ、トールが巨人族と戦う際の最強の武器となっています。
また、相手を殴るだけでなく、動物を生き返らせることもできました。
英語での説明:
- Thor’s most famous weapon is a short-handled hammer called Mjolnir.
(トールの最も有名な武器は、ミョルニルと呼ばれる短い柄のハンマーです。) - This hammer always hits its target and returns to Thor’s hand when thrown.
(このハンマーは投げると敵にあたり、トールの手に戻ってきます。) - It could also bring animals back to life.
(動物を生き返らせることもできました。)
2. ヨルムンガンドとの宿命の戦い
トールは巨大な蛇「ヨルムンガンド(Jormungandr)」と因縁を持っています。ヨルムンガンドはロキとアングルボザという女巨人との間にもうけた子供であり、ラグナロク(終末の日)においてトールと死闘を繰り広げる運命にあります。神話によれば、トールはヨルムンガンドを討ち取るものの、自身もその毒によって命を落とすとされています。
英語での説明:
- Thor fought Jormungandr, a giant snake.
(トールは巨大な蛇、ヨルムンガンドと戦いました。) - They are to fight to the death during Ragnarok.
(彼らはラグナロクの間に死闘をする運命にあります。)
※Ragnarok:the end of the world - The myth says Thor will kill Jormungandr but die from its poison.
(この神話によるとトールはヨルムンガンドを倒しますが、その毒でトールも死んでしまいます。)
3. フルングニルとの決闘
巨人族の中でも最強と言われたフルングニル(Hrungnir)との戦いも有名です。フルングニルはオーディンの宮殿であるヴァルハラ宮に迷い込み、酒に酔って暴れたため、トールは彼を決闘に呼び出しました。フルングニルは砥石を武器に戦いましたが、最終的にミョルニルでフルングニルを打ち砕き、トールが勝利しました。
この時、フルングニルが武器として持っていた砥石がミョルニルによって打ち砕かれた際に、その破片がトールの頭に刺さり、その後のトールの性格に影響を与えたと言われています。
英語での説明:
- Thor also famously fought Hrungnir, who was said to be the strongest giant.
(トールは巨人族最強と言われたフルングニルとも戦いました。) - Hrungnir fought with a sharpening stone, but Thor defeated him with Mjolnir.
(フルングニルは砥石で戦いましたが、トールがミョルニルで勝利しました。) - When Mjolnir broke Hrungnir’s sharpening stone, a piece got stuck in Thor’s head. This affected his personality.
(ミョルニルがフルングニルの砥石を砕いた時、破片がトールの頭に刺さり、その後のトールの性格に影響を与えました。)
4. ウートガルザ・ロキの試練
トールはある日、巨人の王「ウートガルザ・ロキ」の城を訪れました。その道中、ウートガルザ・ロキが変身した姿の巨人スクリューミルにイタズラをされたり、宮殿で行われた飲み比べ競争では、そのさかずきを飲み干せずにバカにされたりしました。また、老女エリとの腕相撲でも負けてしまうなど散々な目にあいました。
のちに、飲み比べのさかずきは海に繋がっていて、老婆は実は「老い」の化身であったことが判明します。この物語は、神々と巨人の知恵比べを描いたユーモラスなエピソードとして知られています。
英語での説明:
- Thor once visited the castle of Utgard-Loki, the king of giants. On the way, he was tricked by a giant named Skrymir, who was Utgard-Loki in disguise.
(トールは巨人の王ウートガルド・ロキの城を訪れました。その途中、彼はウートガルド・ロキが変身していたスクリューミルに落とし入れられました。) - At the castle, he was mocked for losing a drinking contest and a wrestling match.
(城では、飲み比べ競争や相撲で負けてバカにされました。) - Later, it was revealed that the drinking horn was connected to the sea, and the old woman he wrestled was the personification of old age.
(のちにそのさかずきは海につながっていて、老婆は「老い」の化身だと明かされました。)
参考:Wikipedia
トールの象徴
- ミョルニル(Mjolnir):トールの持つ雷を操るハンマーで、神々や人間を守る象徴。
- ヤールングレイプル:ミョルニルを振るうために必要な鉄製の手袋。
- メギンギョルズ:トールの力を倍増させる魔法の帯。
- 山羊の戦車:トールは二頭の山羊「タンニグニョースト」と「タンニスニョール」によってひかれる戦車に乗って移動する。
まとめ
トールは北欧神話において最も人気のある神の一柱であり、戦士や農民たちにとって守護神として崇められていました。彼の神話は巨人族との戦いや知恵比べ、そしてラグナロクにおける運命など、多くの魅力的な物語に満ちています。現代でも、映画やゲームなどのポップカルチャーに影響を与え続ける神として、広く知られています。トールのことを英語で説明できるようにKimini英会話で練習しましょう。