「外国人観光客が突然倒れてしまった」
「言葉が通じないなかで応急処置の指示を出さなければならない」
「救急車を呼ぶべきか判断に迷う・・・・・・」

こうした緊急時の対応に不安を感じる看護師や医療従事者は少なくありません。
近年、日本を訪れる外国人や在住外国人の増加に伴い、医療現場での緊急対応時に英語でコミュニケーションを取る必要性が高まっています。緊急時こそ、正確かつ迅速な意思疎通がとても大切です。

そこでこの記事では、救急時に役立つ英語フレーズを場面別に紹介します。

Aさん
緊急時こそゆっくり、はっきりと話すことが大切です。焦らず、シンプルな単語を使いましょう。

救急対応|英語で冷静に初期対応する方法

緊急事態発生時の初期対応では、冷静に状況を把握し、必要な情報を収集することが重要です。

状況を確認するためのフレーズ

  • What happened? Can you tell me what happened?
    (何がありましたか?何が起きたか教えていただけますか?)
  • Are you in pain? Where does it hurt?
    (痛みがありますか?どこが痛いですか?)
  • Can you point to where the pain is?
    (痛みのある場所を指差してもらえますか?)
  • On a scale of 1 to 10, how severe is your pain?
    (痛みの程度を1から10で表すと、どのくらいですか?)

基本情報収集と安心させるフレーズ

  • What’s your name? How old are you?
    (お名前は何ですか?年齢はおいくつですか?)
  • Do you have any allergies to medications?
    (薬に対するアレルギーはありますか?)
  • I’m a nurse. I’m here to help you.
    (私は看護師です。お手伝いします。)
  • Try to stay calm. We’ll take care of you.
    (落ち着いてください。ケアさせていただきます。)

意識確認|英語で正確に患者の意識状態を評価

患者の意識レベルを正確に評価することは、緊急度の判断や適切な治療方針の決定に欠かせないポイントです。

反応確認のためのフレーズ

  • Hello! Can you hear me? Sir/Ma’am, are you okay?
    (もしもし!聞こえますか?大丈夫ですか?)
  • Can you open your eyes?
    (目を開けてもらえますか?)
  • Squeeze my hand if you can hear me.
    (聞こえたら私の手を握ってください。)
  • What is your name? Do you know where you are?
    (お名前は?今どこにいるか分かりますか?)
Aさん
意識がない場合でも話しかけ続けることが重要です。患者さんは聞こえている可能性があります。

意識レベルを評価するためのフレーズ

  • Are you feeling confused or disoriented?
    (混乱や見当識障害を感じていますか?)
  • What day is it today? Do you know what month it is?
    (今日は何曜日ですか?今月は何月か分かりますか?)
  • Do you remember what happened to you?
    (あなたに何が起きたか覚えていますか?)

呼吸確認|英語で呼吸状態を評価する表現

呼吸確認|英語で呼吸状態を評価する表現

呼吸状態の評価は、生命維持にダイレクトに関係する重要なチェックポイントです。

呼吸の有無と状態を確認するフレーズ

  • Are you having trouble breathing?
    (呼吸が困難ですか?)
  • I’m going to watch your chest to see if it’s rising and falling.
    (胸が上下しているか見させてください。)
  • Can you take a deep breath for me?
    (深呼吸をしてみてください。)
  • Is your breathing fast or slow?
    (呼吸は速いですか、それともゆっくりですか?)
  • Are you feeling short of breath?
    (息切れを感じていますか?)

酸素状態を確認するフレーズ

  • I’m going to check your oxygen level with this device.
    (この機器であなたの酸素レベルを確認します。)
  • Your lips look bluish. This could indicate low oxygen.
    (唇が青っぽく見えます。酸素が低下している可能性があります。)
  • I need to administer oxygen to help you breathe better.
    (呼吸を楽にするために酸素を投与する必要があります。)

応急処置|英語で初期治療を指示する

応急処置|英語で初期治療を指示する

応急処置は、患者の状態悪化を防ぎ、治療の成功率を高めるため、適切な指示が必要です。

Aさん
ジェスチャーや絵を描いて説明すると、言葉の壁を超えて意思疎通がしやすくなります。工夫して伝えましょう。

出血時の対応フレーズ

  • I need to apply pressure to stop the bleeding.
    (出血を止めるために圧迫する必要があります。)
  • Please hold this gauze firmly against the wound.
    (このガーゼを傷口にしっかりと押さえてください。)
  • Try to keep the injured area elevated above your heart.
    (怪我した部位を心臓より高く上げるようにしてください。)

骨折・捻挫時の対応フレーズ

  • Try not to move the injured limb.
    (怪我した手足を動かさないようにしてください。)
  • I need to immobilize this area to prevent further injury.
    (さらなる怪我を防ぐためにこの部位を固定する必要があります。)
  • Let me apply ice to reduce swelling.
    (腫れを抑えるために氷を当てます。)

やけど・熱中症時の対応フレーズ

  • We need to cool the burned area with cool water.
    (やけどした部位を冷水で冷やす必要があります。)
  • Don’t put ice directly on a burn.
    (やけどに直接氷を当てないでください。)
  • Let’s move you to a cooler place.
    (涼しい場所に移動しましょう。)

救急車案内|英語で的確に救急サービスを要請する

救急車案内|英語で的確に救急サービスを要請する

救急車の要請と適切な情報提供は、緊急時の対応において非常に重要です。

救急車要請と情報提供のフレーズ

  • I need to call an ambulance for you.
    (あなたのために救急車を呼ぶ必要があります。)
  • I’m calling 119 now. That’s the emergency number in Japan.
    (今119に電話します。日本の緊急電話番号です。)
  • The patient is a [age]-year-old [male/female] with [symptoms/condition].
    (患者は[年齢]歳の[男性/女性]で、[症状/状態]があります。)
  • The patient became unconscious about [time] minutes ago.
    (患者は約[時間]分前に意識を失いました。)
  • The patient has a history of [medical condition].
    (患者は[疾患]の既往歴があります。)
Aさん
受付や電話付近の壁に日本語/英語で救急車を要請する際のフレーズを貼っておきましょう。119番に電話を掛けながら受け答えができるのでおすすめです。

救急車到着後の案内フレーズ

  • The ambulance has arrived. The paramedics will take care of you now.
    (救急車が到着しました。救急隊員がこれからケアします。)
  • They’ll be taking you to [hospital name] Hospital.
    (これから[病院名]病院に搬送されます。)
  • Is there anyone you’d like me to contact?
    (連絡して欲しい方はいますか?)

まとめ

この記事では、救急時に役立つ英語フレーズを場面別に紹介しました。救急対応、意識確認、呼吸確認、応急処置、救急車案内といった各シーンで使える実践的な表現を覚えておくことで、外国人患者にも適切かつ迅速な対応ができるようになります。

緊急時のコミュニケーションでは、複雑な英語表現より、シンプルで明確なフレーズを使うことが重要です。また、ジェスチャーや表情などの非言語コミュニケーションも積極的に活用しましょう。

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