かつて、24もの修道院が存在したと言われるギリシャのメテオラ。メテオラは、この世のものとは思えないような風景に溶け込んだ「天空の修道院」と呼ばれています。このメテオラが他に類を見ない世界遺産だということをご存知ですか?
この記事では、ギリシャの世界遺産「メテオラ」を」解説します。どのような世界遺産なのか、何が特別なのか、英語表現とともに紹介します。さっそく、世界有数の世界遺産を知る旅をスタートしましょう。
ギリシャ「メテオラ」の基本情報
メテオラって何だろう?という方もいるかもしれません。まずは、ギリシャのメテオラ基本情報をお届けします。
ギリシャのメテオラはどこにあるの?
ヨーロッパ南部に位置する国ギリシャ(Greece)の中部に、世界遺産のメテオラがあります。ギリシャの首都アテネから北へ約350kmにあるカランバカ(Kalambaka)という町の近くに位置します。
メテオラとは?
メテオラは「空中に浮かぶ」の意味を持ちますが、現実のメテオラもまさに天空を見上げる空間にそびえ立つ奇岩の上、いくつかの修道院が存在するという非現実的な景色を見ることができます。奇岩とは、珍しく奇怪な形状をした岩石で、メテオラは標高616メートルの高さに存在しています。
メテオラは、標高の高い奇岩群の頂上に修道院が佇むという大変珍しく美しいスポットを指すのです。これが、メテオラが他に類を見ない世界遺産と言われる理由です。
世界遺産「メテオラ」の英語フレーズを紹介
メテオラは、高さ20〜600メートル超えの奇岩群の頂上にあることから、霧や雲がかかった冬の朝には、修道院が空中に浮かんでいるかのように幻想的な雰囲気を醸し出します。
次に、メテオラは英語でどう表現するかについてみていきます。
メテオラの英語を紹介
メテオラは英語でMeteoraになります。ここで、Meteoraを簡潔な英語で説明してみましょう。
訳)メテオラは、ギリシャ本土の中心にある修道院の集まりです。
例文に出てきたmonastery/monasteriesが「修道院」の英語です。カタカナ語の発音はモナスティになります。修道院は世俗から隔離し宗教的生活を送る団体を言います。メテオラという天空の世界で、一般的な生活から完全に離れて生活をしている人々がいることをイメージしましょう。
訳)メテオラは信じられないほどの美しい景観と、柱の頂上に建てられた修道院によって名声を得ました。
メテオラが世界遺産になった年や理由
メテオラが他に類を見ない世界遺産であることを述べました。ここでは、実際に世界遺産に指定された年および理由を紹介します。
メテオラが世界遺産になった年
訳)メテオラは、1988年にユネスコの世界複合遺産に登録されました。
メテオラは「文化遺産」と「自然遺産」の両方が登録された世界複合遺産です。世界複合遺産の英語フレーズはWorld Mixed Heritage Siteになります。
メテオラが世界遺産になった理由
世界複合遺産に指定されたメテオラ。登録に至った理由から2つを英語でみてみましょう。
Aさん“Suspended in the air”, these monasteries represent a unique artistic achievement and are one of most forceful examples of the architectural transformation of a site into a place of retreat, meditation and prayer.
訳)「空中に浮かぶ」これらの修道院は、ユニークな芸術的成果を象徴しており、場所を隠れ家、瞑想、祈りの場へと建築的に変貌させたもっとも力強い例のひとつである。AさんRising over 400m above ground level, the sandstone peaks on which the monasteries are perched were created 60 million years ago from deltaic river deposits.
訳)地上400メートルを超える高さにそびえる修道院が建つ砂岩の峰々は、6,000万年前にデルタの堆積物から形成された。
メテオラの歴史を紹介
メテオラが大変珍しい世界複合遺産であることが分かったところで、なぜ奇岩群の頂上に修道院を建てたのか、歴史を遡ってみましょう。
メテオラの歴史
14世紀〜15世紀にかけ、政治的混乱や外敵からの非難所として、精神的な修行の場として建設されたのがメテオラの修道院です。かつては24もの修道院がメテオラにありました。
6,000万年前にデルタの堆積物から形成された奇岩群という大自然と人間の営みがメテオラで融合したのです。
ところが、修道院が建設される前、9世紀ごろにすでにメテオラに住み始めた人々がいたのです。単独の修行がメインだった修道士たちが修道院という集団生活に変化し、宗教活動が活発になっていったのです。
メテオラにある修道院を紹介
かつて24あったメテオラの修道院、今でも6つが活動を継続しています。それらの修道院を紹介しましょう。
メテオラの6修道院
現在も継続し活動を行なっているメテオラの修道院は、以下6つです。
1. メガロ・メテオロン修道院/Great Meteoron
2. ヴァルラーム修道院/Varlaam Monastery
3. アギア・トリアダ修道院/Holy Trinity Monastery
4. アギオス・ステファノス修道院/Saint Stephen Monastery
5. ルサヌ修道院/Rousanou Monastery
6. アギオス・ニコラオス・アナパフサス修道院/Saint Nicholas Anapausas Monastery
訳)メガロ・メテオロン修道院は1356年創建、もっとも古く最大の修道院です。
メガロ・メテオロン修道院内部にはビザンチン様式のフレスコ画や宗教的遺物が展示されています。
なお、アギア・トリアダ修道院は断崖絶壁の上に建ち、映画「007 ユア・アイズ・オンリー」のロケ地として知られています。
世界複合遺産メテオラのツアー
そびえ立つ奇岩の頂上にそびえ立つ6つの修道院、幻想的な奇岩群を望む景色を求めて観光客が多く訪れます。最後に、メテオラに行くツアーを紹介しましょう。
メテオラを訪れよう!
6つの修道院すべてが一般公開されています。すべてを1日で回ることは不可能ではありませんが、個人の体力や移動手段によります。
例えば、カランバカ中心部からメガロ・メテオロン修道院までは約5km、徒歩なら1時間半を見積りましょう。修道院までの道のりに、祈りの場として使われた洞窟や修道院の痕跡など見られます。
メテオラツアーを紹介
visit meteoraというサイトには、様々なコースのツアーが掲載されています。
ひとつのコース”Meteora Sunset Tour with Monastery visit & Hermit caves”では、修道院の内部見学、壮麗なビザンチン様式の教会の散策、そして秘められた洞窟探検などを4時間で行ないます。
その他のツアーはvisit meteoraをご参考にしてください。
まとめ
本記事では、ギリシャの世界複合遺産「メテオラ/Meteora」を紹介しました。画像を見るだけでも圧倒されるメテオラは、世界遺産登録後に多くの観光客が訪れ、車やバスが集中することで大気汚染や騒音問題など自然環境への負荷がかかっています。観光客数の制限や修道院の維持管理への財源確保が課題となっているようです。それほどにメテオラは他に類を見ない世界遺産だということなのです。