東京オリンピックで追加種目になったスポーツクライミングに興味を持っている方もいるでしょう。
初めて知る競技なので、ルールがわからないという方もいるかもしれません。
こでスポーツクライミングがどのような競技か知りながら、一緒に英語学習をするのも1つの手です。
競技の情報と英語を一緒に覚えることで、使われている用語の意味を理解しながら効率よく英語を学べます。
スポーツクライミングってどんな競技?
スポーツクライミングは英語にすると”sport climbing”です。この”climbing”はよじ登ることという意味を持つので、よじ登るスポーツという競技そのものを説明した名前が付けられているのが特徴の1つです。また”climbing”はよじ登ることという意味のほかにも、登山の意味でも使われることがあります。ほかにも形容詞のような形で使われることもあるので、例文も含めて用語を押さえておくようにしましょう。例えば「登山用の靴」と英語で表現したいなら”climbing shoes”になります。動詞の”climb”は、「よじ登る」や「登山する」などの意味だけではなく、「昇る」や「上がる」などの意味でも使うので合わせて確認しておくことで英語学習に役立てられます。
ホールドをつかんで登る競技
スポーツクライミングは、「ホールド」と呼ばれる突起物をつかんで壁を登っていく競技です。選手がつかんで登っていくホールドですが、英語では”hold”になります。動詞で「持つ」や「支える」などの意味を持っていて、英文で出会ったときにはどのような意味で使われているか見極めることが大切な単語です。「つかむ」という意味なら、物に対してだけではなく、人々の支持や地位、さらには場所を「占有する」ような場面でも使われます。幅広い形で使われる単語なので、英文で出会ったときに思い込みで読み進めないように注意が必要です。また名詞で使われることもあり、名詞の場合には「つかむこと」や「登ること」を意味します。
安全のためのハーネス
高い壁を登るスポーツなので、「スポーツクライミングは危険」というイメージを持っている方もいるかもしれません。実際に高い壁を登るといっても、安全のための対策も実施されています。競技における安全対策の1つが、「ハーネス」をつけて「ロープ」で体を支えることです。安全のためのハーネスとロープがあることで、壁から手足が離れても落下する心配がありません。体につける「ハーネス」ですが、英語では”harness”でハーネスのほかにも、「馬具」の意味でも使われています。また動詞で使われることもあり、この場合は「利用する」という意味を持ちます。例えば「原子力を利用する」と表現したいなら ”harness nuclear energy”になります。
訳)彼らは話し合いの結果、原子力を利用することを決めた。
種目別にスポーツクライミングを確認しよう
スポーツクライミングには3つの種目があります。どのような種目があるのか詳しく見ていきましょう。
スピードを競う種目 スピード
スポーツクライミング中の1つの種目は、「スピード」です。スピードでは15メートルの高さがある壁を2人で同時にスタートして、先に頂点に到達した選手の勝利です。スピードは英語だと”speed”で、名詞で速度や速さを意味しています。またギアなどの変則や光に対するフィルムの感度などの意味で使われる場合もあります。”speed”は名詞だけではなく「加速する」という意味で、動詞として使われる場合も見られます。動詞では「急がせる」や「急かす」、さらには「促す」の意味でも使われます。一緒に使われている英単語を確認しながら、どのような意味で使われているのか確認するようにしましょう。
より高く登れるかを競う種目 リード
スポーツクライミングの種目の1つであるリードは、15メートルある壁をより高く登ることが重要です。1人ずつ壁を登って到達した高さを競っていきます。リードは英語にすると”lead”になって、案内するや先導する、連れて行くなどの意味があります。ほかにも流すや率いるなど、さまざまな意味で使われることがあるので、どのような形で使われる単語か押さえておくことが大切です。例えば、”lead~away”で「~を連れていく」となるなど、一緒に使われることが多い単語もあるのでセットで覚えておきましょう。また動詞だけではなく、”lead”は名詞でも使われることがある単語です。例えば先頭や主役、指揮権などの形でも使われます。
クリアできた数を競うボルダリング
スポーツクライミングの種類の1つであるボルダリングは、壁の高さはほかの種目と比較しても低く約4メートルになります。約4メートルの壁を制限時間内でいくつクリアできたかを競う種目です。ボルダリングは英語で”bouldering”と表現し、これは巨岩や石ころなどの意味を持つ”boulder”に”ing”をつけた形です。単語の”boulder”は巨岩や石ころに関連した用語とくっついて使われるケースが多くなっています。例えば「コンクリートの塊」なら”concrete boulder”で、「溶岩石」なら”lava boulder”です。ちなみにボルダリングをする人のことは”boulderer”と表現できます。
訳)スポーツクライミングに関わる3つの種目は、実際には互いにまったく別個のものです。
種目ごとに得意不得意がある
スポーツクライミングは3つの種目の合計で最終結果が決まりますが、協議の注目ポイントが選手ごとに種目の得意不得意があるという点です。速さを競うスピードを得意としている選手もいれば、高く登るリードに強みを持つ選手もいます。種目による得意不得意があることで、最後まで試合の勝敗がわからないというのもスポーツクライミングの見どころの1つです。ちなみに得意不得意があるは英語だと ”strong points and weak points”と表現します。”strong”が強いで”weak”が弱いという意味なので、強い点と弱い点と書くことで得意不得意と表現することが可能です。”strong points”は”strength”、”weak points”は”weakness”と言うこともできます。例文としてセットで覚えておくようにしましょう。
訳)すべてのスポーツクライミングの選手は、得意不得意を持っています。
ボルダリング関連の英語表現
ボルダリングにはたくさんの用語があります。ボルダリング関連の英語表現を見ていきましょう。
ホールド関連の英語表現
まずはホールド関連の英語を整理していきます。「ホールド」とは、壁面を登るために手や足を引っかける「突起物」のことを指します。ホールドにはさまざまな形があり、形によって名前がつけられています。
- ガバ:jug ホールドの中でも掴みやすいもの
- カチ:crimp 掴むところが小さいホールド
- ポケット:pocket ポケットのように見えるホールド
- ポジティブ:positive 「持ちやすい」ホールド
- スローパー:sloper 「傾斜」のあるホールド
- ボテ、ハリボテ:volume ハリボテ状の出っ張り
ホールド(突起物)にもその形状によって名前がついていることを覚えておくといいですね。
次に、ホールドの持ち方に関する英語表現を見てきましょう。
- ピンチ:pinch 「つまむ」「はさむ」
- ガストン:gaston 縦長のホールドなどを「親指を下にしてつかむ」
- パーミング:palming 手のひら(palm)を押し付けてつかむ
- マッチ:match 両手または両足で1つのホールドをつかむ
ボルダリングの動き関連の英語表現
次に、ボルダリングの動きに関する英語表現を見ていきましょう。
- 入れかえる switch, swap
訳)腕を入れかえて。
- 離す release
訳)左手を離して
- 曲げる bend
訳)腕を曲げて
- しゃがむ squat down
訳)しゃがんで
- 持ち上げる lift
訳)勢いをつけて体を持ち上げて
- つかむ hold
訳)黄色のガバをつかんで
- 置く place
訳)ハリボテに右のつま先を置いて
- 登る ascend
訳)登り続けて!
監督とコーチの英語表現を知ろう
スポーツクライミングもほかの競技と同様に監督とコーチがいて選手を指導しています。監督とコーチを英語で表現したい場合に注目するべき点の1つが、どちらも英語では”coach”と表現することが可能だという点です。区別するために監督を”coach”で、コーチは”assistant coach”と表現する場合も見られます。
また監督のことは”director”や”manager”、”head coach”など複数の表現方法が存在しています。英文を読み進めるときには、監督とコーチを示す単語を整理しながらチェックしていくことが大切です。また競技によって監督とコーチの単語を使い分けていることもあるので、余裕があれば整理しておくと英語のステップアップにつなげられます。
戦略がカギになる競技
スポーツクライミングでは、つかむホールドの選択やどのようなルートで上に登っていくかという戦略がカギになります。選手が壁を見るのは試合の直前のわずかな時間のみで、他の選手の様子も見られません。直前に壁を見て、どのようなルートで登っていくか戦略を立てていきます。
ちなみに戦略を表す英単語は”strategy”です。戦略や策略などの意味の名詞で使われるので、使われ方も合わせて押さえておきましょう。例えば”strategy adopted by~”なら「~が採用した戦略」、”strategy aimed at~”で「~を目指す戦略」という意味になります。また”strategy based on~”では「~に基づいた戦略」になるので、これらの例文を知っておくだけで英文を読み進めるときに役立てられます。
スポーツクライミングには3種目ありますが、それぞれの種目でルールや何を競うかが違うので、戦略を立てることが重要になってくるのも分かりますね。
訳)そのスポーツクライミング選手たちは、オリンピックゲームの優勝を目指す戦略を立てようと努力した。
観察を英語で表現しよう
スポーツクライミングで大切なのは、与えられたわずかな時間でこれから登る壁を観察し戦略を立てることです。観察が不十分だと良い戦略が立てられず、競技の結果にもつながりません。また観察は英語で”observation”と表現します。例えば「観察活動」なら “observation activity”と表現することが可能です。また観察するという意味を持つ動詞は”observe”になります。普通に見るのではなく、しっかりと見て観察する意味で使われるという点を押さえておきましょう。
訳)スポーツクライミングで最も重要なのは、限られた時間でこれから登る壁を観察し、どうやってその壁を登るかについて戦略を立てることです。
見どころと合わせて英語を学ぼう
スポーツクライミングは、「スピード」「リード」「ボルダリング」の3つの種目に分かれていて、それぞれに対応する英語を覚えるだけでも自分の英語力を高めることにつながります。「ボルダリング」が流行っているのは知っていたけれど、スポーツクライミングに3つの種目があることは知らなかった方もおられるのではないでしょうか。
ボルダリング関連の用語はとてもたくさんありますが、この記事では、ホールド関連の英語表現と動きに関する英語表現を紹介しました。よく使われることが多い英単語を押さえた上で、スポーツクライミングの競技を楽しみましょう。英語を学びながらルールを覚えると、オリンピックでのスポーツクライミングの観戦をより楽しみやすくなります。パリオリンピックでも、スポーツクライミングを楽しむことができます。この記事で紹介したことが、スポーツクライミングを観戦する上でお役に立てれば幸いです。