「チェリーパイ」というパイはご存知ですか?チェリーパイは、日本ではあまり目にすることがないスイーツの一つですが、アメリカではイベントの際に目にする赤い可愛らしいパイです。今回は、そんなチェリーパイとは何か、どうやって作るのか、などを紹介していきます。

「チェリーパイ」ってどんなパイ?

「チェリーパイ」ってどんなパイ?

チェリーパイは、その名前の通り、さくらんぼ(チェリー)を使ったパイです、アメリカで人気のあるデザートの一つです。アメリカでは特に「クラシックなアメリカンパイ」の一種として親しまれています。チェリーの甘酸っぱい味とパイ生地の相性が抜群で、特に夏の終わりから秋にかけての季節に好まれます。

チェリーパイの特徴

チェリーパイの中には、甘く煮たチェリーがたっぷり入っています。よく使われるチェリーはサワーチェリー(酸味のあるチェリー)という種類で、これが甘いパイ生地とのバランスを絶妙なものにしてくれます。フィリングは、砂糖やコーンスターチ、レモン汁を加えて、チェリーの自然な酸味が引き立つ味となっています。

チェリーパイの外側は、バターたっぷりのフレーク状のパイ生地で包まれており、焼き上がるとサクサクとした食感になります。外見としては、オープンフェイス(上面が開いている)または完全に閉じたタイプ(上に生地がかぶせられた)の二種類があります。

アメリカとの関係

チェリーパイは、アメリカのクラシックなデザートとして親しまれていますが、特に「アメリカン・パイ」といえば、アップルパイと並ぶ定番のパイです。アメリカでは、感謝祭や独立記念日などの大きな行事でチェリーパイが食べられることも多いです。特にアメリカの国旗に赤がはいっていることから、赤いチェリーが入ったチェリーパイはテーブルの上でも映えるため、非常に好まれます。

また、「チェリーパイ」と言えば、アメリカの歌や映画でもよく登場します。例えば、アメリカの有名なポップソング「チェリーパイ」(Cherry Pie)などがあり、チェリーパイはアメリカのポップカルチャーにも登場する象徴的な食べ物となっています。

チェリーパイと歴史

チェリーパイ自体は、アメリカ独自のものというよりも、ヨーロッパから伝わったパイのスタイルをアメリカで発展させたものです。ヨーロッパでも果物を使ったパイは古くから存在しており、アメリカに移民として渡った人々がその技術を持ち込み、アメリカ風にアレンジしたと言われています。

アメリカでは、特にアメリカ合衆国のワシントン州やオレゴン州でチェリーの栽培が盛んで、地域ごとに独自のチェリーパイが作られています。

チェリーパイはどのように食べられる?

チェリーパイは、アメリカでは様々なシチュエーションで食べられます。以下、どんな時にどのように食べられているか紹介します。

ホットまたは冷たいままで

チェリーパイは、温かいまま食べるのが一般的ですが、冷たくなったものも美味しいです。多くのアメリカ人は、焼きたてのチェリーパイを冷ます前に、まだ少し温かい状態で食べることが多いです。温かいパイに冷たいバニラアイスクリームを添えて食べるのが、特に人気の食べ方です。

朝食やブランチのデザートとして

アメリカでは、チェリーパイが朝食やブランチの後のデザートとしても食べられます。特に日曜日の朝など、家族で集まる機会に登場することが多いです。軽い食事の後に甘いチェリーパイを楽しむのが、アメリカの家庭の一コマです。

バーベキューやピクニックでのデザート

チェリーパイは、バーベキューやピクニックのデザートとしても人気です。アメリカでは、屋外で友達や家族と集まった際に、このパイをシェアして楽しむことが多いです。食後に手軽に食べられるので、外での食事にもぴったりです。

イベントでホールで食べる

チェリーパイは、ホールでそのまま食べることが一般的です。大きなパイを切り分けて、各自がプレートに取って食べるスタイルです。特に感謝祭(Thanksgiving)や独立記念日(Fourth of July)などの祝日には、ホールで作られたチェリーパイがテーブルに並べられることが多いです。

カフェやダイナーで

もちろん、アメリカのダイナーやカフェでも、チェリーパイはデザートメニューとして大人気です。食事の後にサーブされ、コーヒーや紅茶と一緒に楽しむことが多いです。また、チェリーパイは、アメリカン・パイの象徴的な存在として、アメリカのレストランで定番デザートの一つです。

日本のさくらんぼでもチェリーパイは作れる?

日本のさくらんぼでもチェリーパイは作れる?

日本でもチェリーパイは作ることができます。日本で手に入る材料を使って簡単に作れるレシピを以下紹介します。もし新鮮なチェリーが手に入らなくても、冷凍チェリーを使えば、季節を問わず美味しいチェリーパイを楽しむことができます。

チェリーパイのレシピ

【材料】(直径20cmのパイ型1台分)

  • パイ生地
    • 小麦粉:200g

    • バター:100g(冷たいものを使う)

    • 砂糖:30g

    • 塩:ひとつまみ

    • 冷水:大さじ2〜3(生地がまとまる程度)

  • フィリング
    • チェリー(冷凍でも可):400g

    • 砂糖:100g(お好みで調整)

    • コーンスターチ:大さじ2

    • レモン汁:大さじ1

    • バニラエッセンス:少々(お好みで)

    • 塩:ひとつまみ

【作り方】

  1. パイ生地を作る

    • ボウルに小麦粉と塩、砂糖を入れ、冷たいバターを小さく切って加えます。

    • バターを指先でつぶしながら、小麦粉と混ぜて、そぼろ状にします。

    • 冷水を少しずつ加え、生地がまとまるように手でこねます。こねすぎないように注意し、軽くまとめたらラップで包み、冷蔵庫で30分以上休ませます。

  2. フィリングを準備する

    1. チェリーはヘタを取って洗い、種を取り除きます(冷凍チェリーを使う場合は解凍して水気をしっかり切ります)。

    2. チェリーをボウルに入れ、砂糖、コーンスターチ、レモン汁、バニラエッセンス、塩を加えてよく混ぜます。

  3. パイを組み立てる

    • オーブンを180℃に予熱しておきます。

    • 冷蔵庫で休ませていたパイ生地を取り出し、打ち粉をした台の上で麺棒を使って2枚の円形に伸ばします(1枚は底用、もう1枚は上用)。

    • パイ型に底生地を敷き、フィリングを均等に乗せます。

    • 上生地を被せ、端を押さえてしっかりと閉じます。上部に数か所切れ目を入れて蒸気が抜けるようにします。

  4. 焼く

    • パイの表面に軽く卵黄を塗ると、焼き上がりがきれいに仕上がります(お好みで)。

    • 予熱したオーブンで約40〜45分焼きます。パイ生地がきつね色に焼け、フィリングが煮立つ音がするまで焼いてください。

  5. 冷ます 焼き上がったパイをオーブンから取り出し、少し冷ましてから切り分けていただきます。温かいままで食べるのも美味しいですが、冷めても美味しいですよ。

ポイント

  • チェリーの酸味と甘みのバランスが重要なので、砂糖の量はチェリーの甘さに応じて調整してください。

  • コーンスターチを使うことで、フィリングが適度にとろっとして、パイを切ったときに中身がこぼれにくくなります。

日本での材料について

チェリー

冷凍チェリーがスーパーやオンラインで手に入ります。新鮮なチェリーが手に入る時期(夏〜秋)は、それを使うとより美味しくなります。

パイ生地

 市販の冷凍パイシートを使うと、手間を省けて簡単に作れます。

「チェリーパイ」はその酸味と赤いカラーで人気のスイーツ

「チェリーパイ」は、アメリカではイベントごとに良く食べられるスイーツの一つです。アメリカの国旗の赤い色とならってよくアメリカンなイベントでも食べられることがあります。チェリーの酸味が砂糖の甘さを抑えてくれるため、甘いものが苦手な方にも好まれます。日本のさくらんぼでも作ることができるので、ぜひチェリーパイ作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

【関連記事】