アメリカの「キーライムパイ」は、日本では比較的認知度が低く、その存在を知らない方が多いスイーツの一つです。「キーライムパイ」は、アメリカのフロリダ州を代表するデザートです。しかし、日本での認知度はアメリカのアップルパイやチーズケーキほど高くありません。
ただ、「キーライムパイ」はデザートに興味がある方々の間では、特定のレストランで楽しむことができるスイーツとして少しずつ知られるようになっています。今後、日本でアメリカンスイーツを楽しむカフェやレストランが増えることで、認知度も少しずつ上がるかもしれません。今回は、そんな「キーライムパイ」とはどんなスイーツか、定番レシピなどを紹介していきます。
「キーライムパイ」の認知度は?
最近では、アメリカのデザートに興味がある人々の間でキーライムパイのレシピや情報がインターネットでシェアされることが増えてきています。また、アメリカの映画やテレビ番組でキーライムパイが登場することもあり、その影響で名前だけは知っているという人も少しずつ増えてきています。
「キーライムパイ」のスペルは?
「キーライムパイ」の英語表記は「key lime pie」です。「key lime」はフロリダ州のキーウェスト地域で採れる小さなライムの一種で、このライムを使ったパイが「キーライムパイ」と呼ばれています。
「キーライムパイ」はどんな味のパイ?
キーライムパイは、アメリカ・フロリダ州の伝統的なデザートで、見た目と味の両方で独特の魅力を持っています。
「キーライムパイ」の見た目
パイのフィリングは、ライムの果汁を使用しているため、淡い黄色から薄緑色をしています。この爽やかな色合いが、パイの見た目に清涼感を与えます。一般的には、トッピングとしてパイの上にホイップクリームやメレンゲをトッピングがされています。ホイップクリームは甘さ控えめで、パイの酸味と絶妙なバランスを保っています。
「キーライムパイ」の味
キーライムパイの特徴は、ライムの酸味と練乳の甘味が絶妙に調和している点です。この組み合わせが、さっぱりとした後味を生み出し、食後のデザートとしても最適です。
食感としては、フィリングはクリーミーでなめらかで、タルト生地はサクサクとした食感が楽しめます。この食感のコントラストが、食べる楽しさをアップさせます。
日本でも、コストコなどのスーパーマーケットでキーライムパイが販売されています。例えば、コストコのキーライムパイは、キーライム果汁100%のムースで酸味があり夏にぴったりな爽やかな美味しさです。
「キーライムパイ」はアメリカではどんな時に食べる?
キーライムパイは、アメリカ、特にフロリダ州で人気の高いデザートで、特別なイベントはもちろん日常的なデザートとして楽しまれます。レストランやカフェでは、食事の後のデザートとしてキーライムパイを提供しているとこもあり、食後の楽しみとして親しまれています。もちろん、家庭でも手軽に作れるデザートとして人気があり、特に夏の暑い季節には冷たいデザートとして好まれます。
「キーライムパイ」のレシピ
キーライムパイは、以下のような材料と手順で作られます。
材料
パイクラスト(タルト生地)
- グラハムクラッカー 100g
- 無塩バター 50g
- 砂糖 大さじ2
フィリング
- 卵黄 4個分
- 加糖コンデンスミルク 380g
- ライム汁 120ml(約6個分)
メレンゲ
- 卵白 3個分
- 塩 ひとつまみ
- 砂糖 大さじ2
作り方:
パイクラストの作成
- グラハムクラッカーをフードプロセッサーで細かく砕き、溶かした無塩バターと砂糖を加えて混ぜます。
- この混合物をパイ型に均等に敷き詰め、170℃に予熱したオーブンで12分焼き、粗熱を取ります。
フィリングの準備
- ボウルに卵黄と加糖コンデンスミルクを入れ、滑らかになるまで混ぜます。
- ライム汁を加えてさらに混ぜます。
- このフィリングを、焼き上げて粗熱を取ったパイクラストの上に流し入れます。
- 再び170℃のオーブンで25分焼き、粗熱を取ります。
メレンゲの作成
- 清潔なボウルに卵白を入れ、ひとつまみの塩を加えて泡立てます。
- 泡立てた卵白に砂糖を少しずつ加えながら、しっかりとしたメレンゲを作ります。
- 焼き上がったフィリングの上にメレンゲを均等に広げます。
- 再度170℃のオーブンで5分焼き、メレンゲに軽く焼き色を付けます。
冷却と仕上げ
- オーブンから取り出し、粗熱が取れたら冷蔵庫で最低3時間冷やします。
- 冷やした後、好みでライムのスライスを飾って完成です。
このレシピは「UCC上島珈琲」のサイトを参考にしています。
セレブも大好きな「キーライムパイ」
海外ドラマ”Gossip Girl”や映画で人気の女優”Blake Lively” (ブレイク・ライブリー)は、「キーライムパイ」が大好きなセレブとして知られています。
ブレイク・ライブリーさんは、母親直伝のキーライムパイを作る動画を公開しており、その中でキーライムパイを作る様子を楽しそうに紹介しています。動画内では、彼女はキーライムパイの作り方や家族との食事について語っています。
「キーライムパイ」を食べるシーンが印象的な映画
映画「シェイプ・オブ・ウォーター」では、主人公がキーライムパイを食べるシーンが登場しています。この映画では、ゼリー状のキーライムパイが重要な役割を果たしていて、その美しいブルーグリーンの色合いと独特の食感が印象的です。主人公イライザの隣人であるジャイルズは、恋心を抱くパイ店の男性に会いたい一心で、味が良くないと言われているキーライムパイを何度も購入します。
この繰り返されるシーンを通じて、映画は緑色を「歓迎されざる未来」や「非ロマンチックな未来」を象徴する色として描いています。
また、マーベル作品のドラマシリーズ”Loki” (ロキ)にもキーライムパイが登場します。グリーンのカラーがテーマのLokiのドラマでは、たびたび緑色のキーライムパイが出てきます。ロキとモビウスがこのパイを一緒に食べるシーンがあり、その独特な色合いから視聴者の間でさまざまな解釈がなされています。一部のファンは、このパイの緑色が時間変異管理局(TVA)の人工的で作られた現実を象徴していると考えています。特に、パイの色が通常のキーライムパイとは異なる緑色であることが、TVAの虚偽性を示唆していると解釈されています。
このように、キーライムパイを通じてストーリーの雰囲気や登場人物の感情を表現している場面も映画では複数あります。そのパイのビジュアルや色や甘酸っぱい印象から、視覚的にも味覚的にも印象深いシーンとなっています。
「キーライムパイ」は日本でも人気の余地あり
「キーライムパイ」は日本ではまだ認知度の低いスイーツの一つですが、ライムの酸っぱさとメレンゲの甘さでさっぱりと爽やかにいただけるアメリカでは人気のスイーツです。
ライムを食べる習慣が日本人にはあまりないですが、最近ではスーパーでもライムを見かけるようになりました。ちょっとおもしろいスイーツを食べてみたいと言う方は、是非キーライムパイ作りにチャレンジしてみてください。
また、日本でも検索してみるとキーライムパイを扱っているレストランもあるようです。せっかくの機会に、ぜひ新しい味の発見を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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