ヨーロッパの伝説や神話に登場する妖怪に、いたずら好きで時に人々を困らせてしまう小鬼・ゴブリンがいます。この妖怪ゴブリンが、世界的に人気のいくつものファンタジー作品に登場していることをご存知ですか?
この記事では、不気味な妖怪クリーチャー「ゴブリン」についてどのような妖怪なのか、どんな姿なのかなど英語でいろいろ紹介しましょう。
ゴブリンってどんな妖怪?
さて、ゴブリンという言葉は、ギリシャ語の「悪党」を意味するコロバスに由来しています。
あまり耳慣れない感じのあるゴブリン。まずは、どのような妖怪か説明をしましょう。
イタズラ好きな人型の妖怪ゴブリン
まず、ゴブリンの容姿ですが、小柄で人のような容姿を持つ妖怪です。イギリスを中心に特にフランスやドイツなどヨーロッパに起源を持ち、伝説や神話に登場します。森の中、地下や洞窟といった暗い場所を好んで住んでいます。
人間にいらずらをするゴブリン
ゴブリンはいたずら好きで、時には人々を困らせる存在です。例えば、音を立てて驚かしたり、物を隠すといったイタズラです。時に、イタズラを越えて強欲、凶暴になることもあります。
ゴブリンの寿命は20歳?
ゴブリンは急速に成長、7年ほどで成人に達します。寿命は50年と言われていますが、無謀な生活が原因で20歳になる前に死ぬことが多いのです。
妖怪ゴブリンを英語で説明すると?
さて、ここからは妖怪ゴブリンを英語で説明していきます。まずは、ゴブリンの英語表現です。
ゴブリンの英語表現
ゴブリンを英語にするとGoblinです。Goblinは「ゴブリン」や「鬼」と意味する単語です。
訳)西洋の民間伝承では、ゴブリンは人間の姿をして人間を騙すとされています。
その他の例文もみてみましょう。
訳)ゴブリンは、緑色の毛、角、尖った耳、猫のような目を持つ背の低い生き物として描かれます。
身長は約91~106cmで、直立歩行するゴブリン、人型のモンスターです。不気味な笑みを浮かべるゴブリンを想像してみてくださいね。
訳)村の人々は、いたずら好きなゴブリンをなだめようと供物を捧げました。
mischievous goblinで「いたずら好きなゴブリン」というゴブリンの大きな特徴を表現しています。
ゴブリンの役目とは?
人間にいたずらをして困らせる妖怪がゴブリンですが、ある役目を持っています。ここでは、なぜゴブリンというキャラが存在するのか、それを説明する英語をみていきましょう。
子どものしつけを手伝うゴブリン
ここで、世界でもっとも古くからある百科事典を出版するBritannicaから、goblinについて以下を紹介します。
訳)子どもが良い子であれば親からご褒美を与え、言うことを聞かないときには罰することで、親が子どもをしつける手助けをすると考えられています。
善と悪は対立するという概念を持つキリスト教の善悪観によって、悪役にされやすいGoblinの一面が見えたことになります。
妖怪ゴブリンは冒険家
イタズラ好きとして描かれることが多くあるゴブリンですが、ここで、どのようなアドベンチャーをする妖怪なのか紹介しましょう。
ゴブリンは冒険家
ゴブリンは知恵と技術を使って危険な生活をする冒険家です。そして、生まれつき探検をしたり宝探しをします。
訳)ほぼすべてのゴブリンは冒険家であり、技術と知恵を駆使して危険な生活を生き抜いています。
ゴブリンは影のなかを飛び回るならず者になったり、生来のカリスマ性を持って魔術師になることも珍しくありません。
ゴブリンが恐怖を抱くものとは?
そんなゴブリンにも、実は苦手なものがあります。
訳)ゴブリンは馬と犬に対して、病的なほどの恐怖と憎しみを抱いています。
フレーズnear-pathological fearで「病的なレベルに近い恐怖」の意味になります。また、hatredは名詞で「憎しみ・嫌悪・憎悪」です。
逆に、魔法や魔法使いに畏敬の念を抱いているので、魔法を操るゴブリンを非常に尊敬しています。
ハリポッターやロードオブザリングのゴブリン
ところで、ゴブリンはゲームやファンタジーによく登場する妖怪です。世界的ヒットのハリーポッターやロード・オブ・ザ・リングに登場するゴブリンを思い出しませんか?!
Harry Potterのゴブリン
イギリスの作家J K Rowlingによるファンタジー小説が「ハリーポッター」です。日本にもハリポタファンが多くおり、ロンドン北にあるハリーポッタースタジオを訪れた方もいるかもしれませんね。
さて、Harry Potterにダイアゴン横丁のゴブリン銀行「グリンゴッツ魔法銀行」がありますが、魔法界のバンクとして重要な役割を果たしています。この銀行では、職員たちがゴブリンです。
訳)グリンゴッツ魔法銀行はゴブリンによって設立、運営されていました。この銀行はイギリスで唯一の魔法銀行でした。
グリンゴッツ魔法銀行を経営するゴブリンは有能な金属工で、杖を必要としない独特の魔法を使います。利口でありずる賢い小鬼です。
The Lord of the Ringsのゴブリン
J R R トルーキン原作の「ロード・オブ・ザ・リング」のゴブリンも印象的です。こちらもトルーキンのファンタジー小説で映画もヒットしたThe Hobbit(ホビット)のホビットたちはゴブリンではなく平和を愛する種族です。しかし、ゴブリンは中つ国に住む邪悪な種族なのです。ロード・オブ・ザ・リングではゴブリンはオークという名前がメインで使われています。
訳)指輪戦争の間、複数のゴブリンがグレート・ゴブリンの地位を主張しようとしています。
グレート・ゴブリンは尖った耳、皮膚のこぶ、肥満体系で巨大な平らの頭を持つゴブリンとして登場しました。
イギリスのHOBGOBLINとは?
様々な民間伝承、そしていくつものファンタジーに登場するゴブリン。その特徴的なキャラクターがイギリスのビールのブランドにも使われています。
最後に、HOBGOBLINという美味しいビールを紹介しましょう。
HOBGOBLIN
HOBGOBLINはゴブリンの亜種としての種族です。彼らはゴブリンよりも知能が高く、より組織的だと言われています。
HOBGOBLINサイトから、ホブゴブリンのラベルに描かれているキャラをご覧ください。
このサイトのホームでは”HOBGOBLIN NEW LOOK, STILL UGLY”というフレーズが目に入ってきます。イギリスならではのコピーで「新しい見た目、それでもまだ醜い」ということでパンチがあります。
筆者は、近所の散歩の途中でこのホブゴブリンが大きく描かれたトラックを見ることがありますがパブにビールを搬入するんですね。そしてこのビールを飲んだことがありますが、ペールモルトにごく少量のチョコレートをブレンドして醸造しており美味しいです。1997年にはロンドン国際食品展にて金賞を受賞、HOBGOBLINのイラストのラベルと味、2倍楽しめるイギリスビールです。
まとめ
本記事ではいたずら好きで、時には人々を困らせる妖怪「ゴブリン」を紹介しました。多くのイギリスファンタジー作品にも登場し、なくてはならない存在感を持っています。ビール好きのイギリス人が飲むHOBGOBLINというビールがあることも分かりました。今までよりもゴブリンに親しみを感じていただけたでしょうか?