日本語には、相手への敬意を表すための丁寧な言い回しがたくさんあります。その中でも、特に改まった場面で使われるのが「左様でございます」という表現。

接客やビジネスの電話対応などでよく耳にしますが、いざ英語にしようとすると「どう訳せばいいの?」「どれくらい丁寧に言えばいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「左様でございます」の意味や使い方、英語での表現方法をわかりやすく解説します。「左様でございますか」「左様でございましたか」といった類似表現も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

「左様でございます」ってどういう意味?

「左様でございます」ってどういう意味?

「左様でございます」は、「そうです」の非常に丁寧な言い方です。

「左様」は「そのよう」という意味の古語で、現在は主にフォーマルな日本語の中で使われます。

  • カジュアル:そうです
  • 丁寧:そのようでございます
  • 非常に丁寧:左様でございます

接客業、ホテル、百貨店、コールセンターなどでよく用いられ、「おっしゃる通りです」「確かにその通りです」といったニュアンスを、敬意を込めて伝える表現です。

「左様でございます」の英語表現は?

「左様でございます」は、日本語でも非常に丁寧な言い回しであり、英語ではそのまま訳せません。英語で表現する際は、状況や相手との関係性に応じて、ニュアンスの近いものを選び、使い分けましょう。

ここでは、「左様でございます」に近い英語表現を、フォーマル/ビジネス/カジュアルの3つの場面に分けて、例文とともにわかりやすくご紹介します。

フォーマルな場面で使える英語表現

改まったやり取りや丁寧な返答が求められる場面では、英語でも“Yes”だけでなく、文として丁寧に返すことでフォーマルな印象を与えることができます。

たとえばビジネスの場や、目上の人との会話、受付や案内などの対応では次のような表現が使われます。

  • Yes, that is correct. (はい、その通りです。)
  • That is so. (その通りです。)
  • Certainly. (その通りです。)

【会話例①】

Aさん

This invoice includes the discount we discussed, correct?

この請求書には、先日お話しした割引が含まれていますよね?

Bさん

Yes, that is correct.

はい、その通りです

【会話例②】

Aさん

Just to clarify, the seminar will begin at 10 a.m. sharp, correct?

念のため確認ですが、セミナーは午前10時ちょうどに始まりますよね?

Bさん

Certainly. Please arrive a few minutes early.

はい、開始は10時ちょうどです。少し早めにお越しください。

ビジネスで信頼感を与える英語表現

仕事のやり取りや接客対応などでは、正確さに加えて、相手に安心感や信頼感を与える表現が大切です。

英語では、相手の発言を丁寧に肯定することで、「きちんと伝わっている」「信頼できる」という印象を与えることができます。

次がビジネスシーンなどで「左様でございます」として使われる表現です。

  • That’s correct. (おっしゃる通りです。)
  • Absolutely. (まさにその通りです。)

【会話例①】

Aさん

I believe the return policy allows for exchanges within 14 days, correct?

返品ポリシーでは、14日以内なら交換できると理解していますが、それで合っていますか?

Bさん

That’s correct. You can bring the item to any of our stores.

おっしゃる通りです。どの店舗でもご対応可能です。

【会話例②】

Aさん

So the contract will start on July 1st as agreed, right?

では、契約は合意通り7月1日から開始ということでよろしいですね?

Bさん

Absolutely. Everything is ready on our end.

まさにその通りです。こちらの準備はすでに整っています。

カジュアルな会話で使える英語表現

友人や同僚など、親しい相手とのやり取りでは、シンプルでフレンドリーな返し方が自然です。

丁寧すぎる表現よりも、テンポよく返答することで、リラックスした雰囲気を保てます。

次の表現がその代表的なものです。

  • Yes. (はい。)
  • That’s right. (その通り。)
  • Exactly. (まさに。)

【会話例①】

Aさん

You’re from Osaka, right?

あなた、大阪出身ですよね?

Bさん

That’s right!

そうです!

【会話例②】

Aさん

So this is your first time visiting Tokyo?

今回が初めての東京ですか?

Bさん

Yes, exactly.

はい、まさにその通りです。

「左様でございますか」「左様でございましたか」の英語表現

「左様でございますか」「左様でございましたか」の英語表現

「左様でございますか」や「左様でございましたか」は、相手の言葉に丁寧に反応したいときに使われる表現です。どちらも「左様でございます」と同じく、相手に敬意をもって返答する場面でよく使われます。

英語では、日本語ほどかしこまった敬語を使う文化がないため、丁寧さよりも自然で思いやりのある返し方が好まれます。

それぞれのニュアンスに合った英語表現と会話例を見てみましょう。

左様でございますか

相手の話を聞いて、「そうなんですね」と受け止めたり、共感の気持ちを込めて返すときに使う表現です。驚きや関心、理解を示したい場面で自然に使えるフレーズが多く、会話をやわらかくつなぐのにも役立ちます。

  • I see. (なるほど。)
  • Is that so? (そうなんですね?)
  • Oh, really? (本当ですか?)
  • That’s interesting. (それは興味深いですね。)

【会話例①】

Aさん

This is actually my first time traveling alone.

実は今回、初めての一人旅なんです。

Bさん

Oh, really? That must be exciting!

そうなんですね!きっとワクワクしますね。

【会話例②】

Aさん

Our team just launched a new project this month.

今月から新しいプロジェクトが始まったんです。

Bさん

Is that so? I’d love to hear more about it.

左様でございますか。ぜひ詳しく聞かせてください。

左様でございましたか

過去の出来事や状況について、相手の話を受け止めて丁寧に反応したいときに使う表現です。英語では、「承知しました」や「知らなかったことを今知った」というニュアンスを伝えることで、丁寧さや思いやりを表現できます。

  • I understand. (承知しました。)
  • Thank you for letting me know. (教えてくださってありがとうございます。)
  • I wasn’t aware of that. (それは存じ上げませんでした。)

【会話例①】

Aさん

I’m sorry I couldn’t attend the meeting yesterday. I had a family emergency.

昨日の会議に出席できず、申し訳ありませんでした。家族の急用がありまして。

Bさん

I understand. Thank you for letting me know.

左様でございましたか。ご連絡ありがとうございます。

【会話例②】

Aさん

The deadline was actually moved up to Wednesday.

締切は実は水曜日に早まったんです。

Bさん

I see. I wasn’t aware of that. Thanks for letting me know.

そうでしたか。それは知りませんでした。教えてくださってありがとうございます。

参考元リンク

英ナビ
英辞郎 on the WEB

まとめ

「左様でございます」は、日本語ならではの丁寧な表現ですが、英語にするときは直訳よりも、場面に合った言い回しを選ぶことが大切です。

フォーマルな場では“That is correct.”“Certainly.”、ビジネスでは“Absolutely.”“That’s right.”などが自然ですし、日常会話では“Yes.”“Exactly.”のようなフレーズも使いやすいです。

また、「左様でございますか」「左様でございましたか」といった反応も、英語では“I see.”“I understand.”“Thanks for letting me know.”などでやわらかく伝えることができます。

丁寧さを大切にしながらも、英語らしい自然なリアクションを心がけることで、よりスムーズで好印象なコミュニケーションにつながりますよ。

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