ビジネスメールや問い合わせ対応でよく使われる「今しばらくお待ちいただけますと幸いです」。
やわらかくて丁寧な日本語ですが、英語で伝えようとすると意外に難しいと感じたことはありませんか?

この日本語特有のフレーズは直訳が特に難しく、「少し待ってもらうお願い」と「感謝の気持ち」を込めて、伝える必要があります。

この記事では、「今しばらくお待ちいただけますと幸いです」に近い英語表現を、シーン別にご紹介します。ビジネスでもカジュアルでも使える表現を例文つきで解説しますので、ぜひ参考にしてください。

「今しばらくお待ちいただけますと幸いです」は英語で何と言う?

「今しばらくお待ちいただけますと幸いです」は英語で何と言う?

日本語でよく使われる「今しばらくお待ちいただけますと幸いです」は、やわらかく丁寧に「少し待ってほしい」と伝える便利な表現です。

英語ではこのフレーズを直訳するのが難しいため、状況に応じたふさわしい言い回しを選ぶことがポイントです。

ここでは、以下の3つの場面に分けて、それぞれにぴったりな表現をご紹介します。

日常会話やチャットで使うとき

気軽なやりとりでは、短くて覚えやすいフレーズが便利です。カジュアルなトーンでも、相手に不快感を与えず自然に使える表現を選びましょう。

Aさん

Just a moment, please.

少々お待ちください。

とても一般的な表現で、電話対応や接客でもよく使われます。短く伝えたいときにぴったりです。

Aさん
Please wait just a little longer.

あと少しだけお待ちください。

「今対応中です」「もうすぐ準備できます」など、少し時間が必要な場面で使います。チャットや口頭で、やさしく伝えたいときに便利です。

Aさん

Hang on a second.

ちょっと待ってください。

とてもカジュアルな表現で、親しい人との会話で使います。ビジネスで使うのは避けたほうが良いでしょう。

社内メールや上司とのやり取りで使うとき

丁寧さを意識しつつ、そこまで堅くならない表現が求められるのが社内メールや上司への対応です。

控えめで、感謝の気持ちを含んだ表現が好まれます。

Aさん

I would appreciate it if you could wait a little longer.

もう少しお待ちいただけるとありがたいです。

お願いと感謝を一度に伝えられる表現です。社内メールや、上司・先輩へのやり取りにも自然に使えます。

Aさん

I would be grateful if you could wait for a moment.

しばらくお待ちいただけますと幸いです。

grateful” は“appreciate”よりややフォーマルで、少しかしこまった印象を与えます。大事な資料の確認や返信が遅れるときなど、丁寧に伝えたい場合に向いています。

Aさん

Would you mind waiting a bit longer?

もう少しお待ちいただけますか?

疑問文にすることで、よりやわらかく依頼できます。丁寧さを出したいときに効果的です。

顧客対応やフォーマルなビジネスメールで使うとき

取引先やお客様に対しては、よりフォーマルで誠実な印象を与える表現が求められます。

信頼感を大切にしたい場面では、以下のような表現が効果的です。

Aさん

We kindly ask for your patience while we process your request.

ご依頼に対応しておりますので、今しばらくお待ちください。

「対応中であること」を伝えながら、ていねいに待ってもらうお願いをする定番表現です。

Aさん

It would be greatly appreciated if you could bear with us for a short while.

今しばらくご辛抱いただけますと幸いです。

bear with us” は「少しの間ご辛抱いただく」という意味で、謝意と感謝の気持ちを込めて伝えられます。対応の遅れをやわらかく伝えたいときに便利です。

Aさん

Your continued patience is greatly appreciated.

引き続きお待ちいただき、感謝申し上げます。

長時間お待たせしている場合に、感謝の気持ちを丁寧に伝える表現です。この後は、こうした依頼表現に「感謝や配慮を添える一言」を組み合わせることで、より自然で丁寧な印象になります。

印象がぐっと良くなる!感謝や配慮を伝える一言フレーズ

印象がぐっと良くなる!感謝や配慮を伝える一言フレーズ
「今しばらくお待ちください」と伝えるだけでも十分ですが、英語ではそのあとに感謝や気遣いの一言を添えることで、より好印象を与えることができます。

ちなみに、日本語では「至らぬ点も多々あるかと存じますが…」など、へりくだった言い回しが丁寧さや誠意の表れとして使われます。一方で英語では、こうした控えめな表現が過剰になると「自信がない」「責任を回避している」といった誤解を生むこともあります。

英語では、相手への配慮は大切にしつつも、自分の努力や誠意、責任感を明確に伝える姿勢が好まれます。そのため、「お待たせして申し訳ありません」と伝える際も、必要以上に謝るのではなく「対応中であること」「間もなく対応できること」を明確に示しつつ、感謝の気持ちを添える表現が効果的です。

以下に、実際に使いやすいフレーズをご紹介します。場面に応じて、ぜひ取り入れてみてください。

Aさん

Thank you for your patience.

お待ちいただきありがとうございます。

どんな場面でも使いやすいフレーズです。少しお待たせする場面であれば、相手を選ばず安心して使えます。

Aさん

I appreciate your understanding.

ご理解いただき感謝します。

待ってもらうだけでなく、「事情をくんでくれてありがとう」という気持ちも込めたいときに便利です。

Aさん

I apologize for the delay.

遅れてしまい申し訳ありません。

対応や返信が遅れてしまった場合に、先にお詫びを入れてから依頼や説明につなげると丁寧な印象になります。

Aさん

Thank you for bearing with us.

ご辛抱いただきありがとうございます。

bear with” はカスタマー対応でもよく使われる表現です。

Aさん

Thank you for waiting.

お待ちいただきありがとうございます。

シンプルですが口頭でも書き言葉でも使える、柔らかく親しみのあるフレーズです。

Aさん

I’ll get back to you shortly.

すぐにご連絡いたします。

待ってもらったあとのフォローとして使える一言です。「すぐに対応する姿勢」を伝えたいときに効果的です。

このようなフレーズは、メインの表現のあとに自然に添えることで、ぐっとやさしく、丁寧な印象になります。特に英語では、相手の時間を使ってもらうことに対して感謝や気遣いを言葉で表す文化があるため、こうした一言が好印象につながります。ぜひ、使ってみてください!

参考サイト:

英辞郎 on the WEB(アルク)
Oxford Learner’s Dictionaries

まとめ

「今しばらくお待ちいただけますと幸いです」は、丁寧さと配慮を込めて「少し待ってほしい」と伝える日本語独特の表現です。英語では、場面や相手との関係に応じて、カジュアルな言い回しからフォーマルな表現まで、使い分けることが大切です。

また、お願いのあとに一言感謝や配慮を添えることで、より自然でやさしい印象になります。ビジネスメールでも日常会話でも、こうしたフレーズを上手に使いこなせると、英語でのやりとりがぐっとスムーズになります。

自分にとって使いやすい表現から、少しずつ取り入れてみましょう。丁寧で伝わる英語が、きっとあなたの印象をさらによくしてくれるはずです。