ビジネスシーンでよく使う「提案」という言葉。これをもし英語で言えるようになったらカッコいいですよね!提案と言っても、そのニュアンスごとに使い分けたい英単語がたくさんあるので、ここではそれらの違いについて具体的に説明していきます。それぞれの意味がわかれば、頭で考えずともサッと言えるようになるのでどんどん使って慣れていきましょう!

suggest

「提案」と言えばSuggest!これは受験勉強を頑張った時に覚えた人もいるでしょう。中学校で習うので、単語のレベルがそこまで高いとは言えません。そして、「提案する」という動詞としては最も一般的なのでこれひとつ覚えておけばかなり便利です。

もう少しきちんと使いたいのであれば、Suggestのニュアンスは控えめ表現だと覚えておきましょう。自分の意見を述べることができますが、その提案はやや控えめで相手に強く言う表現ではありません。自分の意見をごり押しするのではなく、相手の意見も尊重しつつ提案します。

Aさん
I suggest that you need to ask someone who is good at math.
訳)数学が得意な誰かに頼むことを提案するよ。
Aさん
I suggest that we should think about the global warming in this class.
訳)このクラスでは、地球温暖化について考えた方が良いと思います。

propose

propose

Proposeも「提案する」という意味ですが、こちらはSuggestに対してやや強めで積極的に提案しているニュアンスを含みます。

例えば、相手の意見よりも自分の意見を通してほしいという新プロジェクトを開始したり、自分が思いついたアイデアを皆に共有したりするときにはProposeの方が良い場合もあります。この積極性というのは、相手に結婚を申し込む時にも必要とされる要素なので、いわゆるプロポーズという意味も持ちます。

Aさん
Our boss proposed that we need to resolve the issue as soon as possible.
訳)上司は、この問題をできるだけ速やかに解決するよう提案した。

recommend

「提案する」という単語でもうひとつ代表的なのはRecommendです。こちらは、海外旅行に行った時に、レストランでおすすめをききたい時に使えると学ぶ人も多いので、「提案する」というよりは「勧める」で覚えているかもしれませんね。どちらも同じ意味合いですから、日本語を少し変えるだけで覚えられますね。

ニュアンスとしては、相手に行動を促すという意味を持ちますが、そのまま「勧める」という意味合いを持つと覚えておけばわかりやすいでしょう。

Aさん
We recommend changing the PC which you use now.
訳)今あなたが使っているパソコンを変えることを提案するよ。

advise

Adviseはあのアドバイスですが、こちらも意味を少し変えれば「提案する」になりますよね。ただ、日本語と同じでちょっと上から目線に感じることもあるものなので、使うなら少し注意が必要になります。同じ立場である同僚にAdviseを使うと、見下していると捉えられることもあるので部下に使う時専用と覚えておくのも良いでしょう。

英語だと、Adviseはその分野に詳しい人や専門家からの提案を意味するため、少し堅苦しいシチュエーションで使われることが多いものです。この点は日本語のアドバイスとは異なりますね。カジュアルに誰もがアドバイスできるような感覚とは少し違います。

ちなみに、スペルはAdviseだと動詞、Adviceだと名詞になります。発音も、動詞と名詞とで異なるので一度音を聞いてみることをおすすめします。

Aさん
May I advise? I think if you say it to your boss, the problem would disappear.
訳)提案してみてもいいですか?そのことをあなたの上司に行ってみたら、問題は解決するかもしれませんよ?

counsel

Counselも「提案する」という意味で使えますが、どちらかというと「忠告する」とか、「助言する」という意味合いが強い単語です。ですから、Adviseを少し堅くしたバージョンと捉えてみてください。

何か自分が持っている知恵を貸す時にも使えるので、部下に専門的な知識を教える時などが使い時でしょう。

Aさん
At that time, the coach counselled caution.
訳)その時、コーチは注意を促した。

propound

Propoundはあまり聞き慣れない単語でしょう。こちらは提案は提案でも、学説の提起を意味するので日常生活ではあまり使いません。ですから、「提案する」という日本語では少しカジュアルになることがあり、「提議する」などの方がしっくりくる場合もあります。

やんわりと、相手の意見も尊重しつつ自分の意見を提案するというよりは、むしろ相手の意見に反論するような時にPropoundが使えます。意見が違うと仲が悪くなってしまうかもしれませんが、その意見のぶつかり合いでより良い方向へ行く物事も多いですよね。特に専門的な分野ではよくあることでしょう。

Aさん
He propounded the theory that the earth was round.
訳)彼は地球は丸いという学説を提唱した。

advocate

advocate

Advocateは、公に提案することを意味する動詞です。公にするということは、それだけの権力や責任を持っている人でないとできないことですから、立場的には上の方の人が提案する時にのみ使われることになるでしょう。

このような性質から、Advocateは「提案する」よりも「主張する」だとか、「唱える」と訳させていることも多いです。

Aさん
Many voters supported candidates who advocated building new cities.
訳)多くの有権者は、新しい都市計画を提案している候補者を支援していた。

submit

Submitは、特に弁護士などが法的な意見を述べる時に使われるものです。ですから、用途はかなり限定的になりますね。「弁護士が提案する」と言うと少し違和感のある和訳になるなと思うなら、「陳述する」や「意見を提示する」などを代わりに使うと良いでしょう。

Aさん
I submit that some evidence has been passed over.
訳)いくつかの証拠が見落とされていることを述べたい。

まとめ

「提案する」という英語には本当にたくさんの単語があることがわかりましたね。しかし、一般的に使われているのはSuggestやRecommendであり、あまり注意点を意識することなく使えるものを覚えておけばまず大丈夫です。英語の勉強をしているならリスニングやリーディングでSubmitやAdvocateなどの難しい動詞が出て来ることもあるでしょうけれど、その時には微妙なニュアンスを理解していなくても「提案する」という意味さえ理解していれば内容はつかめます。より高いレベルに行ける準備が整ったら、ニュアンスの違いも覚えていきましょう!