ドミニカ共和国の首都サントドミンゴは、1498年にクリストファー・コロンブスが到達して以来、スペイン人によって築かれた南北アメリカ最初の植民都市です。
ここには、大聖堂、大学、病院、要塞など、スペイン植民地時代の面影を色濃く残す建築が今も立ち並びます。この都市は、南北アメリカ各地に広がる植民地都市の原型とも言える場所であり、「新世界」の出発点でした。
今回は、このサントドミンゴの魅力を、英会話フレーズとともに紹介します。
サントドミンゴ植民都市とは?

1492年、コロンブスが西インド諸島に到達したことで始まった大航海時代。1496年、コロンブスの弟バルトロメが、現在のイスパニョーラ島のオサマ川東岸に小さな街を築きました。しかし洪水の影響で、1502年に新総督ニコラス・デ・オバンドーが西岸に街を再建。これが現在のサントドミンゴです。
この都市は計画的に設計され、碁盤の目のような街路は、後に中南米全域のスペイン植民都市のモデルとなりました。街には、南北アメリカ最古の大聖堂や病院、大学、要塞などが建てられ、政治・宗教・医療・軍事の中心として発展します。
特に注目されるのは、1541年に完成したサンタ・マリア・ラ・メノール大聖堂。これは南北アメリカ大陸で最初のカトリック大聖堂で、ゴシック様式とルネサンス様式が調和した美しい建物です。現在も多くの建物が当時の姿をとどめており、サントドミンゴは「生きた植民都市の博物館」と言われています。
ドミニカ共和国ってどんな国?
ドミニカ共和国は、カリブ海のイスパニョーラ島東部に位置する国です。島の西側にはハイチがあり、両国は島を分け合う形で存在しています。北には大西洋、南にはカリブ海が広がり、東にはプエルトリコ、西にはキューバやジャマイカがあります。
国の主な産業は、観光業と農業。特にカカオ、フルフラールなどの生産が有名です。陽気な国民性と美しい海、そして歴史ある街並みが魅力で、近年は世界中の旅行者から注目を集めています。
アクセス方法
日本からドミニカ共和国への直行便はありませんが、アメリカ(ニューヨークやマイアミなど)を経由して、サントドミンゴの「ラス・アメリカス国際空港」へアクセスするのが一般的です。首都の旧市街は空港から車で約30分ほど。治安には注意が必要ですが、日中の観光なら安全に楽しめます。
世界遺産としての価値

「サントドミンゴ植民都市(Colonial City of Santo Domingo)」は、「ヨーロッパ人による南北アメリカ植民の最初の拠点」として、その歴史的・文化的価値が高く評価され、1990年にユネスコの世界遺産に登録されました。
登録理由とは?
ユネスコは、以下の理由に基づいてこの都市を世界遺産に登録しています。
- アメリカ大陸における最初のヨーロッパ様式の都市計画が実現されたこと。
- 多くの建築物が、当時の建築様式(ゴシック、ルネサンス、ムデハルなど)を保存していること。
- サントドミンゴが、南北アメリカにおけるスペインの支配拠点として、他の植民都市のモデルになったこと。
UNESCO World Heritage Convention:Colonial City of Santo Domingo
覚えておきたい英会話フレーズ
サントドミンゴの歴史や魅力について、英語で語り合うための会話フレーズを紹介します。旅行先での会話練習にもぴったりです。
訳)ここ、本当に歴史があるわね!南北アメリカ最古の植民都市なんて信じられる?
訳)すごいよね。大聖堂が本当に美しい。ゴシックとルネサンスの融合が素敵だね。
訳)コロンブスの息子がここに住んでたって読んだわ。面白いよね?
訳)そうそう、アメリカ大陸初の病院も1522年にここで建てられたんだって。
訳)これって1500年代の街の姿と同じ感じかな?
訳)そうかもね!まるでタイムスリップしたみたいだよ。
訳)ここを見たら、もっと植民地時代の歴史を学びたくなったよ。
訳)僕も。同感。歴史が生きてる感じがするよね。
サントドミンゴ植民都市の見どころ

サントドミンゴ植民都市には、コロンブスゆかりの建物や南北アメリカ最古の大聖堂、要塞など、歴史を体感できる見どころが数多く残されており、歩くだけで当時の雰囲気を感じられます。
コロンブス宮殿(アルカサル・デ・コロン)
1509年から1514年にかけて建設されたこの宮殿は、コロンブスの長男ディエゴ・コロンの住居でした。かつては50室以上の部屋と広大な庭園を持ち、ムデハル様式の影響が見られます。
現在は博物館となっており、16世紀のタペストリーや家具、武器などが展示されています。
サンタ・マリア・ラ・メノール大聖堂
南北アメリカ最古のカトリック大聖堂で、1541年に完成しました。ゴシックとルネサンスの建築様式が見事に融合したこの建物は、かつてコロンブスの遺骨が納められていたことでも知られています(現在はコロンブス記念灯台に移設)。
サン・ニコラス・デ・バリ病院
1522年に設立されたアメリカ大陸最初の病院。かつてはルネサンス様式の壮麗な建物でしたが、18世紀には廃墟となりました。現在は遺構が残されており、当時の医療の雰囲気を感じさせます。
オサマ要塞(フォルタレサ・オサマ)
16世紀初頭に建設されたアメリカ最古の石造要塞。オサマ川のほとりにあり、海賊や外敵から都市を守るための重要な防衛拠点でした。今も塔の上から旧市街を一望できるビュースポットとして人気です。
おわりに:英語で世界遺産を旅しよう
サントドミンゴ植民都市は、アメリカ大陸最初のヨーロッパ式都市として、今も歴史的な建物や街並みが色濃く残る貴重な世界遺産です。スペイン植民地時代の雰囲気を感じながら散策することで、教科書では味わえない生きた歴史を体験できます。英語で現地の魅力を表現すれば、学びもより深まります。世界遺産を旅しながら英語を楽しむ――そんな旅を始めてみませんか?
