おそらく皆さんに、「英語で”悲しい”と言ってみてください」と言うと、ほとんどの方がSadと答えるでしょう。これは感情を表す表現を習う時、中学校で習いましたからね。あるいは小学校だったり。簡単な英語であり、かつ自分の気持ちを伝えられる言葉なので誰もが知っているはず。しかし、実は「悲しい」という形容詞って英語でSad意外で知っている人は少ないのです。悲しみの度合いによって使える単語は違うので、今ここでそれらを学んでみましょうか。

辞書で「悲しい」と引いていると・・・?

ネット辞書、weblioで「悲しい」と引いていると、以下のような形容詞が出てきました。

かなしい 悲しい
sad; unhappy; 【形式ばった表現】 sorrowful
〈嘆き悲しむ〉 mournful
〈哀れな〉 touching; pathetic; plaintive (声・音調などが)
〈嘆かわしい〉 【形式ばった表現】 lamentable

  • 悲しい顔付きをする
    look sad [unhappy, 【形式ばった表現】 sorrowful] have a sad look on one’s face
  • 悲しい思いがする, 悲しくなる
    feel sad [【形式ばった表現】 sorrowful]
  • 悲しいかな
    【形式ばった表現】 alas!
  • 嬉しいときも悲しいときも
    in joy and in sorrow
  • 悲しい事に
    【形式ばった表現】 Sad to say, …
    【形式ばった表現】 To one’s sorrow
    Unfortunately, …
    It is a pity that…
  • 悲しそう
    ⇒かなしげ(かなしげに)
  • 悲しいかなわが友今やなし.
    【形式ばった表現】 Alas! My friend is no more!”

ちょっと単語数が思いのほか多かったので、最初の方に載っているもので、かつ使う頻度が高い形容詞についてひとつずつ解説していきたいと思います。使い方がわかればその都度適切な単語を選べますし、相手から言われた時にどの程度の悲しみを感じているのかわかってあげられます。

汎用性の高いsad

汎用性の高いsad

どうして最初に「悲しい」という英語表現にSadが選ばれるのか。それは汎用性がとても高く、大抵の「悲しい」場面でそう言えるからです。

これからご紹介する単語には、悲しくなった要因や、悲しみの度合いがある程度決まっていたりします。しかし、Sadはそれらすべてをひっくるめて言える表現であり、悲しいこと以外の要素を考えません。良く言えばどんな時でも感情を伝えられますが、悪く言えば些細な悲しみも、胸がはちきれるような悲しみも一緒にされてしまう形容詞です。

Sadは形容詞ですが、その名詞形はsadnessです。あまり知られていませんが、実は動詞もあるんですよ!動詞形はsaddenで、自動詞なら「悲しくなる」他動詞なら「悲しませる」となります。

Sad意外の単語を覚えて悲しみの度合いを相手に伝える方法もありますが、汎用性が高いSadなら、他の単語を組み合わせることそれを伝えることもできます。

例えば、少し寂しいのであればslightly sadと言えますし、逆にとても悲しいのであれば強調語を使ってso sad
と言えます。他にも「深い」という意味をくっつけてdeeply sadと酷く悲しいことを伝えられますし、同じようにさらなる強調語を使ってものすごく悲しい、extremely sadと表現できます。

このように、他の「悲しい」という単語を知らなくても、強調語や「少し」を意味する言葉を知っていれば感情は簡単な単語だけで表せることは知っておきましょう。

unhappyも「悲しい」と訳せる

Unhappyと言うと「不幸」という意味が先に思い浮かぶものですが、意訳して「悲しい」と訳すこともできます。これも文脈やシチュエーションによって訳し方を変える英単語ですね。

単純な英単語ですが、「幸せではない」ということは何かネガティブな感情が発生していることは確かなので、相手の感情を読み取ることができます。

griefやgrievousで悲しみを表す

griefやgrievousで悲しみを表す

名詞でGriefは「悲しみ」、形容詞でGrievousは「悲しい」と訳します。

とても大きな悲しみだったと言いたければa huge grief to meと言えますし、他人の悲しみを言いたいならher grief about~と、所有格を使って名詞のGriefを誰の悲しみなのか明確にすることができます。Aboutの後は悲しみの原因を追加すると文章が出来上がります。

落ち込んだ時に使うgloomy

gloomyは、もともと陰鬱で薄暗い様子を表す形容詞なのですが、これを感情に持って行くと「悲しい」や、「ふさぎこんだ」という意味になります。部屋の雰囲気に使われるなら「どんよりした」となるでしょう。

「悲しい」という訳がぴったりかと言われると、上記のような意味合いから少し意味がズレるかもしれませんが、「もの悲しい」だとか、悲しくてふさぎ込んでしまった時、悲しみによって気分が落ち込んでしまった時にはニュアンスが合います。

失望ならdisappointed

失望ならdisappointed

disappointedは学生時代に覚えた記憶がありませんか?ちょっと長い単語ですが、これは「落胆」や「失望」という意味を持つ単語です。ですからこの単語単体では「悲しい」と直訳できませんが、失望によって悲しくなったのならこちらの単語の方が気持ちを伝えやすいと言えるでしょう。

失望というと大げさかもしれませんが、例えば失恋して悲しみにくれた時、デートに彼が来れなくなって落胆した時にも使えます。

なんとなく悲しいmelancholy

メランコリーというカタカナを知っていますか?これは、特に理由がないにもかかわらず物悲しいという意味です。もともとは英語なので、同じ意味として使えます。「悲しい」というよりは、「陰鬱な気分」であることに重点が置かれています。

このような意味合いに合う日本語がなかなかないことから、メランコリーとそのままカタカナで言ってしまった方が伝わりやすいと考える人もいます。しかし、そこまで浸透している単語ではないので日本語でMelancholyをそのまま訳しても、伝わる人がどれくらいいるかという問題があります。

深い悲しみはsorrowful

深い悲しみはsorrowful

sorrowfulは形容詞ですが、名詞のsorrowに接頭辞の「-ful」を付けた表現です。こちらは不幸に嘆き悲しむような意味なので、悲しみの中でもかなり深いものを指します。

sorrowfulで、不幸・悲運を嘆いて、悲嘆に暮れる、そんな深刻な悲しみを表現する語です。「悲痛」の語に通じるニュアンスがあります。

胸の中が悲しみであふれたのなら、filled with sorrowと表現できます。「悲しみでいっぱいだ」という直訳ですね。

まとめ

「悲しい」という自分の感情を伝える時、それが相手にきちんと伝わっていなければショックですよね。さらに悲しみは増してしまいます。また、相手から言われた時にその単語がわからないと、慰めの言葉がシチュエーションに合っているか不安な時もあります。感情は多くの場合言葉よりも表情や言い方、相手の態度などから察することはできますが、あえて笑顔で言われることがあるとやはり言葉に頼らないとわかりませんよね。ここに出てきた単語を覚えて使いこなせるようにしておきましょう!