チェコの首都プラハから電車で約1時間。小さな町クトナー・ホラには、ヨーロッパ中世の繁栄と信仰を物語る世界遺産があります。それが「クトナー・ホラ:聖バルボラ教会とセドレツの聖母マリア大聖堂のある歴史都市」です。

この記事では、町の歴史や建築の魅力を紹介するとともに、旅行や会話で役立つ英語フレーズも一緒に学んでいきましょう。

クトナー・ホラとは?

クトナー・ホラとは?

中世ヨーロッパで「銀の都」と呼ばれたクトナー・ホラ。プラハに次ぐ繁栄を誇った町は、今も壮麗な教会や歴史的建物を通してその輝きを伝えています。

クトナー・ホラはどんな町?

人口約2万人の小さな町クトナー・ホラ(Kutná Hora)。場所は中央ボヘミア州、プラハから約65km東にあります。中世には銀鉱の発見によって一気に栄え、ボヘミア王国でプラハに次ぐ都市にまで成長しました。

13世紀末から16世紀にかけて、ヨーロッパで流通する銀貨の多くはこの町から生まれました。造幣局「イタリア宮(ヴラシュスキー宮)」では、プラハ・グロシュと呼ばれる銀貨が鋳造され、経済の中心地となったのです。

しかし、16世紀に銀が枯渇すると町の勢いは急速に衰退。三十年戦争や度重なる戦火を経て、1726年に造幣局も閉鎖されました。現在は、当時の繁栄を物語る建築群が世界遺産として静かに残っています。

Aさん
This town flourished because of silver mining.
訳)この町は銀鉱のおかげで栄えました。

Wikipedeia-クトナー・ホラの聖バルボラ教会のある歴史地区とセドレツの聖母マリア大聖堂

街歩きで出会える風景

クトナー・ホラの町を歩くと、中世の趣を今に伝える風景が広がります。石畳の小道を抜けると、歴史ある教会や市庁舎、当時の面影を残す家並みが目に入ります。中央広場には噴水や記念碑があり、のんびりと散策するだけでも時代を越えた旅をしている気分になれるでしょう。観光名所だけでなく、ふとした角に現れる街角の景色も魅力的で、歩くたびに新しい発見があります。

世界遺産としての価値

クトナー・ホラ:聖バルボラ教会とセドレツの聖母マリア大聖堂のある歴史都市は、1995年ユネスコの世界遺産に登録されました。

登録名は、「Kutná Hora: Historical Town Centre with the Church of St Barbara and the Cathedral of Our Lady at Sedlec」です。

登録理由は?

ユネスコは次のような価値を評価しました。

  • クトナー・ホラには質の高い数多くの建造物が存在し、特に聖バルボラ教会は中央ヨーロッパの建築の発展に影響を与えたこと
  • 聖バルボラ教会やセドレツの聖母マリア大聖堂に代表される宗教建築は、銀鉱山による富と繁栄を示す中世都市の卓越した例であること

UNESCO World Heritage Convention:Kutná Hora: Historical Town Centre with the Church of St Barbara and the Cathedral of Our Lady at Sedlec

覚えておきたい英会話フレーズ

ここでは、旅先での感動をシェアするような会話例を英語と日本語で紹介します。

Aさん
Wow, St. Barbara’s Church is so majestic!
訳)わあ、聖バルボラ教会って本当に壮大ね!
Bさん
Yes, it was dedicated to the patron saint of miners.
訳)そうだね。鉱山労働者の守護聖人に捧げられているんだよ。
Aさん
For people in the Middle Ages, this town must have been a dream.
訳)中世の人々にとって、この町は夢のような場所だったのね。
Bさん
Silver spread all over Europe, so it was like a “silver rush”.
訳)銀がヨーロッパ中に広まったから、まさに“シルバーラッシュ”だね。
Aさん
The Sedlec Ossuary feels a bit eerie.
訳)セドレツ納骨堂はちょっと不思議な雰囲気ね。
Bさん
Yes, but you can feel the deep history and faith of people.
訳)うん、でも人間の歴史や信仰を強く感じられるよ。

おすすめスポット

おすすめスポット

世界遺産に登録されているクトナー・ホラの構成資産は数多くあります。その中でも特に見逃せない、おすすめのスポットをいくつかご紹介します。

聖バルボラ教会

1388年に着工したゴシック建築の傑作。鉱山労働者の守護聖人「聖バルボラ」に捧げられ、完成までに500年以上を要しました。高い天井のリブ・ヴォールト、ステンドグラスの輝きは圧巻です。

イタリア宮(ヴラシュスキー宮)

王立造幣局として建設され、プラハ・グロシュの鋳造が行われました。館内には当時の造幣技術や鉱山の歴史を学べる展示があります。

聖ヤクプ教会

1330年代に建てられた三廊式バシリカ。高さ80mの鐘楼は町のシンボルです。内部はバロック様式の装飾が施され、ゴシックとバロックが融合した独特の雰囲気を持っています。

ナームニェーチの聖母マリア教会

フランス・ゴシック様式を模して14世紀に建設された大規模教会。1421年にフス派によって焼かれ廃墟となりましたが、その後復興し、バロック・ゴシック様式の先駆けとされます。

聖ヤン・ネポムツキー教会

18世紀に建設されたバロック様式の教会。町歩きの途中で立ち寄ると、シンプルながら優雅な雰囲気を味わえます。

聖母マリア大聖堂(セドレツ)

セドレツ地区にある大聖堂。18世紀に建築家サンティニによってバロック・ゴシック様式へ改築されました。近くの「全聖人教会(セドレツ納骨堂)」も有名で、人骨で装飾された内部は世界的に知られています。全聖人教会は、世界遺産の資産ではありません。

その他

石の家、石の噴水、ペスト記念柱(モロヴィー・スロウプ)、イエズス会大学、貴族の邸宅など、中世から近世の遺構が町全体に残されています。

グルメとお土産

観光の合間には、チェコならではのグルメを楽しみたいところです。クトナー・ホラでは、地元のレストランで名物の煮込み料理や伝統的なパン料理を味わうことができます。チェコビールも世界的に有名で、町の雰囲気とともに味わうと格別です。また、お土産には銀細工や工芸品が人気で、この町の歴史を象徴するアイテムとして旅の記念になります。スイーツやお菓子も手軽に購入でき、家族や友人へのプレゼントにも喜ばれます。

おわりに:英語で世界遺産を旅しよう

クトナー・ホラは、銀によって栄え、宗教と経済が交錯した歴史都市です。世界遺産の街並みを歩けば、時を超えた旅をしているような感覚を味わえるでしょう。
そして、その感動を英語で表現することは、旅をさらに豊かにしてくれます。

This town has a fascinating history.(この町には魅力的な歴史があるね。)
The church is breathtaking.(この教会は息をのむほど美しい。)

世界遺産を巡りながら、英語も一緒に楽しむ──そんな学び方を、ぜひ体験してみてください。