世界中のお菓子を巡る旅、今回はフィリピンの伝統的なお菓子「スーマン(Suman)」をご紹介しましょう!
もち米を使った素朴で美味しいスーマンは、フィリピンの人々に長年愛されてきたソウルフードの一つです。
スーマンってどんなお菓子?

スーマンは、もち米(glutinous rice)をココナッツミルク(coconut milk)で炊き上げ、バナナの葉(banana leaves)またはヤシの葉(palm leaves)で包んで蒸したお菓子です。
地域や家庭によって様々なバリエーションがあり、形も細長いものや三角形のものなど色々です。
シンプルな材料ながら、ココナッツミルクの甘い香りと、もち米のもっちりとした食感が絶妙なハーモニーを生み出します。
砂糖を加えたり、ココナッツの削り身や黒砂糖のソースを添えて食べるのが一般的です。
- glutinous rice: もち米のこと。海外のレシピサイトなどでもよく見かける単語です。”Sticky rice” とも呼ばれます。
- coconut milk: ココナッツミルク。フィリピン料理だけでなく、多くのアジア料理に使われます。
- banana leaves: バナナの葉。食材を包んで蒸したり焼いたりするのに使われ、独特の風味を加えます。
スーマンの味わいと楽しみ方
スーマンの魅力は、何と言ってもそのもちもちとした食感(chewy texture)と、ココナッツミルクの優しい甘さです。
バナナの葉の香りも食欲をそそります。
フィリピンでは、朝食やおやつとして、またお祭りや特別な行事の際にもよく食べられます。
温かいスーマンに、ブラウンシュガー(brown sugar)やココナッツジャム(coconut jam / matamis na bao)を添えて食べるのが人気です。
コーヒーやホットチョコレートとの相性も抜群です。
味や食感を表現する英語を覚えておくと便利です。
- chewy: もちもちした、歯ごたえのある
- sweet: 甘い
- fragrant: 香り高い
- delicious: おいしい
- “Suman has a chewy texture and a subtle sweetness from the coconut milk.” (スーマンはもちもちした食感で、ココナッツミルク由来のほのかな甘みがあります。)
- “It’s often served with brown sugar or coconut jam for extra sweetness.” (さらに甘みを加えるために、黒砂糖やココナッツジャムと一緒に提供されることが多いです。)
どこで買える?スーマンの有名店と市場

スーマンは家庭で作られることが多い一方、都市部や観光地では専門店や市場でも手に入ります。
- Teresita’s of San Fernando(マニラ近郊):スーマンを含む伝統菓子が有名なカフェ。観光客にも人気です。
- Antipolo Market(リサール州):スーマンの名産地として有名。早朝から屋台が並び、さまざまな種類が手に入ります。
- Suman Festival(バタンガス州):毎年12月に開催されるスーマンのお祭り。色とりどりのスーマンが町を彩ります。
フィリピンでスーマンを注文してみよう!
フィリピンを訪れた際には、ぜひ本場のスーマンを味わってみてください。
市場(market)や屋台(street food stall)、専門の軽食店(merienda spot)などで見つけることができます。
簡単な注文フレーズ:
スーマンを一つください。
おすすめのスーマンはどれですか?
これは甘いですか?
いくらですか?
英語学習ポイント
フィリピンでは英語が公用語の一つなので、比較的英語が通じやすいです。
積極的に英語でコミュニケーションを取ってみましょう。簡単な単語やジェスチャーでも十分に伝わりますよ!
スーマンを作ってみよう!簡単レシピ紹介

日本でも手に入る材料で作れる、スーマン・サ・イブス風のレシピをご紹介します。
材料(4人分)
- もち米 1カップ
1 cup glutinous rice
- ココナッツミルク 1カップ
1 cup coconut milk
- グラニュー糖 大さじ2(好みで調整)
2 tablespoons granulated sugar (adjust to taste)
- 塩 ひとつまみ
Pinch of salt
- バナナの葉(またはクッキングシート)数枚
Several banana leaves (or cookie sheets)
作り方
- もち米は30分〜1時間、水に浸しておきます。
Soak glutinous rice in water for 30 minutes to 1 hour. - 鍋にココナッツミルク、砂糖、塩を入れて加熱し、もち米を加えて弱火で炊きます。
Heat coconut milk, sugar, and salt in a pot, add glutinous rice, and cook over low heat. - 水分が飛んで半練り状になったら火を止め、粗熱をとります。
When the moisture has evaporated and the mixture becomes semi-kneaded, turn off the heat and remove from the heat. - バナナの葉(またはシート)に包んで両端を折り、蒸し器で20分ほど蒸します。
Wrap in banana leaves (or sheets), fold in both ends, and steam in a steamer for 20 minutes. - 冷めたらマンゴーや黒蜜と一緒にいただきましょう。
When cooled, serve with mango or molasses.
スーマンが登場する物語・映像作品
映画『Tanging Yaman(かけがえのない宝)』(2000年)
概要:
ラウレンティス・J・ホセ監督によるこの家族ドラマは、母の介護をめぐって集まった家族の葛藤と和解を描いています。作中では、スーマンを家族が一緒に作るシーンがあり、それが「伝統の継承」と「家族の絆」を象徴しています。
スーマンの意味:
スーマンは「過去から続く家族の味」であり、登場人物たちにとって、ばらばらになった家族の心を再びつなぐきっかけになります。
短編ストーリー『The Sweetest Suman』 by Marivi Soliven
概要:
この短編小説(英語)では、アメリカに移住したフィリピン人女性が、母のレシピを思い出しながらスーマンを作るという内容。母と過ごした時間、祖国への想いが描かれています。
スーマンの意味:
このストーリーでは、スーマンがアイデンティティの象徴として登場します。移民としての孤独の中でも、スーマンを通じて故郷とつながり続ける主人公の姿が印象的です。
テレビドラマ『Maalaala Mo Kaya(MMK)』のエピソード
概要:
フィリピンで最も長く続いている感動ドキュメンタリードラマ『Maalaala Mo Kaya(私を覚えていますか?)』では、スーマン作りを通して生計を立てる母親と娘の物語が描かれたエピソードがあります(放送年によって再放送あり)。
スーマンの意味:
この作品では、スーマンは生きるための手段であり、同時に家族の努力や貧困との戦いの象徴として登場します。
まとめ
フィリピンの伝統的なお菓子「スーマン」は、素朴ながらも奥深い味わいが魅力です。
ココナッツミルクともち米の優しいハーモニーは、一度食べたら忘れられない美味しさ。
英語教育が徹底しているフィリピン、
スーマンを通してフィリピンの食文化に触れることは、英語学習のモチベーションアップにも繋がるはずです。
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