bookという単語には、さまざまな意味があります。もっとも知られているのは名詞の「本」という意味でしょう。
しかしその他に、動詞で「予約する」「出演を契約する」などの意味もあります。
bookingは、「予約する」bookから派生した、英語圏でよく使われる表現です。この記事では、bookingの意味や使い方を説明します。
ブッキングは「予約」

bookingは、「予約」という名詞として使われます。動詞bookに-ingがついたかたちの現在分詞です。
日常生活でよく目にするのは、座席などの予約の場面でしょうか。
旅行のときには、あらかじめ飛行機や鉄道の座席を頼んでおくことがありますね。あるいは映画や演劇の座席を予約することもあるでしょう。
訳)明日わたしの夫が予約します。
このように、単数の場合は冠詞がついたa booking、複数の場合ならbookingsとなることに注意してください。
ブッキング・ビジネスという仕事
booking businessは、予約を扱う業種です。booking agent(予約エージェント)といういい方もあり、たとえば旅行関連なら、このような予約を引き受けます。
・book an accommodation (宿泊を予約する)
・book a flight(飛行機を予約する)
今や世界で最大の旅行予約サイトBooking.com(ブッキング・ドットコム)はオランダ発祥のスタートアップ企業で、まさにbookingによって発展を遂げました。
「ブッキングした」は英語でなんと言う?
「それはもうブッキングしました(予約済みです)」という場合には、どのような言い方があるでしょうか。
ホテルに宿泊を申し込んだ場合、休暇シーズンなどには空きがなくて断られることがあります。
訳)その日シングルの部屋はすべて満室です。
オンライン英会話は、都合がよい日に好きな場所でレッスンが受けられるのが魅力です。
講師に、次のレッスンを予約したことを伝えるには、こういういい方ができます。
訳)ブラウン先生、今度の金曜日にレッスンを予約しましたよ。
日本語では「ブッキングした」という言い方をしますが、先述の通り、booking自体が動詞bookの現在分詞ですから、動詞bookをつかって表現していることに注意してください。
「ダブルブッキング」の使い方
ダブルブッキング(double booking)は、double(二重の)+booking(予約)で、同じ時間帯に別の予定を入れてしまうことです。
訳)申し訳ない。その日はダブルブッキングしてしまったようです。
もうひとつ、別の意味合いで使われることもあります。宿泊予約サイトなどでは、同じひとが同日に別の予約を入れるダブルブッキング(double booking)をはじく機能があります。
同一人物が同日に複数のホテルに泊まることは普通ないので、予約を入れていたのを忘れていた、ウェブサイトの、あるいはインターネット回線のエラーで二重に決済されてしまった、などによるエラーではないかと探知する仕組みです。
「オーバーブッキング」とは?

旅行に出かけたとき、できれば経験したくないことのひとつに飛行機のオーバーブッキングがあります。
オーバーブッキング(overbooking)は、over(~を越えて)+booking(予約)で、航空会社が必要以上に予約を受けてしまうことを指します。
オーバーブッキングが起きる仕組み
航空会社は、予約をしたのに実際に搭乗しないひとを見込んで、座席数よりも多くの予約を受けつけることがあります。特に予約が多い休暇シーズンなどは、仮に予定変更やキャンセルが出ても空席を少なくでき、経済効率がいいからです。
ところが、その見込みよりも当日キャンセルが少ない、ということも起きます。その場合は、予約して空港に行ったのに、チェックイン・カウンターで「席がいっぱいで乗れません」と断られる、という困ったことが起きるのです。
こういうとき航空会社は、他の便に振り替えても構わない予約客を探し、しばしば謝礼としてクーポンを渡すなどして便の変更を頼みます。しかし、飛行機移動の後に変更しがたい予定があるひとも多く、オーバーブッキングがなかなか解決できないことも起きます。
訳)オーバーブッキングのために、飛行機のわたしの席は替えられた。
bookingと reservation の違い
さて、booking「予約」には、reservationという似た意味をもつことばがあります。置き換えて使える同じ意味なのでしょうか、それとも使い分けが必要なのでしょうか。
単語の意味は
イギリスの「ケンブリッジ英語辞典」ではこのように定義しています。
【booking】an arrangement you make to have a hotel room, tickets, etc. at a particular time in the future, or the process of making this arrangement:
訳)ブッキング:これから先の特定の時期に、ホテルの部屋やチケットなどを入手するための手配、またはその手配の過程
それでは、reservation はどうでしょうか。
【reservation】an arrangement in which something such as a seat on an aircraft or a table at a restaurant is kept for you:
訳)航空機の座席やレストランのテーブルなど、あなたのために何かを取っておいてもらうこと
実際の使い方は
このように、bookingと reservationは辞書の定義の上ではあまり違いがないようにみえます。
この点は英語を使う国のひとでも疑問を感じるようで、掲示板などで「どういう場合にどちらを使うか」という質問や議論を見かけたことがあります。
たとえば、下記のサイトではbookingと reservationの違いをこのように説明していて参考になります。
Booking primarily refers to securing a service or space, while Reservation often implies holding a space or item without immediate payment. Both denote a commitment to a future service.
Booking vs. Reservation: What’s the Difference?
訳)bookingは主にサービスや場所を確保することを意味する。これに対し、Reservationは多くの場合、即時の支払いなしに場所やものを取っておくことを示唆する。どちらも将来のサービスに対するコミットメントを意味する。
ことばには、辞書の定義とはまた違う「ニュアンス」があります。
英語にもやはりニュアンスはあり、ふさわしい場所で、ふさわしい相手に、ふさわしい場面でことばを使えるようになるには、ことばの引き出しを増やしておくとともに、実際の運用例に数多く触れておくとよいでしょう。
まとめ
外国語が上達するイメージは、多くの場合「ぺらぺらに話せるようになる」ことだと思います。しかし、外国人が母語のように外国語を習得するのはなかなか簡単ではありません。
それでも、知識を増やす、実際に使ってみるの両面で、少しずつ英語に慣れることには意味があります。オンライン英会話や英語サークルなど、インプットとアウトプットの両方ができる場を上手に使って、楽しく着実に力をつけましょう。
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