「キャスティングボートを握る」という言葉、ニュースや選挙の報道でよく耳にしますよね。
日本語での意味は「最後の決定権を持つこと」「勝敗を左右する立場になること」です。
ですが、カタカナの音を頼りに”casting boat“と書いてしまうと、英語では「船を投げる」という意味になってしまい、正しく伝わりません(”boat”ではなく”vote”なのです)。
実際の英語表現では”casting vote“や”decisive vote”などが使われます。
本記事では、「キャスティングボート」を英語でどう表現するのか、日本語と英語で少し違うその意味や使い方を例文つきでわかりやすく解説します。
日本語の「キャスティングボート」の意味は?

「キャスティングボート」は、英語の”casting vote”に由来する外来語です。
最初に日本語の意味を確認しましょう。
基本的な意味
「キャスティングボート」は、議会や会議などの投票において、同数の票で意見が拮抗(きっこう)した際に決定的な一票を投じる権利、またはその一票自体を指します。
日本語では特に、選挙や政治の文脈で、特定の政党や議員が議会の多数派を決定する重要な役割を持つ状況を表現するために使われることが多いです。
例えば、国会で与野党の議席数が拮抗している場合、少数政党や無所属議員の一票が法案の可決・否決を左右する状況が「キャスティングボート」と呼ばれます。
※この言葉は、演劇や映画の「キャスティングボード」(配役掲示板、casting board)とは異なる意味を持ち、スペルや文脈も異なります。
日本語の例文
「キャスティングボート」を使った例文を紹介します。
まずは政治の文脈で使えます。
今回の選挙で第三政党が議席を獲得し、議会のキャスティングボートを握ることになりました。
→第三政党が与野党のどちらに協力するかで議会の多数派が決まる状況を指します。
また、会議の文脈で使うことも。
委員会の意見が二つに分かれたとき、議長のキャスティングボートが決定を下しました。
→議長が同数票の状況で最終的な決断を下す権利を行使した例です。
英語の “casting vote”の意味は?
英語での”casting vote”は「議長などが同数のときに持つ決定票」という限定的な意味で使われることが多いです。
英語の例文
The chairman has the casting vote in case of a tie.
(同点の場合、議長がキャスティングボート=決定票を持っています。)
The final decision was made by the casting vote of the president.
(最終的な決定は社長のキャスティングボート=決定票によって下されました。)
Without the casting vote, the result would have been uncertain.
(キャスティングボートがなければ、結果は不確かだったでしょう。)
「決定権」を英語で何て言う?
日本語の「キャスティングボートを握る」は「決定権を持つ」と言い換えることもできます。
英語では以下のような表現があります。
英語表現
- the final say(最終決定権)
- decision-making power(意思決定の力)
- authority to decide(決める権限)
英語の例文
She has the final say in the project.
(そのプロジェクトで最終決定権を持っているのは彼女です。)
Parents usually have decision-making power in family issues.
(家族の問題では、通常親が決定権を持っています。)
The manager has the authority to decide budget matters.
(予算についてはマネージャーが決定権を持っています。)
「勝敗を決める票」を英語で何て言う?

選挙や投票の文脈では、「キャスティングボート」は「勝敗を決める票」という意味で使われます。
英語では次のように表せます。
英語表現
- decisive vote(決定的な票)
- swing vote(勝敗を左右する票)
- pivotal vote(極めて重要な票)
英語の例文
His ballot became the decisive vote in the election.
(彼の投票が選挙で勝敗を決める票になりました。)
Independent voters often hold the swing vote.
(無党派層の有権者がしばしばキャスティングボート=勝敗を決める票を握ります。)
The senator’s choice was the pivotal vote that changed everything.
(その上院議員の選択が、すべてを変える決定的な票となりました。)
「決定打」を英語で何て言う?
「キャスティングボートを握る」は比喩的に「決定打を与える」とも言えます。
英語では次のような表現が使えます。
英語表現
- the deciding factor(決定的要因)
- the game-changer(流れを変えるもの)
- the clincher(決め手、決定打)
英語の例文
Her speech was the deciding factor in the debate.
(彼女のスピーチが討論の決定打になりました。)
The new evidence was a real game-changer.
(新しい証拠が本当に決定打となりました。)
His performance became the clincher for his promotion.
(彼の成果が昇進の決定打となりました。)
「最終判断」を英語で何て言う?
「キャスティングボート」は「最終判断」に近い意味でも使われます。
英語では次のように表現できます。
英語表現
- final decision(最終決定)
- ultimate judgment(究極の判断)
- conclusive decision(決定的な判断)
英語の例文
The CEO will make the final decision tomorrow.
(CEOが明日、最終判断を下す予定です。)
The court gave its ultimate judgment on the case.
(裁判所がその件について最終判断を下しました。)
The committee reached a conclusive decision after long discussions.
(委員会は長い議論の末に最終的な決定を下しました。)
まとめ
日本語の「キャスティングボート」は英語の”casting vote”が由来ですが、英語では「同点のときの決定票」という意味に限られることが多いです。
そのため、文脈によって次の表現を使い分けると自然です。
| 日本語の意味 | 英語表現 | ニュアンス |
|---|---|---|
| キャスティングボート(本来の意味) | casting vote | 同点のときの決定票 |
| 決定権 | final say / authority to decideなど | 最終的な決定権 |
| 勝敗を決める票 | decisive vote / swing voteなど | 選挙や投票で結果を左右する票 |
| 決定打 | deciding factor / clincherなど | 勝敗を左右する要因 |
| 最終判断 | final decision / ultimate judgmentなど | 最後の判断・結論 |
今回学んだ内容を、ぜひビジネスや政治の話の場などで活用してみてくださいね。
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