日本人にはあまり馴染みのない「ロブスターロール」。近年では都心でロブスターロールを提供するレストランが増えています。日本では日常的に食べる料理ではありませんが、海鮮が好きな日本人の味覚には合いやすいはずです。また、旅行でハワイやアメリカの海岸沿いの都市に行けばご当地のロブスターロールを楽しむことができます。ここでは、そんなロブスターロールについて解説、どこで食べられていて、どのように作られているのかを紹介していきます。

「ロブスターロール」って?その発祥は

ロブスターロール(Lobster Roll)は、バターやマヨネーズで和えたロブスターの身をパン(ホットドッグバンのようなロール)に挟んだシーフードサンドイッチです。

アメリカの東海岸(特にメイン州やマサチューセッツ州など)発祥の料理で、最近ではカリフォルニアやオレゴン州などの西海岸沿いでもよく食べられています。

今でこそ高級品のイメージがあるロブスターですが、その昔ロブスターがよく獲れたメイン州で、ロブスターは「貧困の印」とされていました。
農民は肥料として畑にまいたり、漁師は釣りの餌として使ったり、刑務所での食事と言えばロブスターだったり、年期奉公人の契約書に「週に3回以上ロブスターを食べさせない事」という条項があったりしたほど、東海岸でロブスターは良い印象がない食材だったそうです。
ちなみに現在でもメイン州の刑務所ではロブスターが出されるそう。ちょっぴり羨ましい気もします。

しかし、その美味しさを遠くに住む人たちが見つけるのも時間の問題でした。
1800年半ばにはアメリカに列車が通り、物流が整ったこと、そして缶詰技術の発達でロブスターの缶詰が人気を博し、そこからロブスターは高級食品として重宝されるようになりました。

参考:朝時間.jp

今ではロブスターロールはアメリカ東海岸を代表するご当地グルメとなっており、ハワイや西海岸、さらには日本の一部の高級レストランやイベントでも見かけるようになりました。

日本でもロブスターロールは食べられる?

日本でも近年、アメリカのロブスターロールが注目を集めており、特に東京や大阪といった都市部ではロブスター専門店が登場しています。有名な例では「LUKE’S LOBSTER(ルークス・ロブスター)」というニューヨーク発のチェーン店があり、表参道や新宿、横浜などに出店しているので、そこでは本場さながらの味を楽しめます。ほかにも、高級ホテルのレストランや、輸入食材を扱うデリカテッセンなどでもロブスター料理が提供されていることがあります。

家でロブスターロールを作ろう

家でロブスターロールを作ろう

自宅でロブスターロールを作る場合、まずは冷凍のロブスター(テールだけでもOK)を用意し、蒸すか茹でて身を取り出します。

味付けはとても簡単。ロブスターの身をほぐし、マヨネーズ、少量のレモン汁、塩胡椒で軽く味付けし、バターで焼いたホットドッグバンズに詰めるだけで出来上がりです。

また、バターをたっぷり溶かしてロブスターの身を軽く温め、塩コショウで味付けをしてバンズに挟むだけでも美味しくいただけます。どちらのスタイルも、それぞれの魅力があり、好みに合わせて楽しむことができます。

ドラマ「フレンズ」でのロブスターにまつわる話

ここでは、英単語”lobster”(ロブスター)にまつわるお話をしていきます。20年前に大流行、今でも大人気のアメリカの国民的ドラマ「フレンズ」に、ロブスターにまつわる有名な話があります。

人気アメリカドラマ「フレンズ”Friends”]では、「ロブスターは一生つがいで過ごす」というロマンチックな迷信が登場し、恋人や運命の相手のことを “my lobster”と呼ぶシーンがあります(フィービーがロスとレイチェルのことを「彼女があなたのロブスターよ!」と言う場面)。

現実にはロブスターが一生つがいかどうかには議論がありますが、このセリフがきっかけで lobster は「永遠の恋人」「運命の人」を意味するロマンチックなスラングとして、英語圏で一部定着しました。

参考:Fandom

また、「不思議のアリス」の中でも「ロブスター」にまつわる描写があります。

ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』には、「ロブスターのカドリール(quadrille)」という不思議なダンスが登場します。これはユーモラスでナンセンスな世界観を彩るための設定ですが、「ロブスターが踊る」という奇妙なイメージが読者の記憶に残ります。

参考:Fandom

“lobster”を使った英会話例文

ここでは、旅行やレストランで使える”lobster”(ロブスター)を使った英会話例文を紹介します。旅行やレストランでロブスターを注文したい時や、ロブスターについての話題をする際の英会話で参考にしてみて下さい。

Aさん
Have you decided what to order?
訳)何を注文するか決まりましたか?
Bさん
Yeah, I’m thinking about the lobster roll. I heard it’s their specialty.
訳)はい。ロブスターロールをオーダーしようかと思っています。ロブスターロールはここの名物って聞いたので。
Aさん
Great choice! You can’t go wrong with lobster here.
訳)いいチョイスだね!ここのロブスターは間違いないよ!

※ You can’t go wrong with ~は、「~なら間違いないよ」という意味です。

Aさん
Now we’re in Maine — we have to try the lobster!
訳)今はメイン州にいるんだから、ロブスター食べなきゃね!

Bさん
Totally! Let’s find a place that serves it fresh from the ocean.
訳)もちろんそうだね!海から採れたてのフレッシュなロブスターを出すレストランを探そう。

以下、「ロブスター」を面白い表現として使う例も紹介します。

Aさん
I ate way too much at dinner… I feel like a stuffed lobster.
訳)夕ご飯食べすぎてしまったよ。パンパンのロブスターみたいな気分だよ。
Bさん
Haha, you even look a little red!
訳)はははは、少し顔も赤いよ!

また、ドラマ「フレンズ」風のロマンティックな会話表現もあります。相手が「フレンズ」ファンならきっと喜ぶでしょう。

Aさん
You know, I think you’re my lobster.
訳)なんかさ、あなたって私のロブスターだと思う。
Bさん
Aww… you watched Friends again, didn’t you?
訳)あらあ、きみはまたフレンズを見たんだね?
Aさん
Maybe. But I mean it.
訳)そうかもねぇ。でも本気で言っているんだよ。

「You’re my lobster」は、ドラマ「フレンズ」で使われた言葉で、「ロブスターは一生パートナーと寄り添う」という言い伝えから、「ずっと一緒にいたい大切な人」という意味の表現です。

“lobster”ロブスターは食べるのも言うのも口当たりが良い

「ロブスター」はアメリカをはじめ海岸沿いに旅行に行ったらぜひ試していただきたい食材です。なかでも「ロブスターロール」はそのバターとバンズの相性が最高の一品。なかなか日本では味わうことができないので、食事リストに挙げておきましょう。また、”lobster”という表現はドラマ「フレンズ」では素敵な意味もあるので、こなれたロマンティック表現にチャンレンジしたい方はぜひ参考にしてみてください。