日常生活で「押す」という動作を伝える機会は非常に多いですよね。
しかし、日本語の「押す」は、ボタン、ドア、印鑑など、様々な状況で使われる幅広い言葉です。そのため、英語で表現する場合、それぞれの文脈に合った単語を使い分けなければ、誤解を招く可能性があります。
この記事では、「押す」に関する様々な英語表現を、単語の意味の違いから実際の使い方まで、詳しく解説します。
「ボタンを押してください」を英語で

電化製品や電子機器などの「ボタンを押す」という場合、”press”をよく使います。
“press”の基本的な使い方
“press”のニュアンスは、「指や物を使って何かを強く押し当てる」というイメージです。特にボタンやキーボードのキーを押す場面で使われます。
(機械を起動するために、このボタンを押してください。)
You need to press the enter key to proceed.(進むためには、エンターキーを押す必要があります。)
“push”との違い
“push”も「押す」を意味しますが、”press”よりも「物を動かすために押す」という意味合いが強いです。
「ドアを押してください」を英語で
ドアや重いものを「押して動かす」動作には、”push”です。
“push”の基本的な使い方
“push”は、主に「力を加えて物を前方に動かす」という動作を指します。ドアやカート、人混みを押す際などに使われます。
(ドアを押して開けてください。)
He pushed the cart through the crowd.
(彼は人混みの中をカートを押して進んだ。)
Oxford Learner’s Dictionariesによると、”push”は「to use your hands, arms or body in order to make somebody/something move forward or away from you; to move part of your body into a particular position」と説明されていて、「手や腕、体を使って誰かや何かを前方に、あるいは自分から遠ざけるように動かす、または体の一部を特定の場所に移動させる」意味を表します。
【ワンポイントアドバイス】
「push」と「pull」は、日本語の「押す」と「引く」にマッチする単語です。”push”は押して開けるドアに、”pull”は引いて開けるドアに表示されています。
“shove”との違い
“shove”は同じ「押す」でも、”push”より強い力や乱暴さを伴います。一般的に、あまり丁寧な表現ではありません。
(彼は群衆の中で脇へ押しのけられた。)
「スイッチを押してください」を英語で
電化製品の「スイッチを押す」場合は、状況によって下記のように動詞の使い分けができます。
“press”と”push”の使い分け
スイッチがボタン式の形状をしている場合は”press”、レバー式の形状をしている場合は”push”を使うのが一般的です。
Push the lever up.(レバーを上に押してください。)
“flick”や”flip”
壁の電気のスイッチのように、小さな力で素早く動かす場合は、”flick”や“flip”も使われます。
(彼は電気のスイッチを押した。)
Cambridge Dictionaryによると、”flick”の意味は「to move or hit something with a short sudden movement」です。「短く、突然の動きで何かを動かしたり、叩く」というニュアンスで使われます。
「印鑑を押してください」を英語で

「印鑑を押す」という場合、日本文化ならではのものなので、英語で直訳できる単語はありません。
そのため、下記のように”stamp”や”seal”など関連する単語を使います。
「印鑑を押す」の英語表現
- to stamp a document
- to place a seal on a document
(この書類にあなたの印鑑を押してください。)
He placed his official seal on the contract.
(彼は契約書に公印を押した。)
“stamp”は「スタンプを押す」という一般的な行為を指し、”seal”は「印鑑」「印章」を意味します。
「押す」を英語で
「押す」という動詞は、ただ実際の力の動きだけでなく、人間関係において抽象的な意味でも使われます。
物理的な「押す」
- Press:ボタンやキーを押す。
- Push:ドアや物を押して動かす。
- Squeeze:物を強く握りつぶすように押す。
(ケチャップを出すためにボトルを押してください。)
抽象的な「押す」
- Push:人を急かす、無理をさせる、売り込む。
- Pressure:人にプレッシャーをかける。
(私を急かさないで。)
The manager is pressuring his team.
(そのマネージャーはチームにプレッシャーをかけている。)
「押しボタン」を英語で
英語で「押しボタン」の単語は、用途によって使い分けることができます。
各種「押しボタン」の英語表現
- Push button:一般的な「押しボタン」。
- Doorbell:ドアの呼び鈴。
- Elevator button:エレベーターのボタン。
- Panic button:緊急時に押す「パニックボタン」。
(私は呼び鈴を押したが誰も出なかった。)
【ワンポイントアドバイス】
日本で「押しボタン」というと、歩行者用信号の「push-button pedestrian signal(押しボタン式信号)」を思い浮かべる方も多いかもしれません。英語で表現する場合は、”pedestrian push button”または”Pedestrian crossing button”と呼びます。
まとめ
この記事では、「押す」に関する様々な英語表現を、単語の意味から具体的な使い方まで幅広く解説しました。
ボタンは”press”、ドアは”push”、印鑑は”stamp”といったように、表現した意味やニュアンスによって使い分ける工夫が大切です。

