小学校で英語が必修化されたことで、最近では小学生のうちから英検に挑戦する子どもが増えています。

そんな中で、
「英検って小学生でも受けられるの?」
「うちの子はどのくらいのレベルなんだろう?」
といった疑問をお持ちの保護者の方も多いのではないでしょうか。

英検は年齢に関係なく受験できる試験で、未就学児〜小学生でも、段階を踏みながら挑戦できるように設計されています。
特に、リスニングテストの英検Jr.からスタートすれば、英語の音やリズムに自然に慣れることができ、無理なく次の級へと進む準備ができます。

今回は、子どもの英検受験を考えている保護者の方に向けて、小学生が英検に挑戦する際のレベルの目安や習熟度、効果的な学習法について詳しく解説します。

英検とは?

英検

英検は、公益財団法人 日本英語検定協会が実施する、日本で最も広く知られている英語検定試験です。

5級から1級までの8段階に分かれており、初めて英語を学ぶ子どもから、実践的な英語力を磨きたい社会人まで、幅広い世代が受験しています。

小学生にとって英検を受ける最大のメリットは、英語学習のモチベーションが高まることです。
目標級を設定することで、「次はもう一つ上の級を目指そう!」という意欲が生まれ、小さな達成感を積み重ねながら、英語を継続的に学ぶ力が育ちます。

英検のレベルと目安

英検は、5級から1級までの8段階に分かれています。

1級 大学上級〜ネイティブレベル   
準1級 大学中級〜上級レベル      
2級 高校卒業〜大学入試レベル
準2級プラス 高校上級レベル
準2級 高校中級レベル
3級 中学卒業レベル
4級 中学中級レベル
5級 中学初級レベル

級ごとに求められる英語力や出題内容が異なり、それぞれ学校の学習や将来の進路選択に役立ちます。
小学生でも、3級以上に挑戦すれば、スピーキングや長文読解など、英語の総合的な力をしっかり伸ばすことができます。
また、さらに上の級に合格しておくと、大学入試や単位認定、就職、留学の際にも活用できるため、長い目で見ても大きなメリットがあります。

小学生に人気の英検Jr.とは?

英検4級に合格するためには出題形式を理解する!

英検Jr.(英検ジュニア)は、1994年に開発された小学生や未就学児向けの「育成型リスニングテスト」です。
英語に親しみながら外国の文化を理解することを目的としており、ゲーム感覚で楽しく学べるのが特徴です。

英検Jr.の目的

  • 英語に親しみ、興味や関心を持つ
  • 積極的に英語でコミュニケーションすることを楽しむ
  • 英語を使うことで世界の人々と交流できる喜びを知る
  • 世界の文化や生活への理解を深め、広い視野を持った国際人を目指す

英検Jr.の魅力

  • 小学校の外国語活動に対応
  • オールリスニングのテスト
  • 正答率表示で合否なしの「育成型」
  • BRONZE/SILVER/GOLDの3つのグレード
  • 興味を引くオールカラーのテスト
  • 客観性の高い成績データ

参考:英検Jr.の特徴とメリット

小学生がどのレベルまで到達できるかは、英語学習歴や家庭での取り組みによって大きく異なってきます。

英検Jr.の魅力のひとつに、「オールリスニングのテスト」というのがあります。

実際、特に公立の小学校では、小学生の英語教育で英語を書くことにはあまり注力しておらず、リスニング中心です。小学生の頃から英語リスニング力を鍛えておくと、中高生になってもきっと役立ちそうです。

英検Jr.の習熟度の目安は以下の通りです。

BRONZE
  • 英検Jr.を初めて受験する
  • 塾などでの学習 半年~1年程度
  • 学校の外国語活動 1年半~2年程度
  • 文字の学習経験なし
SILVER
  • BRONZEで正答率80%以上
  • 塾などでの学習 1年~2年程度
  • 学校の外国語活動 2年~3年半程度
  • 文字の学習経験 1年〜2年程度
GOLD
  • SILVERで正答率80%以上
  • 塾などでの学習 2年~3年程度
  • 学校の外国語活動 3年半~5年程度
  • 文字の学習 2年~3年程度

英検Jr.は合否判定のない、子ども向けのリスニングテストです。
合否判定がないというところがポイントで、子どもに劣等感を感じされないという配慮から、合否判定をなくしているのだと考えられます。
成績は正答率で表示され、テスト結果は個人成績表や成績証明書で確認できます。
正答率が次のグレードに進む目安となり、子どもたちの英語学習のやる気を引き出すきっかけになります。

英検Jr.から上位級を目指すには?

英検のメリット

英検ジュニアで基礎的なリスニング力や語彙力が身についたら、次の目標は英検5級や4級です。
この段階では「聞く」「読む」を中心に、簡単な会話表現や文法も理解できるようになります。

さらに、「読む」「書く」「話す」といった英語の総合力を伸ばしたい場合は準2級や2級に、より高度な内容に挑むなら、準1級と1級が目安です。

英検2級は、高校卒業程度〜大学入試レベルの英語力が求められる上級者向けです。
共通テストに近い語彙や読解問題も出題され、長文読解・ライティング・スピーキングの力がバランスよく身についていることが求められます。

小学生で2級合格を目指すなら、毎日英語に触れる環境や英会話スクールやオンライン英会話などで高い習熟度を身につけておく必要があります。

英検準1級は、大学中級〜社会人初級レベルのさらに高度な英語力が必要です。
ニュース記事やエッセイなどを理解し、自分の意見を表現する力が求められます。
準1級に合格すれば、実践的な英語コミュニケーション力を持つと評価され、後の大学入試や留学、就職活動などでも高い評価を得られるでしょう。

小学生に効果的な英検の学習法

【英検5級】リスニングの3つのコツと学習に役立つおすすめ動画を紹介

小学生の効果的な英検学習法は、楽しさや面白さを重視しながら学ぶことが何より大切です。
学習の基本は、日々のリスニングや単語・文法の強化、そして直前期には過去問演習をバランスよく行うことです。

リスニングの習慣化

英検Jr.から英検3級までは、リスニングの比重が大きく、英語を「聞く力」が非常に重要です。
毎日少しずつでも英語の音に触れることで、耳が慣れ、英語を自然に理解する力が育ちます。
リスニング力は、読む・書く・話す力の基礎にもつながるため、小学生のうちからの習慣化がとても大切です。

語彙力・文法力の強化

英語力を伸ばすためには、単語や文法の基礎をしっかり身につけることが大切です。
単語カードを使い、音声教材ともセットで繰り返し学習することで、正しい発音と意味を同時に覚えられます。
さらに、覚えた単語を使って自分で例文を作る練習もすれば、理解がより深まり、実際の会話や文章で使える力が身につきます。

未就学児や低学年の子どもには、「フォニックス学習」も効果的です。日本の小学校では、フォニックス学習があまり採り入れられていませんが、アメリカやイギリスでは幼児の頃にしっかりフォニックス学習が行われます。

アルファベットの音とつづりのルールを学ぶことで、「聞く」「読む」「書く」力を同時に伸ばすことができ、読解力やスペルの定着にも役立ちます。幼児の頃にフォニックス学習をすることは、中学校、高校になって英語力が伸びるきっかけにつながるのかもしれません。

問題集・過去問で実践力アップ

英検の学習では、問題集や模擬テスト、過去問を繰り返し解くことが、実践力を伸ばす最も効果的な方法です。

過去問は、出題形式や問題のパターンに慣れるための優れた教材で、間違えた箇所は重点的に復習することで、理解をさらに深めることができます。
また、本番に近い環境で取り組むことで、実際の英検形式に慣れ、時間配分の感覚が身につきます。
試験当日は、過度に緊張せず落ち着いて、自信を持って受験できるようになるでしょう。

二次試験対策

英検3級以上を目指す場合は、二次試験対策も重要です。
リスニングで聞いた音声をまねて自分で声に出して発音する練習をしたり、自分の気持ちや意見を英語で表現したりする練習も忘れずに行いましょう。
自分の考えをまとめて話す練習は、ライティング力の向上にもつながりますよ。

英語を楽しむこと

英検はあくまで、英語を使えるようになるための通過点です。
小学生が英語を学ぶ際には、楽しみながら英語に触れる習慣を日常に取り入れることがとても大切です。

たとえば、歌やゲーム、絵本などを通して英語に触れる時間を作ると、学習が楽しくなり、長続きしやすくなります。単語アプリやクイズ形式の教材など、ゲーム感覚で取り組める教材を選ぶのもおすすめです。

実際、小学校の英語の授業では、公立か私立かや学校にもよりますが、全体的に英語のスペリングやライティングにはあまり注力しておらず、リスニングやスピーキングに力を入れています。

「子どもを英語嫌いにさせない」という配慮もあるのでしょうか。日本の英語教育は、アメリカやイギリスの子どもへの英語教育とはかなり違うものになっており、歌やゲーム、絵本などを通して、英語をたくさん聴いて、英語をアウトプットするという訓練が行われています。

また、「今日は何して遊ぶ?」「昨日の夜何を食べた?」といった日常会話を通して、現在形や過去形を学ぶと、具体的なアクションや体験と英語が結びつき、理解が深まります。

何より大事なのは、無理強いせず、英語を楽しいものとして受け入れられる環境を作ることです。
楽しみながら学ぶ経験が、小学生の英語力と自信を自然に育ててくれます。

まとめ

小学生で英検を受ける意義は、単に資格を取得すること以上にあります。
「自分の力で英語を理解し、伝えられる」という成功体験が、将来の学習意欲を大きく高めてくれるのです。

英検Jr.から始め、少しずつ級を上げていくことで、自然に英語の習熟度も伸びていきます。
大切なのは、英語学習を楽しみながら続けること。
この姿勢こそ、英語力を本物の力として育てる最短ルートです。

さらに学習をサポートしたい方は、Kiminiオンライン英会話 を活用して、無理なく楽しく英語に触れる時間を増やしてみましょう。
日常に少しずつ英語を取り入れることで、お子さんの自信と力が着実に育っていきますよ。