2024年度から、英検のリーディング問題は、大問1の単語・熟語問題で3問削除され、大問3の長文の内容一致選択問題で3問削除され、41問から35問にリニューアル。リーディング問題が合計6問減って、その問題を解くためにあてていた時間を、ライティングの要約問題にあてることになりました。この変更により、英検1級は攻略しやすくなったのでしょうか。
この記事では、英検1級のリーディング問題の攻略というテーマで解説し、リーディング問題に役立つ書籍も紹介します。ぜひ最後まで目を通してみてください。
英検1級のリーディング問題を解くコツ

「リーディングのパートが6問減ったのは嬉しいけど、ライティングの要約問題が増えて大変だな~」と感じておられる方は多いでしょう。ライティングの要約問題への対策については、別の記事をご覧いただくとして、読解問題の数が減って、読解問題は楽になったのかチェックしたいところですね。
2024年度の英検のリニューアルは、日本英語検定協会が「英検の上位級でボキャブラリー(単語熟語)のウェイトが大きすぎるのではないか」と感じ始め、「速読の力を付けてつけていってほしい」「英文の要約もできるようになってほしい」という願いから実施される運びとなったようです。大問4の要約問題では英文速読の力も必要とされますし、協会側が狙ったとおりの問題構成になっています。世界全体の英語試験のトレンドとして、2つの技能の融合問題が増えているそうで、追加の要約問題は、まさにライティングとリーディングの融合問題だと言えます。大学入試でも、東大の英語二次試験をはじめ、要約問題が出題されていますが、英検2級以上で、英語長文の英語要約が出題されて、要約能力が重視されています。
大問1で高得点を取れる人にとっては、大問4の導入は不運なニュースですね。しかし、嘆いてばかりもいられません。要約問題は実は速読ともつながっており、リーディング力、特に速読の力を磨いていかないと、英検1級の一次試験に合格することが厳しくなったことが分かってきました。前置きが長くなりましたが、大問1、大問2、大問3の攻略法について解説します。
大問1の攻略法
大問1は、冒頭でも触れた通り、2024年度から3問減って22問になりました。短文の単語・熟語の空所補充問題が減ってラッキーと感じる人もいれば、ライティング問題が増えて大変になったなと感じる人もいるでしょう。
22問中18問が単語問題で、残り4問が熟語問題です。2024年度以降、1級大問1の問題は易しくなったのでしょうか?
2024年度以降、大問1の問題が易しくなったとは決して言えません。大問1が3問減ったとはいえ、出題されている問題は、相変わらず難しいです。速読力を身につけて、素早く問題を解いていきたいところです。
大問2の攻略法
大問2は400語程度の長文2題の空所補充問題です。大問2については、まず過去問3回分ぐらいの問題を解いて答え合わせをし、なぜ間違えたのかを把握するところから始めるのをおすすめします。この問題は、前後のつながりを考えて、論理的にふさわしい接続詞や文の一部を入れていきます。
2024年度第3回の大問2の1つめの長文は、「ドッペルゲンガー」の話で、ドッペルゲンガー(自分自身とそっくりな姿をした幻影、幻覚)の話は聞いたことがあり、興味深く読めて、全問正解でした。第1段落の最終文 In most cases, these spirits were feared, as it was believed that encountering them was a sign that death would come soon.(大抵の場合、このような霊に遭遇することは、死が間もなく訪れる兆候だと信じられていたため、恐れられていた。)という文を読んで、この長文に興味を持ち、釘付けになって最後まで読めました。
大問2の空所補充問題は、内容に興味を持てる問題とそうでない問題があるでしょうから、少しでも興味を持てる方の問題から読んでいくことをおすすめします。
大問3の攻略法
大問3は500-800語程度の長文2題の内容一致問題です。冒頭でも述べたとおり、長文3題だったのが2題になり、問題数が3問減りました。
大問3は大問2よりずっと長文が長いので、読む前から気後れしたり、読みたくないと思ったりする方もおられるでしょう。英検の上位級は、「長文を読むのが苦手で無理!」という方にとって合格するのがますます難しい試験になってきましたが、気持ちを奮い立たせて、長文を読むトレーニングをしていくしかありません。
大問3についても、過去問3回分ぐらいの問題を解いて答え合わせをし、なぜ間違えたのかを把握するところから始めましょう。
リーディング問題の攻略に役に立つ書籍の紹介

大問2と大問3のリーディング問題がどんな感じかチェックすると、かなりの長文なので、速読の訓練をしていく必要があることに気付きます。
英検1級レベルの長文読解問題を使って速読の練習をしながら、その文中に出てくる英単語も覚えられたら、一挙両得ですよね。
長文読解に苦手意識を持っている方にぜひチェックしていただきたい書籍があるので紹介します。
- 英文読解のコツと語彙をセットで覚えられる
- 好奇心をそそる、頻出テーマの長文を読める
- 英作文パートで新設された「要約問題」の対応力も身につく
2025年3月28日に学研から発売された『英検1級 速読で覚える英単語』は、ためし読みができます。ためし読みをしてみると、「語彙スキル、速読スキル、要約スキルの3つが同時に身につくから、最短で合格できる」という記載があり、英検1級合格を意識している本であることが分かります。
本書の紹介文で、「やみくもに単語を覚えても、どんなに記憶力の良い人であっても、時間とともに忘れてしまいます。しかし、「新しいことを知りたい」という強い意志のもと、目や耳に触れた英語は驚くほど記憶にとどまってくれる」という部分が心に刺さります。
ネイティブスピーカーによる読み上げ音声も用意されていて、音読やリスニングのトレーニングに使えます。
最短合格! 英検1級リーディング問題完全制覇 (完全制覇シリーズ)
2022年12月20日にジャパンタイムズ出版から発売された 英検1級の長文読解の攻略に必要な力をつけるための問題集です。公式サイトから音声がダウンロードできますが、付属音声は、トラック番号がついているパッセージのみです。過去20年の問題を徹底分析し、出題傾向を元に38長文120問を作成しています。
英検1級リーディング問題の攻略に役に立つ書籍として2冊紹介しましたが、リーディング対策の書籍が必要な場合は、自分に合った書籍を1冊購入して、それを最後までやり切ってから、余裕があればもう1冊購入することをおすすめします。
まとめ
「英検1級のリーディング問題の攻略」というテーマで解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
英検1級の試験対策は、単語・熟語を覚えることから始める人が多く、長文読解問題はその試験で出題された問題にもよるので、軽視されがちですが、しっかりトレーニングしていく必要があります。まずは、英検の公式サイトで過去3回分の1級リーディング問題の過去問を解いてみましょう。英検の試験が近づいてきたら、時間配分も意識して、大問1は約10分、大問2は20分、大問3も20分ぐらいで解いて練習をしましょう。
大学入試で英検2級以上の資格(CSEスコア)が活用されるようになり、英検2級、準1級、1級の合格を目指す高校生が増えてきました。2024年度の英検問題形式のリニューアルで、単語熟語だけをたくさん覚えても、それらが使われている長文読解やライティング問題ができなかったり、リスニング問題が苦手だったりすると、英検の上位級に合格するのは厳しいです。ライティングに追加された要約問題は、実は長文読解との融合問題であることも分かってきました。
有名大学に入りたいので必死になって英検上位級の資格を取ろうとされている高校生も多いです。しかし、学校の教科書や副教材で英語を勉強して、英検の過去問3回分だけ解いて出題の傾向が分かり、英検上位級に合格できる人はごくまれです。英検上位級の合格対策として、4技能すべてを底上げしていくために、さまざまな対策を取っていく必要があります。どんな対策をとれば成果が出るのかしっかり情報収集して、それを実践して初めて難関試験の合格通知を手にすることができるのでしょう。




