「英検準2級ってどれくらい難しいの?」「小学生でも本当に受かるの?」
お子さんが英検準2級にチャレンジしたいと言い出したけど、どう教えたらいいのかわからない…そんなお母さんは多いのではないでしょうか?
この記事では、小学生のお子さんが英検準2級に合格するために必要な情報を、できるだけわかりやすくご紹介します。合格率やレベル、必要な勉強法など、お母さん自身の知識がなくても安心してサポートできるような内容になっています。
合格率はどのくらい?小学生のチャレンジは現実的?

英検準2級の一次試験(筆記試験)の合格率は約30~35%前後、二次試験(面接試験)の合格率は約80%です。これから分かるように、一次試験突破が合格のカギとなります。
これは大人や中高生も含めた数字なので、「小学生には難しいのでは…」と思うかもしれません。
ですが、実は小学生の合格者も年々増えており、中には小学3年生で合格する子も! 特に、習い事として英会話スクールに通ったり、通信講座や学習塾などで英語学習を続けてきたりしたお子さんにとっては、準2級は「次のステップ」として自然なゴールになります。
また、一次試験(筆記・リスニング)と二次試験(面接)に分かれているため、苦手な分野を把握しやすく、計画的な対策も取りやすいのが特徴です。
合格点は何点?満点じゃなくても受かる!
英検準2級の一次試験(リーディング・リスニング・ライティング)と二次試験(面接)は、それぞれ満点が600点で設定されており、合格基準は一次試験で73%程度(約438点)、面接試験では68%程度(約406点)と言われています。
つまり、全てが完璧じゃなくても合格できるというのが大きなポイント!
たとえば、リスニングが得意ならリーディングが少し弱くてもカバーできますし、ライティングの書き方がしっかりしていれば得点源にもなります。
面接も、難しい言葉を知っていなくても、「自分の考えを英語で伝えようとする姿勢」が高く評価される試験です。
一次試験さえ突破できれば、合格しやすいというのが英検準2級の特徴です。
参考記事:英検CSEスコアとは
準2級のレベルはどれくらい?中学~高校初級レベル!

英検準2級のレベルは、「高校初級程度」とされています。特に中学生のお子さんが英検準2級を受験しようとすると、高校でならう英文法の学習が必要になってきます。
具体的にいうと、
- 過去完了形(had+過去分詞)
- 関係代名詞(whose,whatなど)
- 関係副詞(where, whenなど)
- 仮定法過去完了
語彙については、2,600語~3,600語程度が目安と言われており、「普段の生活」「学校」「地域社会」「テクノロジー」など身近なテーマで構成されています。
英単語を覚えるのと同時に自然科学や学校生活などの背景知識を日本語で知っておくと英単語の暗記にプラスに働きます。特に小学生や中学1年生はそのあたりの知識のインプットから始めることをおすすめします。
また、リスニングでは自然なスピードの会話や説明を聞き取る力が求められます。英検準2級からは、リスニングが1回しか流れないので、英検3級と比較するとかなり難しく感じるかもしれません。
英語に日常的に触れている環境(アニメ、音声教材など)があると非常に有利です。
小学生で準2級ってどれくらいすごいの?
結論から言うと、小学生で英検準2級に合格するのはとてもすごいことです。
というのも、
- 中学生~高校生でも不合格になることが多い。
- ライティングや面接など、アウトプット力が必要。
- 時事問題や抽象的なテーマ(環境、自然科学、教育、考古学など)が問われることもある。
これらをクリアするには、ただ単語を暗記するだけではなく、その背景となる予備知識が必要になります。また、「自分の意見を英語で表現する力」や「聞き取り、応答する会話力」も求められるのです。
さらに、小学生で準2級に合格しておくと、その後の英語学習が非常にスムーズになります。
たとえば、
- 英検準2級プラス、英検2級、またはTOEFLなど、より高いレベルへの挑戦ができる。
- 中学英語が「復習」になる。
- 高校入試や大学入試で有利になる。
といった「先取り学習」のメリットも大きいのです。特に昨今では大学入試において、英検2級を取得していると、英語の筆記試験が免除、または8~9割に換算される場合もあります。
英検準2級の取得は早ければ早いほどその先の入試においてかなり有利だと言えます。
ママでもできる!準2級合格までの学習のヒント

お母さん自身が英語に自信がなくても、お子さんをサポートする方法はたくさんあります。
ステップ1:現在の英語力をチェックする
まずは、「今、どれくらいできるのか」を把握しましょう。
いきなり難しい問題を解かせる必要はありません。次のような簡単なチェックでOKです。
- 中学英語の単語や文法(be動詞、一般動詞、現在進行形など)が理解できているか?
- 簡単な英語の文章(100~150語程度)が読めるか?
- 英語のリスニング音声を聞いて、だいたいの内容がわかるか?
これらをざっくり確認して、弱点や苦手分野を把握します。
ステップ2:単語力を固める(1日20語からスタート)
英検準2級では、およそ2,600~3,600語レベルの単語力が求められます。
まずは毎日「英検準2級用の単語帳」から、20個ずつ覚えることを目標にしましょう。
英単語の勉強の具体的なやり方
- 朝起きたら5個
- 学校から帰ったら10個
- 寝る前に5個復習
短時間ずつ、小分けに覚えるのがコツです。
さらに、単語だけでなく、「例文ごと暗記」するようにすると、実際の試験でも使いやすくなります!
おすすめのやり方:「英検準2級 でる順パス単」などの公式単語帳を活用
ステップ3:文法は「使える形」で覚える
準2級では、文法だけを問う問題はほとんど出題されません。英作文や読解問題で問われることが多いため、文法の勉強をする際は、「問題を解くため」ではなく、「使うため」に覚える」ことが大事です。
特に準2級合格のためには、以下の文法をマスターしておきましょう。
- 現在完了
- 受動態
- 不定詞・動名詞
- 関係代名詞
文法の勉強の具体的なやり方
- 毎日1つだけ文法ポイントを決めて、3~5つ例文を作ってみる
- できたら声に出して読む(口に出すと覚えやすい)
- 文法書は小学生向けの「中学英文法のやさしい参考書」などが使いやすいです。
ステップ4:ライティングはEメール返信と意見陳述で練習
英検準2級合格には、ライティング対策も欠かせません。
2024年度からライティング問題が1問追加され、Eメール返信と意見陳述の2問が出題されています。
準2級のEメール返信では、相手からの質問に答えることに加えて、下線部に関して相手に2つ質問することが求められます。
この2つの質問作成が難しく感じる生徒さんがおられますが、質問の仕方について事前に表現を覚えて練習しておけば、本番でもそれがすっと出てきます。
ライティングに使える表現を覚える
下線部の特徴を尋ねる表現には、次のようなものがあります。
- What kind of …?(どんな種類の… )
- How many …? (いくつの…)
- How much …?(いくらの…)
- How often … (どれぐらいの頻度で…)
- How far …(どれぐらい遠く…)
- How fast …(どれぐらい速く…)
質問への回答や意見陳述の問題では、自分の意見を述べる表現パターンを覚えておきましょう。
- I think … (私は … と思います)
- I don’t think … (私は … とは思いません)
- I believe …(私は … と信じています)
- I don’t believe … (私は … とは信じていません)
- In my opinion, …(私の意見では、…)
- It’s likely that …(… しそうだ)
自分の意見を述べて、その後に理由を付け加える場合には、次の表現が使えます。
- because S + V (なぜなら….)
- because of …(…のために)
- since S + V (… なので)
- thanks to …(…のおかげで)
- due to …(…のせいで)
Eメール返信や意見陳述の問題なんてあまり難しくないと侮らず、過去問に基づく練習問題を解いて練習してみましょう。
ライティングの新形式に慣れるために、新試験対応版の英検対策書の活用をおすすめします。
- 新試験から導入された英作文対策も充実。
- 一次試験から二次試験まで合格に必要なポイントひとつひとつを,やさしい解説(左ページ)+リアルな予想問題(右ページ)の2ページにまとめてあり,学習しやすい。
ステップ5:リスニングは「毎日15分だけ」英語を聞く習慣
リスニングは、「耳を英語に慣れさせる」ことが何より大切です。
毎日15分、英語を聞く時間を作りましょう。
リスニングの勉強の具体的なやり方
- 朝ごはんを食べながら英語アニメ
- 学校の行き帰りに英語のオーディオブック
- 寝る前に英検公式リスニングを流す
- 最初は全部聞き取れなくても大丈夫です!
「聞き流す」→「だいたい意味をとらえる」→「聞こえた単語を書き取る」へとステップアップしていきます。
公式のリスニング過去問はYouTubeやアプリでも聞けます!
ステップ6:過去問演習で「試験慣れ」する
ある程度単語・文法・リスニングができるようになったら、過去問にチャレンジしましょう。
過去問の勉強の具体的なやり方
- まずは1年分を「時間を気にせず」解いてみる
- 間違えた問題を「なぜ間違えたか」を確認
- 同じ問題を2回、3回と繰り返し解く
英検準2級の問題は、「問題に慣れる」ことがとても大事です。
特に、ライティング(英作文)は、型を覚えて、同じ流れで書く練習をすると安定して得点できます。
おすすめは、「英検赤本シリーズ英検準2級過去問集」など。
ステップ7:二次試験(面接)対策は「パターン練習」
一次試験に合格したら、次は二次試験(面接)です。
- 英文を音読する。
- 英語の質問に答える。
- イラストの内容を英語で描写する。
- 自分の意見を述べる
という内容ですが、聞かれるパターンはある程度決まっています。コツは、「短くてもいいからハッキリ答えること」と「笑顔を忘れないこと」です!
まとめ:「できるかも」の気持ちが未来を変える
小学生で英検準2級に合格するのは決して簡単なことではありません。でも、正しい方法でコツコツ取り組めば、必ず手が届く目標でもあります。
大切なのは、「できるかも」と思える環境をつくってあげること。お母さんが英語に自信がなくても、お子さんのやる気を支えてあげることこそ、いちばんの応援になります。
焦らず、楽しく、じっくりと。一歩一歩、一緒に進んでいきましょう。


