日本語の「好み」は、とても便利な言葉です。「私はコーヒーより紅茶が好みです」「彼とは音楽の好みが合う」「あなたの好きな色は?」「これは私の好みじゃない」「好みは人それぞれだよね」
このように、日本語では「好み」という一つの言葉でかなり幅広い意味を表せます。では、これを英語にするとどうなるのでしょうか?英語を勉強している人がまず思い浮かべるのは、”preference” “taste” “favorite / favourite”の3つではないでしょうか。ところが、この3つは同じ「好み」でも、使われる場面やニュアンスが違います。さらに英語では、これらを使わずに、prefer、like、be into、be one’s thing、favorite などを使ったほうが自然なことも多いのです。
この記事では、「好み」を表す英語を整理しながら、日常会話、仕事、ファッション、音楽、恋愛、SNSなど、さまざまな場面で実際に使える表現を紹介します。
この記事の3行まとめ(AI要約)
- preference・taste・favoriteは使い分ける:preferenceは選択肢の中での好み、tasteは嗜好の傾向やセンス、favoriteは一番好きなものを表します。
- 日常会話はシンプルな表現が自然:like、prefer、be into、not my thingなどを使ったほうが自然に伝わる場面も多くあります。
- 場面ごとの定番表現を押さえる:恋愛の好みは”What’s your type?”、「好みは人それぞれ」は”Everyone has different tastes.”のように表現します。
preference は「選ぶならどちらがいい?」という好み

まず preference です。これは「好み」「選好」「希望」という意味の名詞です。
ポイントは、いくつかの選択肢の中で、どれをより好むかというニュアンスがあること。
たとえば、
I have a preference for tea over coffee.
私はコーヒーより紅茶のほうが好みです。
ということができます。ここでは「紅茶が好き」というだけではありません。「コーヒーと紅茶なら、紅茶を選ぶ」という選択上の好みが感じられます。
a preference for ~
で「~を好むこと」「~への好み」。
I have a preference for quiet restaurants.
静かなレストランのほうが好みです。
prefer A to B
“prefer A to B”は、「BよりAを好む」という意味です。
I prefer tea to coffee.
コーヒーより紅茶が好きです。
覚えておくと便利です。
taste は「その人の趣味・嗜好・センス」
次に taste。日本語の「味」という意味でおなじみですが、「好み」「趣味」「センス」という意味でも使われます。
特に、音楽、映画、ファッション、アート、食べ物などについて、「その人がどんなものを好むか」という全体的な嗜好を表すときに便利です。
たとえば、
We have similar tastes in music.
私たちは音楽の好みが似ています。
これは非常によく使える表現です。「私たちは音楽の好みが似ている」という、日本語そのままの感覚に近いでしょう。
「センスがいい」も taste
taste は単なる「好き嫌い」だけではありません。
He has excellent taste in music.
彼は音楽のセンスがとてもいい。
のように、「センス」という意味でも使われます。ここが preference との大きな違いです。
たとえば、”She has good preferences.”とは普通言いません。
「これは私の好みじゃない」は taste が便利
「これは私の好みじゃない」というとき、”It’s not my taste.”
という言い方があります。
favorite は「一番好きなもの」
そして3つ目が “favorite”。これは「好み」という抽象的な概念ではなく、「一番好きなもの」「お気に入り」を表します。
What’s your favorite color?
一番好きな色は何?
fave / fav は「favorite」のカジュアル版
SNSやメッセージなどで、”my fave”という表現を見たことがある人も多いでしょう。これは favorite / favourite のくだけた短縮形です。”This is my fave!”(これが私のお気に入り!)のような使い方も見かけます。
favorite と preference の決定的な違い

ここは英語学習者が混乱しやすいポイントです。
「一番好きなのはどれ?」
→ favorite
What’s your favorite restaurant?
「一番好きなレストランは?」
「どちらのほうを好む?」
→ preference / prefer
Do you have a preference for indoor or outdoor seating?
「屋内席と屋外席、どちらが好みですか?」
「どんな趣味・嗜好がある?」
→ taste
We have very different tastes in music.
「私たちは音楽の好みがかなり違います。」
つまり、
favorite = 特に好きなもの(多くの場合は1位)
preference = 選択
taste = 嗜好の傾向・センス
と覚えると分かりやすいでしょう。
「好みじゃない」は not my thing が便利
「嫌い」とまで言いたくない場合、英語では柔らかく、”It’s not really my thing.”と言えます。
訳)キャンプ好き?
訳)うーん、あまり好みじゃないかな。
これは、”I hate camping.”よりずっと柔らかい表現です。「自分にはあまり合わない」という感じになります。
「最近これにハマってる」は be into
「好み」を表す英語には、さらに “be into ~ “があります。これはかなりカジュアルで、「~が好き」「~にハマっている」という意味。
訳)最近、ジャズにすごくハマってる。
訳)いいね!
「好み」というより、現在の興味・ハマっているものを表すのがポイントです。
「好みのタイプ」は type を使う
恋愛の話になると、「好み」はまた別の言い方になります。「どんな人がタイプ?」なら、”What’s your type?”
が非常に自然です。
What’s your type in men?
「男性はどんなタイプが好み?」
という言い方もできます。
また、
He’s my type.
「彼は私の好みのタイプ」
という意味になります。
ここで taste や preference を無理に使う必要はありません。
「好みは人それぞれ」はどう言う?
これも英語学習者が覚えておくと便利な表現です。
Everyone has different tastes.
「人それぞれ好みが違う」
という意味。
さらにカジュアルに、
Everyone’s different.
「人それぞれだよ」
ということもできます。
会話では、必ずしも「好み」という単語を入れる必要はありません。
「好み」を表す英語はまだまだある

ここまで紹介した以外にも表現があります。
liking
I have a liking for classical music.
「私はクラシック音楽が好きです。」
ただし、日常会話では、
I like classical music.
のほうが普通です。
inclination
inclination は「~する傾向」「~を好む傾向」。
I have an inclination toward traditional designs.
「私は伝統的なデザインを好む傾向があります。」
かなりフォーマルです。
最後に、これだけは覚えておきたい10フレーズ
最後に、実際の英会話でそのまま使える表現をまとめます。これらの言い方を覚えておけば、間違いありません。
① What’s your favorite food?
一番好きな食べ物は何?
② What’s your favorite movie?
一番好きな映画は何?
③ What kind of music do you like?
どんな音楽が好き?
④ Which one do you prefer?
どちらのほうが好き?
⑤ I prefer tea to coffee.
コーヒーより紅茶が好き。
⑥ We have similar tastes.
私たちは好みが似ている。
⑦ We have different tastes in music.
私たちは音楽の好みが違う。
⑧ It’s a matter of personal preference.
それは個人の好みの問題です。
⑨ I’m really into jazz these days.
最近ジャズにすごくハマっている。
⑩ It’s not really my thing.
それはあまり私の好みじゃない。
よくある質問
preferenceとtasteはどう違いますか?
preferenceは「コーヒーと紅茶なら紅茶」のように、選択肢の中でどれを好むかを表します。tasteは音楽やファッションなどの嗜好の傾向を表し、「センス」という意味でも使われます。
「好みじゃない」を英語で柔らかく伝えるには?
“It’s not really my thing.”が便利です。”I hate ~.”のように強く否定せず、「自分にはあまり合わない」というニュアンスで伝えられます。
恋愛の「好みのタイプ」は英語でどう言いますか?
“What’s your type?”(どんな人がタイプ?)が自然です。「彼は私の好みのタイプ」なら”He’s my type.”と言い、tasteやpreferenceを使う必要はありません。
「好み」は preference だけじゃない
日本語の「好み」は非常に幅の広い言葉です。そのため、英語では状況に応じて言い換える必要があります。実際には、誰と話しているのか、「一番好き」と言いたいのか、「どちらかを選びたい」と言いたいのかによって表現が変わります。「好み」を表す言葉を一つ覚えるのではなく、英語では「好き」という気持ちを場面に応じてどう表現するのかを身につける。それが、教科書英語から一歩進んだ、自然な英語を使うためのポイントです。
