英語に限らずどの言語にも必ず「名詞」が存在します。今この記事を読んでいるあなたのそばには、スマートフォンやパソコン、テレビなど様々なモノがあることでしょう。これらのモノにはすべて名前があり、その名前のことを「名詞」と呼びます。名詞がなければ、言葉を話すのが非常に難しくなるということは容易に想像できるでしょう。

今回は、言語を話す上で最も大切な名詞について解説していきます。最後まで読んで英語の名詞についてマスターしましょう。

名詞とは

名詞とは冒頭に述べたようにモノの名前のことです。英語では、この名詞が2グループ5種類に分類されることをご存知でしょうか?名詞をマスターする上でこの分類は非常に大切なので、しっかり確認しておきましょう。

5種類の名詞が存在する

英語では名詞を次のように5種類に分類します。

  • 普通名詞:apple(りんご)やdesk(机)などいわゆる一般的な名詞
  • 集合名詞:family(家族)やcompany(会社)など、ある特定の集団を表す名詞
  • 物質名詞:water(水)やwood(木)など、物質・材料を表す名詞
  • 抽象名詞:happiness(幸福)やmoney(お金)など、感情や概念など抽象的なものをあらわす名詞
  • 固有名詞:人名や国名など、他と区別するために与えられる固有の名称

このように、名詞ごとの性質や特性によって5種類に分類されます。ちなみに日本語も同じく5種類に分類されますが、普通名詞、固有名詞、数詞、形式名詞、代名詞とまったく異なる5種類に分けられるようです。

可算名詞と不可算名詞

これら5種類の名詞はさらに2つのグループに分けられます。それが可算名詞(数えられる名詞)と不可算名詞(数えられない名詞)です。

  • 可算名詞:数えられる名詞で単数形・複数形をもち、単数の場合は冠詞が必要
  • 不可算名詞:数えられない名詞で一般的に複数形はなく、常に単数として扱われる

可算名詞、不可算名詞を語る上で欠かせないのが、冠詞という文法の存在です。冠詞には不定冠詞(a,an)と定冠詞(the)があり、可算名詞の単数であればかならずいずれかの冠詞をつかなければなりません。一方、複数形や不可算名詞の場合は、特定のものであることを伝えたい時のみ定冠詞が使われます。冠詞がなくても文法的に誤りではありません。

文章中の名詞の役割

文章中の名詞の役割

名詞の種類をご理解いただいたところで、次に文章中での名詞の役割、働きについて解説していきます。

主語・目的語・補語

英語の基本文型というものを覚えているでしょうか?英文はすべてSV型、SVC型、SVO型、SVOO型、SVOC型のいずれかの文型に分類されます。アルファベットはそれぞれ、Sが主語、Vは動詞、Cは補語、Oは目的語という文章の要素のことです。名詞はこの4つの要素のうち、V以外に置くことができます。そのためどの文章にも必ず名詞が1つは含まれると考えて問題ありません。(話し言葉では省略されることもあります。)

形容詞的用法・副詞的用法

名詞には実は名詞以外にも形容詞的用法や副詞的用法といった他の言葉を修飾する働きがあります。意識せず自然と使っているかと思うので、改めてこれらの用法について学んでおきましょう。

形容詞的用法

形容詞とは、名詞を修飾する言葉です。beautifulやdeliciousのように、その名詞がもつ性質について更に詳しく説明するために使われます。それでは名詞の形容詞的用法とは何でしょうか?答えは、名詞を2つ並べて前の名詞で後ろの名詞を説明するという使い方です。

bus stop(バス停)、 cat food(キャットフード)、 curtain rail(カーテンレール)など身の回りのものでもよく名詞の形容詞的用法が使われています。

副詞的用法

副詞は名詞以外のすべての品詞を修飾することができます。また単語だけでなく、副詞1つで文章全体を修飾することもできる非常に大きな働きをもつ品詞です。名詞の副詞的用法の例を見てみましょう。間違いなく誰もが使ったことのある表現が実は名詞の副詞的用法です。

this morning、 every day、 last nightなど時間を表す際によく使われます。学校では、これらの言葉で時間を表現できると習いますが、名詞であるにも関わらず、前置詞を伴わずに時間を表現できるというのは不思議ではないでしょうか?名詞の見た目ではあるものの、副詞の働きを持つもの。これが名詞の副詞的用法です。

様々な名詞の形

様々な名詞の形

一般的に名詞は1単語で表されます。しかし、英語の名詞にはさまざま形があるため、しっかり理解しておかないと文章内で見分けることができません。最後に3種類の名詞の形を解説していきます。

代名詞

代名詞とは、人やモノを表す際に使われる単語で、”I”, ”you”, “she”, “he”, “it”などがあげられます。代名詞には「主格」「所有格」「目的格」があり、文章内での位置により次のように形が変わるので注意しましょう。

主格

(〜は)

I you he she they we
所有格(〜の) my your  his her their our
目的格

(〜に)

me you him her them us

名詞節

単語だけが名詞になるとは限りません。文章も名詞扱いをすることができ、その場合その文章は「名詞節」と呼ばれます。通常1つの文章に主語と述語は1つずつですが、これらが2つ以上含まれている場合がありますよね。この場合は名詞節が含まれている可能性を考えてみましょう。

Aさん
I realized that I forgot my cell phone in the taxi.
訳)タクシーに携帯を忘れたことに気付きました。

 

この例文には主語と動詞が2つずつ含まれていますね。例文ではthat以下が名詞節として目的語の役割を果たします。名詞節を見つけるヒントは、”that”や”whether”、”if”です。これらの単語に文章が続いている場合は名詞節を疑いましょう。

動名詞・to不定詞

動詞と名詞では品詞が異なりますが、動詞を動名詞(-ing形)やto不定詞に変形することで、名詞の性質をもたせることができます。厳密に言うとこれらは名詞ではありません。しかし、主語に置いたり、目的語として使ったりと本来は動詞が担うことのできない役割を果たすことができます。

Aさん
Studying English is interesting.
訳)英語を勉強するのは面白いです。

 

Aさん
To study English is interesting.
訳)英語を勉強するのは面白いです。

動名詞やto不定詞に変形する際には、他動詞であれば目的語が欠落しないように注意が必要です。動名詞やto不定詞は名詞の性質を持つとは言え、元は動詞です。他動詞であれば目的語を伴って1つの意味を成すということを覚えておきましょう。

まとめ

日本語名詞と英語の名詞は全く異なるものであることをご理解いただけたでしょうか?英語の名詞は日本語にはないルールがあり、詳しく見てみると想像以上に複雑です。

また、可算名詞・不可算名詞の分け方も日本人からすると曖昧な部分がありますが、これらは海外の文化が反映された結果です。言語と文化は深い関係にあり、言語を理解することは文化を理解すること、と言っても過言ではありません。

言語のルールが複雑だからとないがしろにせず、なぜこうなるんだろう?を追求して名詞のルールをマスターしましょう!