日本人が英語学習おいてトップクラスに苦手とするのが、英語の読み方です。
「正直何となくで英語を読んでいる。」「カタカナ英語なのは分かっているけれど、どうすればいいのか分からない。」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、日本人にとって英語の読み方が難しく感じる3つの理由について解説します。またスムーズに英語を読めるようになるためにはどうすればいいのかについても解説しています。
記事を最後までチェックすれば、英語の読み方が難しい理由が分かり、どうやって英語学習をすればそれが改善されるのかが明確になりますよ。
簡潔にまとめましたので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
日本人にとって英語の読み方が難しく感じる3つの理由
日本人にとって英語の読み方が難しく感じる理由は、以下の3つです。
- 日本語と英語では音が異なるから
- 英語では単語によって音が変化するから
- 発音記号やフォニックスを学ばずに英語を読もうとしているから
それぞれ詳しく見ていきましょう。
日本語と英語では音が異なるから
日本語と英語では、そもそも音が異なります。例えば日本語にはあって英語にはない音もあれば、その反対に英語にはあって日本語にはない音もあります。
日本語にはない音を無理やり発音しようとしてしまうと、当然英語の読み方が難しいと感じてしまいます。
例えば”th”の発音や”LとRの区別”などがいい例でしょう。
“th” の単語例
- thank (サンク)
- three (スリー)
- think (スィンク)
“th” の音は、日本語の「サ行」とは異なります。カタカナで表記するとしたら、「ス」と「サ」の中間のような音で、舌を上の歯と下の歯の間に軽く挟んで、息を強く吐き出すようにして発音します。
“L” と “R” の単語例
“L” の発音を代表する単語:
- light (ライト)
- love (ラヴ)
- lemon (レモン)
“R” の発音を代表する単語:
- right (ライト)
- road (ロウド)
- red (レッド)
“L” の発音は、舌先を上の歯茎につけて発音します。一方、“R” の発音は、舌を口の奥のほうに丸めて発音します。
“th”の発音や”LとRの区別”には、日本語の発音にはない口や舌の動きが必要です。それを、英語ならではの口や舌の動きを学ばずに、日本語の口や舌の動きだけで対応しようとしてしまうと、うまく英語を読めません。
正直カタカナ英語で読んでも、英語は通じます。しかし「カタカナ英語は嫌だ。」「もっと英語力を上達させたい。」というのであれば、日本語と英語の発音の違いについて学ばなければなりません。
しかし、日本語の発音に使う口や舌の動きは、日本語を話している期間が長ければ長いほど、体に染み付いているものです。子供が簡単に英語の読み方を覚えられるのに対し、大人が読み方を覚えるのが難しいのはそのためです。
よって不可能ではありませんが、それなりの努力が必要になります。
英語では単語によって音が変化するから
日本語では、単語によって音が変化することはありません。例えば「あ」という平仮名は、どんな状況においても「あ」と発音されますよね。よって日本語を話したいのであれば、単語の読み方を一通り覚えて、あとはイントネーションなどを学ぶだけです。
しかし英語では、単語によって音が変化します。よって読み方を一通り覚えて終わりではなく、いくつも覚えなければならないので大変です。
日本語の母音は「あいうえお」の5つですが、英語の母音は「a, e, i, o, u」の5つに加えて、「æ, ʌ, ə」などの発音も含めると20種類近くあります。
例えば”a”というアルファベットを参考に考えてみましょう。”apple”という英単語の”a”は「ア」と発音します。※厳密には若干異なりますが、カタカナで簡単に表記すると「ア」となります。
しかし”stage”という英単語の場合はどうでしょうか?”a”は「ア」と発音せず、「エイ」と発音します。よって”stage”の読み方は「スタゲ」ではなく「ステイジ」となります。カタカナ英語でも「ステージ」と表記されます。
上記の例では”a”というアルファベットには少なくとも「ア」と「エイ」という2つの読み方があることがわかります。しかし日本語の「あ」には他の読み方はありません。これが日本語と英語の読み方の違いです。
英語をスムーズに読むためには、この英語の読み方に関するルールを覚えなければなりません。
発音記号やフォニックスを学ばずに英語を読もうとしているから
日本人にとって英語の読み方が難しく感じる最大の理由は、発音記号やフォニックスを学ばずに英語を読もうとしているからです。
ここまで、日本語と英語では発音のルールが違うという点について解説いたしました。具体的には、日本語と英語では以下のような発音ルールの違いがあります。
- 日本語と英語では音が異なる
- 英語では単語によって音が変化する
上記のような違いがあるにもかかわらず、日本語と同じように英語を読もうとしていては、どうしても英語が読めるようにはなりません。
そこで必要になるのが、英語の読み方に関する学習です。
英語の読み方に関する学習として具体的に挙げられるのは、以下の2つです。
- 英語の発音記号を一通り覚える
- フォニックスを学ぶ
英語の発音記号を一通り覚えるかフォニックスを学べば、英語をスムーズに読めるようになります。(発音記号やフォニックスの概要や詳細は、次の項目で詳しく解説しています)
英語を正しくスムーズに読めるようになりたいのであれば、英語の発音記号を一通り覚えるか、フォニックスを学ぶことをおすすめします。
これらのいずれかを身につけてから英文を読むだけで、英文の読みやすさは大きく変わります。
特にフォニックスを学べば、発音記号がなくても英語をどのように読めばいいのかが分かるので、単語1つ1つで読み方を覚える必要はなくなり、単語の意味を覚えることに集中できます。
フォニックスに関する詳しい情報は、以下にまとめています。
英語の発音記号一覧
英語の発音記号(母音と子音)を一覧表にまとめると以下のようになります。
母音 | ɪ | e | æ | ɒ |
ʌ | ʊ | iː | ɑː | |
ɔː | uː | ɜ: | ə | |
eɪ | aɪ | ɔi | aʊ | |
əʊ | ɪə | eə | ʊə | |
子音 | p | b | t | d |
k | g | f | v | |
θ | ð | s | z | |
ʃ | ʒ | h | tʃ | |
dʒ | m | n | ŋ | |
l | r | j | w |
上記の表の中でどう発音するのか分からない発音記号があれば、個別に調べてみましょう。
ひとまず上記の表の発音記号が全て分かれば、単語帳などに記載されている発音記号は全て読めるようになります。発音記号が全て読めるようになれば、英語学習はよりスムーズに進むようになります。
フォニックスとは?
フォニックスとは、英語を正しく発音して読むためのルールのことです。海外の英語ネイティブの子供たちも、フォニックスを通して初歩的な英語を学んでいます。
フォニックスでは、a/b/cのアルファベットを「エー・ビーシー」ではなく「ア・ブ・ク」と発音します。
ABCのアルファベットの歌の通りにアルファベットを発音すると”bag”という英単語は「ビーエージー」と発音することになります。しかし実際は違いますよね。カタカナにすると「バッグ」と発音するはずです。
フォニックスでは、”b”を「ブ」、”a”を「ア」、”g”を「グ」と発音するので、これらをつなげて”bag”を「ブァグ」と発音します。つまり正しく発音ができるようになります。
フォニックスを習得すれば、英語をスムーズに読めるようになりますよ。
フォニックスについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
英語の読み方を上達させるための具体的な方法
英語の読み方を上達させるための方法は、以下の4つです。
- 発音記号の学習
- フォニックスの学習
- 音読練習
- 多読
それぞれの学習法について、どのように進めていけばいいのか詳しく見ていきましょう。
発音記号の学習
発音記号を効果的に学習するには、記号と単語を関連付ける方法がおすすめです。それぞれの発音記号に対応する単語を選び、ひも付けて覚えていきましょう。
例えば発音記号の /ʌ/ は”cup” や “luck” といった単語の母音と、/ʃ/ は “ship” や “rush” などの子音の発音と関連付けて覚えます。
この方法を使えば、発音記号を単純に暗記するのではなく、実際の発音と結びつけながら学習できます。
また、日常的に発音記号を意識する習慣をつけることも大切です。英単語を見たり聞いたりする際に、発音を記号で表してみましょう。
例えば “book” という単語を見たら、/bʊk/ という発音記号を思い浮かべる練習をします。
単語の関連付けと日常的な発音記号の意識化を組み合わせることで、効率的に学習できます。
フォニックスの学習
フォニックスの基本ルールを学ぶには、動画や音声付きの教材がおすすめです。音で覚える学習のため、耳から聞いて慣れていく必要があるからです。
動画であれば、YouTubeにフォニックスの基本ルールを分かりやすく解説するチャンネルが多数あります。また書籍やアプリでは、体系的にフォニックスを学ぶことができるため、理解しやすいでしょう。
教材を選んだら、繰り返し学習することが重要です。動画や音声は、何度も見たり聞いたりすることで、読み方が頭に入っていきます。
特に「チャンツ」を取り入れると効果的です。チャンツは、リズムに乗せて言葉を唱えることで、自然と発音のルールが身につくというもの。子供向けの教材と思われがちですが、大人も楽しく学べるコンテンツなのでフォニックスを覚えるのにぴったりです。
音読練習
英語の読み方を上達させるために、音読練習は欠かせません。毎日英文を声に出して読む習慣をつけましょう。
音読する際は、正しい発音を心がけ、英語特有のリズムやイントネーションにも注意を払います。
音読練習をサポートしてくれるツールとして、AIアプリが注目されています。
特に「ChatGPT」は、ネイティブスピーカーのような発音で英文の読み上げをができる機能があり、音声を聞きながら読む練習ができるので実践的です。
また、ChatGPTに英文を入力して、発音のアドバイスをもらうこともできます。
さらに、英語の音声教材を活用するのもおすすめです。オーディオブックやポッドキャストを聞きながら練習をすることで、ネイティブスピーカーの発音やイントネーションを自然と身につけることができます。
正しい発音で英語を読む力が身につくことで、英語の読解力やリスニング力の向上にもつながります。
多読
多読は、英語の読み方の上達に役立ちます。レベルに合った英語の本や記事を大量に読むことで、英語の語彙や表現に自然と触れる機会を増やすことができます。
「Kindle」や「Kobo」のような電子書籍リーダーを使って英語の本を読む習慣をつけるのがおすすめです。特に、「Kindle Unlimited」のような読み放題サービスを利用すれば、気になる本を数多く読むことができるでしょう。
初めて英語の本を読む人は、「ハリー・ポッター」シリーズや「星の王子さま」などのベストセラー作品がぴったりです。すでに内容を知っているものであれば、英語で読む際の抵抗感が少なく、読みやすいと感じるはず。
また、英語に翻訳されたマンガを読むのも、英語学習では良く知られた方法のひとつです。読んだことのある漫画の英語版なら、内容の理解がスムーズに進み、表現や語彙を自然に学ぶことができます。
英語の多読を始める際は、自分の興味関心に合った本やマンガを選びましょう。
電子書籍リーダーや読み放題サービス、英語版の漫画などを有効活用し、毎日少しずつでも英語の多読を続けることが大切です。
まとめ
日本人にとって英語の読み方が難しく感じる3つの理由について解説しました。再度3つの理由をおさらいすると、以下のとおりです。
- 日本語と英語では音が異なるから
- 英語では単語によって音が変化するから
- 発音記号やフォニックスを学ばずに英語を読もうとしているから
そして英語をスムーズに読めるようになるためには、発音記号を覚えて英語の音読に力を入れるか、フォニックスについて学びましょう。
一気に英語が読めるようにはなりませんが、少しずつ英語を読む力が上達していき、これまで読めなかったはずの英文が読めるようになっていることに気がつくはずです。
早速本日から、この記事で解説した内容を実践してみてください。