英語を始めとする外国語を学ぶときには、発音で苦労することもあるでしょう。
例えば日本語では「母音」が「あ、い、う、え、お」で完結するのに対して、英語では「あ、い、う、え、お」を組み合わせたり、「あ」と聞こえる母音の中でも微妙な違いで使い分けられるものもあります。
そこでこの記事では、「母音と子音の違い」について大まかにお伝えした上で、英語の母音を発音記号とともに紹介します。
子音と母音の違い
子音と母音の違いについて軽くおさらいしておきましょう。
子音と母音とは、言葉を口から発するときの音の違いを指します。
「母音」は、日本語の「あ、い、う、え、お」のように、単体で発音できます。
対して「子音」は、日本語の「か、き、く、け、こ」や「さ、し、す、せ、そ」のように、か行であれば「K+あ=か、 K+い=き…」、さ行であれば「S+あ=さ、S+い=し…」といった感じで、母音とくっついて初めて音として発することができる音を指します。
算数の授業で「分数」を学ぶ時に習う「分母」と「分子」のように、「分母」にあたる「母音」の方がベースとなり、子音は「分子」のように「母音に乗っている」イメージですね。
英語の母音を一覧で!発音記号と一緒に紹介
英語の母音も、日本語の「あ、い、う、え、お」に当たる”a, i, u, e, o”が母音となります。
ただし、日本語の母音が「あ、い、う、え、お」で完結するのに対して、英語の母音は”a, i, u, e, o”を複数組み合わせた母音も母音としてカウントされます。
さらに、日本人から見れば同じ「あ」と”a”にも、明確に区別して数種類としてカウントするものもあります。
順番に見ていきましょう。
「あ」と聞こえる母音
「あ」と聞こえる母音は、英語では以下のように分けられます。
【 a 】
「あ」に聞こえる英語の母音として、発音記号の【 a 】が挙げられます。
発音記号の【 a 】で発音される英単語には、例えばtop, wash, boxが挙げられます。
日本語の「あ」のように発音する英語の母音の中でも、日本語の「あ」の発音に近く、アゴを大きく開いて「あ」を発音します。
ですから”top”は「トップ」ではなく「タァプ」、”wash”は「ウォッシュ」ではなく「ワァシュ」、”box”は「ボックス」ではなく「バァクス」と発音されるわけですね。
【æ】
「あ」に聞こえる英語の母音には【æ】もあります。
発音記号の【æ】で発音される英単語には、例えばapple, bag, catが挙げられます。
発音記号の【æ】は日本語の「あ」よりも、少し口を横に広げて「ェア」と発音するイメージです。
ですから”apple”は「アップル」ではなく「ェアポゥ」、”bag”は「バッグ」ではなく「ベァアグ」、”cat”は「キャット」ではなく「ケァトッ」と発音されるわけですね。
【ʌ】
「あ」に聞こえる英語の母音には【ʌ】もあります。
発音記号の【ʌ】で発音される英単語には、例えばup, bus, comeが挙げられます。
発音記号の【ʌ】は日本語の「あ」の発音よりも短く区切ったような発音で、口を大きくは開かずに軽く開いた状態で「ア」と発音するイメージです。
upもbusもcomeも、ハッキリと「あ」と発音するのではなく、短く「ア」と発音するイメージです。
【ǝ】
「あ」に聞こえる英語の母音には【ǝ】もあります。
【ǝ】は「シュワサウンド」と呼ばれ、「曖昧(あいまい)な発音」として知られる発音です。
ですから、私たち日本人はハキハキと発音される日本語を話すので、聞き分けたり使い分けたりするのが少し難しく感じるかもしれません。
【ǝ】はabout, ago, away,などで発音され、上述した【ʌ】よりも短く、発音したかしなかったか曖昧(あいまい)なくらい小さく発音されます。
aboutは「(ァ)バウトゥッ」、agoは「(ァ)ゴゥ」、awayは「(ァ)ウェイ」と発音されるイメージです。
「い」に聞こえる母音
「い」に聞こえる母音は、英語では以下のように分けられます。
【 i 】
「い」に聞こえる英語の母音として、発音記号の【 i 】が挙げられます。
発音記号の【 i 】で発音される英単語には、例えばit, sit, image, などが挙げられます。
発音記号の【 i 】は、日本語の「い」のように口を横に「いー」っと広げた形で発音しますが、日本語の「い」よりもハッキリと発音せずに、口の中の力は抜いて「い」と「え」の間の曖昧な発音になるイメージです。
【i:】
「い」に聞こえる英語の母音には【i:】もあります。
keyやeat, feelなどが【I:】にあたり、「いー」と少し伸ばして発音されます。
上述した【 i 】に比べてハッキリと「いー」と発音されるのが【i:】です。
「う」に聞こえる母音
「う」に聞こえる母音は、英語では以下のように分けられます。
【u】
「う」に聞こえる英語の母音として、発音記号の【u】が挙げられます。
put, pull, lookなどが【u】にあたり、口を少し「う」の形にして、短く「う」と発音するイメージです。
【u:】
「う」に聞こえる英語の母音には【u:】もあります。
doやcool, blueなどが【u:】にあたり、日本語の「う」よりも少し大きく唇を前に突き出して「うー」と伸ばして発音されます。
「え」に聞こえる母音
「え」に聞こえる英語の母音は以下の通りです。
【e】
「え」に聞こえる英語の母音として、発音記号の【e】が挙げられます。
said, test, tennisなどが【e】にあたり、日本語の「え」に比べて「え」と「い」の中間の「曖昧(あいまい)な」発音です。
「お」に聞こえる母音
「お」に聞こえる英語の母音は以下の通りです。
【ɔ:】
「お」に聞こえる英語の母音として、発音記号の【ɔ:】が挙げられます。
ballやdog, smallなどが【ɔ:】にあたり、「おー」と伸ばした発音になります。
母音を組み合わせた母音
日本語の「あ、い、う、え、お」にあたる母音が組み合わさったものも、英語では「ひとつの母音」としてカウントします。
順番に見ていきましょう。
【ai】
【ai】は日本語の母音で言う「あ」と「い」が組み合わさった英語の母音で、「あぃ」と発音されます。
iceやmind, kindなどで使われているのが【ai】ですね。
iceは「アィス」、mindは「マィンド」、kindは「カィンド」で「あぃ」の発音になっています。
【au】
【au】は日本語の母音で言う「あ」と「う」が組み合わさった英語の母音で、「あぅ」と発音されます。
例えばhouseやdown, brownなどで【au】が使われています。
【ei】
【ei】は日本語の母音で言う「え」と「い」が組み合わさった英語の母音で、「えぃ」と発音されます。
例えば、sayやtake, waitなどで【ei】が使われています。
takeをローマ字読みの通りに「タケ」と読まないのは、この【ei】の母音が当てはまっているからというわけですね。
【ɔi】
【ɔi】は日本語の母音で言う「お」と「い」が組み合わさった英語の母音で、「おぃ」や「おぉぃ」と発音されます。
例えばboyやjoin, enjoyなどが【ɔi】にあたります。
【ou】
【ou】は日本語の母音で言う「お」と「う」が組み合わさった英語の母音で、「おぅ」や「おぉぅ」と発音されます。
例えばgoやopen, mostなどが【ou】にあたります。
まとめ
この記事では、英語を発音する時に大切な「母音」と「子音」の大まかな違い、そして日本語では「あ、い、う、え、お」で完結する「母音」について、英語の発音記号からもう少し細かい視点で英語の母音をお伝えしました。
ここまでお読みのあなたは、英会話の際に英語の母音をより正確にイメージでき、無意識のうちに発音の精度が上がって英語らしい発音ができるようになっていくでしょう。
この記事でお伝えした内容が、あなたの英語学習をより充実したものにできれば幸いです。