朝はパンにジャムをつけて食べる、という人は結構多いのではないでしょうか。
あるいはジャムをヨーグルトに混ぜて食べている人もいるでしょう。さて、このジャムですが、英語ではなんて言うのでしょうか。英語でもジャム?調べてみると、ジャムには私たちのよく知るジャム以外の意味もありました。
この記事では、ジャムにまつわる単語やフレーズをいろいろ紹介します。
jamとは?
日本の「jam」には、農林水産省が定めた規格があります。これによるとジャム類は、「果実などを砂糖類や糖アルコール、又はハチミツと一緒にゼリー化するまで加熱したもの」、またこれに柑橘類の果汁やゲル化剤、香料などを加えたものを指します。
英語でもジャムは「jam」ですが、日本と同じようにいくつかの種類に分かれていますので、わかりやすく表にまとめてみました。
ジャム (jam) |
ジャム類の中でマーマレードでもゼリーでもないもの |
マーマレード (marmalade) |
ジャム類の中で柑橘類の果汁を原料としており、その皮が入ったもの |
ゼリー
(jelly) |
ジャム類で果実を絞った果汁を原料として作られたもの
見た目からしてゆるいので、パンに塗ると食べにくい |
プレザーブ
(preserve) |
ジャム類で、ベリー類(イチゴは除く)の果実を原料とした場合は全形の果実、イチゴを原料とした場合は全形か2つ割りの果実、ベリー以外の果実が原料の場合は5mm以上の厚さを持つ果肉が残っているもの |
くわしく知りたい方は、「ジャム類の日本農林規格(JAS)抜粋」をチェックしてみてくださいね。
Wow, there’s a new jam. Let’s eat it on bread.
訳)わーい、新しいジャムがある。パンに塗って食べよう。
Oh, that’s jelly, so we’ll mix it with yogurt.
訳)ああ、それはゼリーだからヨーグルトに混ぜて食べようね
Can’t I put that on bread?
訳)パンに塗ったらダメなの?
You can but be careful not to spill it.
訳)良いけどこぼさないよう気をつけてね
「confiture」(コンフィチュール)とは?
コンフィチュールとジャムの違いを説明するのは難しいかもしれません。というのも「confiture」はフランス語で「ジャム」を意味する言葉だからです。両者は同じものなのかというとそうではありません。
ジャムは果実を煮詰め、ペクチンでゼリー化させるのに対して、コンフィチュールは果汁を煮詰めた後に果肉を加えるのが元々の製法です。また香辛料やハーブ、リキュールなどのフルーツ以外のものを加えて仕上げていることが多いのもコンフィチュールの特徴です。
人気のジャム
ジャムにはさまざまな種類のものがありますが、ジャムと聞いて思い浮かぶ定番のジャム、人気のジャムは何でしょうか?
イチゴジャム
多くの人が好きなジャム、昔からあるジャムの一つはイチゴジャムですね。イチゴの赤い色がカラフルで、イチゴのつぶつぶ感もありフルーティーな香りや味が感じられます。昔からジャムパンなどもあり、なぜか懐かしさを感じる味わいです。
パンやヨーグルトなど、いろいろな食品と合わせやすい定番のジャムですね。イチゴの品種も多くなり、味にこだわりがあるジャムも作られるようになりました。
イチゴには美容効果・健康効果が期待できる成分が含まれています。シミや老化の原因となる活性酸素から肌を守る効果や貧血予防、免疫力アップの効果をもつビタミンCがあります。そのほか、美白効果があるポリフェノールもイチゴには含まれています。
紅茶にイチゴジャムを入れて飲むのも、おいしくいただけます。
りんごジャム
爽やかで優しい味わいのりんごジャムも人気ですね。りんごの果肉だけで作ったジャムは黄金色のものが多く、赤みがある濃い色のジャムはりんごの皮も使っていることが多いそうです。
パンに塗ったり、アップルパイを作るときに使ったり、肉料理のソースに加えたり、さまざまな使い方ができます。
イギリスでは「1日1個のりんごは医者いらず」ということわざがあるほどで、ビタミンや食物繊維、ミネラルが豊富なフルーツです。健康に加えて美容にも良い成分が豊富に含まれています。
ブルーベリージャム
甘酸っぱいブルーベリーのジャムも、人気のジャムです。きれいな青紫色が目にも鮮やかで食卓を彩ります。
パンやヨーグルトのほか、レアチーズケーキなどのスイーツとも相性がよいといわれています。
ブルーベリーは、「目によい」と言われるアントシアニンを含んでいます。そのほかにもさまざまな成分が含まれています。抗酸化作用を持つビタミンE、透明感のある美肌を保つ効果のある亜鉛などが含まれます。また、腸内環境を整える効果がある食物繊維も含みますので、美容にも良いフルーツです。
アプリコットジャム
まろやかな甘みとほのかな酸味が特徴のアプリコットジャム。紅茶に加えれば豊かな風味の紅茶を楽しめます。
アプリコットはビタミンAと食物繊維が豊富です。
ローズジャム
バラの華やかな香りが漂うローズジャムは、バラの花びらを煮詰めて作ったジャムです。
美しいバラ同様、ローズジャムもバラの華やかな香りが閉じ込められていて、高貴な香りがします。
熱い紅茶に入れるとリラックス効果も期待できます。さらに美肌効果もありますので、ぜひ味わいたいですね。
世界にはどんなジャムがある?
世界にはどんなおいしいジャムがあるのでしょうか。海外旅行に行ったらお土産に買って帰りたくなるような、おいしくて有名なジャムを紹介します。
おいしいジャムは、パン好きな人には欠かせないアイテムですから、今回紹介するジャムが買える国にお友達が行くならお土産に頼んでみるのもおすすめです!
もちろん、中には日本で買えるものもありますからぜひチェックしてみてくださいね。
①シンガポールのティーブランドTWGの「1837 Black tea Jelly」
シンガポールの高級紅茶ブランドTWG。(トワイニングではありません)このTWGが販売している1837 Black tea Jellyは、パンに塗っても、紅茶に入れても大満足の一品なのです。香りも良いし、プレゼントにも最適。自分へのご褒美にもぜひ。
②フランスのコンフィチュール専門店 ラ・シャンブル・オ・コンフィチュール
「ラ・シャンブル」は「部屋」という意味ですが、その名のとおり部屋いっぱいにコンフィチュールが並んでいます。美食の国フランスの中でも美食通りといわれるパリ9区のマルティーユ通りに店を構え、おいしいものに目がないパリっ子の心をつかむ人気店です。
このお店のコンフィチュールは100種類以上あり、ラズベリーやアプリコットなど単品で作られたコンフィチュールもあれば、お店独自のブレンドで作られたコンフィチュールもあり、どれもおすすめ。
ジャムの歴史
ジャムの歴史はとても古いといわれています。なんと、旧石器時代後期1万~1万5千年前までさかのぼります。スペインの遺跡で、当時の人たちが木に登ってはちみつを採っている壁画が発見されました。また、はちみつを使って土器で果物を煮た跡も発見されました。それがジャムのはじまりだといわれています。
紀元前320年頃から、砂糖を使ってジャムが作られるようになったといわれています。インド遠征からアレクサンダー大王が砂糖をヨーロッパに持ち帰り、ジャムが作られたとのこと。
その後、十字軍のオリエント遠征でヨーロッパに大量の砂糖が持ち帰られ、ジャム作りが普及します。冬の間も果物を楽しむための保存食として親しまれてきたそうです。
イギリスはジャム作りもマーマレード作りも伝統的に行われています。マーマレードは今もイギリスの朝食に欠かせません。
フランスでは、ナポレオンの時代に砂糖が普及し始め、家庭でもジャム作りが普及するようになったそうです。ジャムの種類も多く、食文化の中に浸透して親しまれています。
日本に広がったジャム
日本にジャムが入ってきたのは、16世紀後半宣教師によってだといわれています。ジャム製造の最初の記録は、明治10年でイチゴジャムだそうです。明治14年、缶詰に入ったイチゴジャムが長野県で作られ、長野県はジャム製造が盛んになりました。
明治33年、木村屋でジャムパンが販売され、ジャムは少しずつ広まっていきました。
第二次世界大戦後、学校給食でパン食が広まり、パンにジャムを塗って食べるようになり、ジャムが親しまれるようになりました。
Do you like jam bread?
訳)ジャムパンは好き?
Of course. Jam bread has been around since the Meiji era.
訳)もちろん!ジャムパンは明治時代からあるんだね。
マーマレードの由来とは?
オレンジや夏みかん、グレープフルーツで作られることの多いマーマレードは、英語で「marmalade」といいます。
マーマレードという名前の由来は、マルメラーダ(ポルトガル語では「marmelada」)というマルメロのジャムだといわれています。
マルメラーダがマーマレードを指す意味になった原因は、マルメロの語源が古代ギリシャ語で「オレンジのジャム」を意味していたため、混同されたのだという説が有力です。
ちなみにこのマルメロは、西洋かりんとも呼ばれる果実で、日本では長野や青森、秋田、北海道などで栽培されています。
ジャムには英語で他の意味もある
「jam」には、食べるジャム以外にもいくつかの意味があるので、確認してみましょう。
たとえば、「jam」には「無理やり詰め込む」という動詞の意味があるので「プリンターに紙が詰まった」と言いたいときには、「Paper jammed in the printer.」という表現になります。日本語でも、「ジャムる」と言われたりしますね。
他にも「交通渋滞」のことを「traffic jam」と言いますし、「窮地」や「難局」などの名詞としての意味もありますから覚えておきましょう。
Paper jammed in the copy machine.
訳)コピー機が詰まったよ
Again?
訳)またなの?
It often gets jammed.
訳)よく詰まるよなあ
Come on. I’m in a hurry.
訳)勘弁してよ。急いでるのに
イギリスのジャムはアメリカではゼリー?
イギリスとアメリカで使う単語が異なるものは結構あります。たとえば「elevator(エレベーター)(アメリカ英語)」と「lift(リフト)(イギリス英語)」もそうです。
今回紹介しているジャムも、イギリスとアメリカでは単語が異なります。イギリスでは「ジャム」を「jam」といいますが、アメリカでは「jelly」と呼ぶんです。
アメリカでも「jam」も売っていますが、日本のジャムとは少し違うので、機会があればぜひ食べてみてくださいね。
「jam」を使った英語のスラングってどんなものがある?
「jam」にはいろいろな意味がありますが、まずは「This is my jam.」を紹介します。
これは私のジャムよ、という意味ではなく、「これは私の大好きな曲」という意味です。
また、「jam」は「大好きなもの」を表す単語でもあります。たとえば「That movie is my jam.(その英語は私の大好きな作品なの)」というふうに使います。
Let’s go clubbing.
訳)クラブ行こうよ
Sorry, but that is not my jam.
訳)ごめんね、そういうの苦手なんだ
Let’s have a jam session tonight.
訳)今晩、ジャムセッションしましょう
OK. I’ll take my guitar.
訳)オッケー、ぼくはギターをもっていくよ
まとめ
パン好きな人にとっては、ジャムは欠かせないものだったりしますよね。何種類もそろえて、その日の気分で使い分けているという人も多いのではないでしょうか。
紅茶に入れて飲むならコンフィチュールもおすすめです。香辛料やリキュールが効いていておいしいんですよ。また、豚肉を焼くときにマーマレードを使うのもおすすめです。
今日紹介した単語やフレーズもぜひ会話で使ってみてくださいね。英語はインプットと同じくらいアウトプットが大切ですからね!
See you next time!