英語を通じて「異なる文化を理解・体験したい」という方は少なくありません。
自分の知らない文化に触れることは、新しい経験がたくさんできるとても魅力的な体験です。

そんな異文化を理解する際に欠かせないのが「歴史」。
歴史を学ぶことで視野が広くなり、今まで気づかなかったものが見えるようになりますよ。

では「歴史」を英語で何というか知っていますか?
今回は「歴史」の英語表現と「英語の歴史」についてご紹介します。
「英語の歴史」を知れば、もしかして、英語力がさらにUPするかも!?しれませんよ。

「歴史」は英語で何て言う?

「歴史」は英語で何て言う?

「歴史」は英語では”history”です。
「ヒストリー」とカタカナで日本語にもなっているので、すぐわかった方が多いはず。

Aさん
I’m studying history at university.

わたしは大学で歴史を勉強しています。

 

Aさん
History repeats itself.

歴史は繰り返す。

2つ目の例文は英語のことわざ。「過去に起こった出来事は、時代を超えて類似の出来事が繰り返し起こるものだ」という意味のものローマの歴史家クルティウス=ルーフスの言葉とされています。

世界史は”world history”、日本史は”Japanese history”です。

Aさん
His specialty is Japanese history.

彼の専門は日本史だ。

Aさん
Japanese high school students choose either Japanese history or world history and then take the class.
日本の高校生は、日本史か世界史、どちらかを選択して受講する。

history”の形容詞は”historical”で「歴史の、歴史上の」という意味です。

Aさん
Who is your favorite Japanese historical figure?

日本の歴史上の人物で誰が好きですか?


Bさん
My favorite historical figure is Oda Nobunaga.

私は織田信長が好きです。

「歴史マニア」って何て言う?

あなたの周りに歴史好きはいませんか?歴史が好きないわゆる「歴史マニア」の英語表現を確認しましょう。

Aさん
As a history buff, he loves reading historical novels.
彼は歴史マニアなので、歴史小説を読むのが大好きだ。

buff”は「愛好家」や「マニア」という意味。歴史はもちろん、映画や音楽、スポーツなどの熱狂的なファンを表現するときによく使われる単語です。

ちなみに愛好家を意味する「マニア」は和製英語。人を表現する場合は”a maniac”を使います。ただ、”a maniac”には「ヤバいやつ」や「狂人」というネガティブな意味があるため、使わないほうが無難かも…

歴史以外のhistoryの意味を確認しよう!

歴史以外のhistoryの意味を確認しよう!

history”の意味は「歴史」だけでなく、「経歴」や「病歴」など人の過去を意味することもあります。

  • 病歴
    He had a history of heart disease.
    彼には心臓病の病歴があった。
  • 経歴
    Please send your resume and work history by email.
    履歴書と職務経歴書をメールで送信してください。
  • パソコンの履歴
    I want to know how to delete the history on my PC.
    パソコンの履歴の削除の仕方を知りたい。
  • クレジットヒストリー(クレジットカードやローンの利用履歴に関する情報)
    We had to have a sufficient credit history to get the loan.
    融資を受けるには、良好なクレジットヒストリーが必要だった。

history”を使った定番フレーズもあるので、確認しておきましょう。

Aさん
The rest is history.

ここから先はご存じのとおりです。


Aさん
He’s history.

彼はもう過去の人物だ。


Aさん
I’m history.

もう行くよ、さようなら。

英語の歴史を知れば、英単語を覚えやすくなる?

「歴史」の英語は“hisotry”ですが、「英語の歴史」そのものはご存じですか?
英語を学習している人にとって「英語の歴史」は知っておいて損はありません。
「英語の歴史」を知れば、語源や由来がわかり、ボキャブラリーの強化に一役買ってくれるかも?
そんな「英語の歴史」を確認しましょう。

英語の歴史は、大きく古英語、中英語、近代英語の三つに分けられています。

古英語

古英語は5世紀ごろにドイツからイギリスへ移住したアングロ・サクソン人がもたらした言語です。
世界史の授業で習った「ゲルマン人の大移動」という言葉を覚えている方もいるのでは?
一般的に英語の歴史では449年が「英語の始まり」とされています。
これは、アングロ・サクソン人がブリテン諸島にやってきたとされる年。そのため、当時の英語はドイツ語にとてもよく似ていました。

中英語

古英語の次の中英語は1100年から1500年ぐらいまでの英語のこと。
この期間に英語の歴史にもっとも大きな影響を及ぼしたのは「ノルマン=コンクェスト」です。
北フランスに領土を持っていたノルマン人のウィリアムが、1066年にイギリスを征服して、ノルマン朝を開きます。
ノルマン人が話していた言語はフランス語。そのため、ギリスの公用語がフランス語となりました。
ただ、フランス語が公用語になったと言えど、それは支配階級でのこと。一般の人は引き続き古英語を話していました。

牛にcowとbeefがある理由

英語を勉強中に、動物名と食用肉の単語が違うことを疑問に思いませんでしたか?
これはこの時代の名残。
食用肉となる家畜を育てるのは一般庶民で、食用肉を食べるのは支配階級の貴族であったため、それぞれの呼び名が異なったから、とされています。
牛を意味するcow, oxは古英語に由来し、beefフランス語由来の言葉なのです。

この時代の大きな特徴はフランス語から借りた言葉が非常に多いこと。現在の英語の約30%はフランス語からの借用語だとされています。
もともと支配階級の言葉なので、芸術や文化、政治や法律、裁判などに関連した言葉が多いのもポイントでしょう。

近代英語

その後、しばらくフランス語が公用語の状態が続きましたが、1339年にイギリスとフランスは百年戦争に突入。フランス語は敵国の言語となりました。さらに、1399年に母国語が英語であるヘンリー4世が即位し、イギリスの公用語がフランス語から英語へと変化します。
英語の歴史ではこの英語復権後の1500年から1900年くらいまでを「近代英語」の時代といいます。
16世紀末のイギリスを代表する劇作家ウィリアム=シェークスピアの作品はまさに初期の近代英語を代表するものといわれており、現在のわたしたちの知る英語に近いかたちへとなってきています。

今や英語は世界で最も幅広く使用されている言語。英語が使われるのは公用語とされている国だけではなく、世界の共通語としてさまざまなシーンで英語でのコミュニケーションが行われています。

まとめ

今回は「歴史」についてご紹介しました。”history”には歴史だけでなく、「病歴」や「経歴」など個人的な過去の出来事の意味もあります。
また、「英語の歴史」を知ることは、英語学習に違った面白さを与えてくれるはず。

おそらく、「英語の歴史」はこれからも続き、さらに変化し続けるに違いありません。そんな変化を楽しみながら、英語を学習し続けたいですね。