うっとりするような動き、美しいチュチュ姿のバレエダンサー達。クラシックバレエって、ため息ものですね。
お子さんがバレエを習っているご家庭もあるでしょう。
芸術舞踊として人気で世界的に知名度のあるバレエ、外国人がどのような英語を使ってバレエを習っているのか、バレエを鑑賞しているのか興味がありませんか?
この記事ではバレエを取り上げ、まつわる英語表現や海外のコンクールなどを紹介します。憧れの世界をぜひお楽しみください。
外国語でバレエをどう表現する?
バレエの英語は「ballet」です。
バレエの発祥を紐解いていくと、ルネッサンス時代のイタリアで生まれ、フランスで発展し、ロシアで完成されたものであることが分かります。
そもそもの語源は「踊る・飛びまわる」という意味のイタリア語ballettoです。それがフランスに渡り、balletとなります。フランス語を習ったことのある人には、フランス語で語尾が-etで終わる単語は古フランス語であることをご存知かもしれません。
balletに始まり、anklet(お守り)やblanket(ブランケット)などもそうでしょう。
このように、バレエは外国語であるとともに、その言葉の由来はイタリア語からフランス語に変わっていった経緯があります。そして、英語ではそのままballetとして使われているのです。
世界最古のバレエ団はルイ14世によって設立された王立舞踊アカデミーです。ヴェルサイユ宮殿が建設された1661年のことであり、この年こそパリ・オペラ座バレエ団の発祥だったのです。
わずか4歳で即位したルイ14世のためにバレエの式典が開催され、彼自身も14歳頃にバレエダンサーとして舞台に立っています。ルイ14世によって初めてのバレエ団が設立されましたが、バレエを政治のために利用した側面もあったそうです。バレエには、なかなか奥深いストーリーがあるんですね。
西ヨーロッパで始まり、広がったバレエ芸術。少しだけバックグランドが分かりましたね。
バレエ英語って何?
英語は英語でも「バレエ英語」というものがあります。言葉の通り、バレエのために使われる英語のフレーズです。
バレリーナはballerina、
バレエシューズはballet slippers、
バレエに欠かせない練習用手すりの英語はbarre(バァ)です。
さて、バレエにはいくつかの基本動作があります。
バレエのイメージとして脚を外に開くもの、どちらかの足をもう一方の足に対して真横で平行になるようにする、脚をクロスさせるなどなど。腕に関しても上下、左右に優雅に動かします。
このように、バレエ英語とは、体の部位やその動きを説明する英語がほとんどです。それでは、バレエ英語の一部を紹介しましょう。
体の部位のバレエ英語
- Head/頭
- Face/顔
- Upper body/上半身
- Lower body/下半身
- Muscle/筋肉
- Joint/関節
- Shoulder/肩
- Rib/あばら骨
- Rib cage/胸郭
- Stomach/お腹
- Arms/腕
- Finger tips/指先
- Leg/脚
- Inside leg/バーの方の脚
- Calf/ふくらはぎ
- Knee/ひざ
- Thigh/腿
- Ankle/くるぶし
- Toes/足指
- Heel/かかと
体の動きのバレエ英語など
- Outwards/外側に
- Inwards/内側に
- Forwards/前方へ
- Backwards/後方へ
- Sideways/横へ
- Faster/速く
- Slower/ゆっくり
- Dynamics/強弱をつける
体の部位と動きを組み合わせて英文を作っていくんですね。
バレエのステップはフランス語
バレエ英語を紹介しましたが、イタリアで生まれ、フランスで発展したバレエのステップなどはそのまま大部分がフランス語が使われています。
バレエのステップとポジションを紹介
- Avant/アヴァン 前方へのステップ
- Assemble/アッサンブレ 片足で踏み切って両足で着地するジャンプ
- Attitude/アティテュード 動脚の膝を外旋させつつ90度に持ち上げた状態で立った姿勢
- Arabesque/アラベスク 片脚で立ち、もう一方の脚を体の後方にまっすぐ伸ばした姿勢
- Arriere/アリエール 後方へのステップ
- Allegro/アレグロ すべてのジャンプのこと
- Entrechat/アントルシャ ジャンプ中に空中で脚を前後で交差させ撃ち合わせるステップ
- Emboite/アンポワテ 前・後ろへ小さく移動するステップ
- Cabriole/カブリオール 伸ばした脚を空中で打ち合わせるステップ
- Grand jete/グラン・ジュテ 大きく長い水平ジャンプ
- Chaines/シェネ 直線または円形の経路を移動しながら脚を変えながら回転を繰り返すステップ
これらは一部で、まだまだ動作があります。言えることはバレエを習えば、英語とフランス語の両方が学べるというおまけがついてくるということですね。
バレエのレッスン
筆者の住むイギリスでは、子ども達が小さいときからバレエのレッスンを受けることがよくあります。小さいと言っても小学生でなく、2歳~3歳で始めるのです。オンラインで検索すれば、◯◯ Ballet AcademyやBallet classes for Adultsなどの情報がすぐに見つかります。
バレエのレッスンについて、基本中の例文を紹介します。
I started learning ballet.
訳)バレエのレッスンを始めた
I attend ballet lessons.
訳)バレエのレッスンに通っている
I take ballet lessons.
訳)バレエのレッスンを受けている
I’ve been learning ballet for one year.
訳)1年間、バレエを習っている
I want to be a ballerina.
訳)バレリーナになりたい
近所のバレエ学校ではまとめ髪にした小さな子ども達がレオタードを着てレッスンしている姿がなんとも微笑ましいですが、実は創立1930年のEnglish National Ballet(イングリッシュ・ナショナル・バレエ団)という素晴らしいバレエ団でも大人や子ども向けのレッスンが行なわれているんです。イングリッシュ・ナショナル・バレエ団はロンドンが本拠の英国の5大バレエ団の一つであり、日本人ダンサーも在籍しています。
English National Balletの美しいウェブサイトをご覧ください。
ビギナーのためのレッスン情報のページです。
Pay-as-you-go(行った回だけ)という支払い方法もあり、この場合14ポンド(約2,300円)と格安です。
イギリス英語を目指していて、かつバレエの練習をしている人、または憧れのバレエレッスンをイギリスで体験したい人にとって、本場のバレエレッスンを受けられるこの機会はパーフェクトなものではないでしょうか?
バレエのその他情報、階級や世界大会など
バレエの演目として、もっとも人気なものにチャイコフスキー3大バレエと呼ばれる3作品があります。「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」です。
人気の演目があるように、世界の頂点を極める人気のバレリーナがいます。イタリアのマルティナ・アルドゥイーノは若干20歳で「ロミオとジュリエット」に大抜擢、美貌と正確な技術で見事に大役を演じました。
そして、バレエダンサーには階級があります。
- プリンシパルまたはエトワール(主役級ダンサー、バレエ団の顔)
- ファースト・ソリストまたはプルミエ・ダンスール(準主役級ダンサー)
- ソリスト(主要な役を与えられ、ソロを踊ることができるダンサー)
- ファースト・アーチスト(群衆のなかのリーダー役)
- アーチストまたはカドリーユ(群衆、コールドとも呼ばれるダンサー)
日本人でもプリンシパルとして活躍するダンサーが海外にいますが、プリンシパルやファースト・ソリストになることはものすごく大変なことなんですね。
将来のプリンシパルを目指す若手達はスイスのローザンヌ国際バレエコンクールやブルガリアのヴァルナ国際バレエコンクールなど、世界ではバレエの大会に出場します。
ファッションが大好きな人がロンドン・ファッションウィークやパリコレに行きたいのと同じに、バレエファンであれば、国際大会で若手バレリーナ達のパフォーマンスを見てみたいのではないでしょうか?
バレエの英語まとめ
バレエはballet。ただただ美しく、感情移入できる非日常の世界です。余分なものを取り去ったボディの完璧さ、言葉は一切なく体だけで表現する究極の美、他にはない魅力がバレエにあります。
バレエを通して英語を学ぶのもプレミアム感があってよいのではないでしょうか?