英語における相槌の意味とは?

ふだんひとと話しているときに、「うんうん」「そうだね」など、何気なく相槌(あいづち)を打っていることはありませんか。これは日本語だけではなく、英語などの外国語で会話するときにも必要な、コミュニケーションのテクニックです。

相槌を打つことによって、「あなたの話を聞いているよ」ということを相手に伝えることができます。

逆に、もし適切なタイミングで相槌がなければ、「この人は自分の話を聞いてくれているのかな?」と、話している本人を不安にさせてしまうかもしれません。あるいは、話し手の意見に不賛成だったり、気を悪くしているのではないかという印象を与える恐れもあります。

相槌は、相手の話に反応して、それ以降の会話を続けやすくすることもメリットのひとつです。

「確かに」「そうだよね」など聞いている側が共感してくれると、会話が自然と盛り上がって、話を続けやすい雰囲気になります。

英会話の相槌は簡単なものが多く、初心者でも取り入れやすいと思います。この記事では、英語の会話を盛り上げ、スムーズに進めるテクニックとして、英語における相槌の意味を考えてみます。

英会話中の相槌のポイント

そもそも相槌とは

問いかけに答えること。相手の話に巧みに調子を合わせること。

「相槌」 『精選版 日本国語大辞典』

日本語でのもともとの意味は、鍛冶屋の親方が打つあいだに、弟子が槌を入れる、息の合った共同作業のイメージです。

実際に英語で会話しているなかで相槌を打つ場合、ポイントはふたつあります。

ひとつ目のポイントとしては、言葉だけではなく、笑う・うなずくといった表情や体の動きもうまく使うことが挙げられます。

これは日本語で会話するときも同様です。笑顔という表情、うなずくといった体の動きを上手に使えば、たとえ英語に自信がなくても、自分の気持ちを話し手に伝えることができます。

ただし、英会話を上達させるためには、表情や体の動きに頼り過ぎるのは禁物です。

そしてふたつ目のポイントは、相手の話が終わってから相槌を打つことです。

これは日本人にとってはなじみがないことかもしれません。通常、日本語の会話では「うんうん」「そうだね」など、相手が話しているのを聞きながら、話の途中でも相槌を打つケースが多く見られます。

しかし、英語の場合は、相手が一通り話し終わってから「なるほど」と相槌を打ちます。これは、相手の話をさえぎらないようにするためのマナーです。

【超初級編】明日から実践できる相槌の例

【超初級編】明日から実践できる相槌の例

共感を示す相槌

まず、相手の話に共感する際のもっとも簡単な英語の相槌の例は以下の5つです。

Aさん
Yeah.
訳)うん。

Aさん
Right/OK.
訳)そうだね。

Aさん
Sure.
訳)もちろん。

Aさん
I see.
訳)なるほど。

Aさん
Me too.
訳)私も。

これらの5つの相槌を打つだけでも、十分に会話が成り立つこともあります。

Aさん
I will go to a café. Let’s go together.
訳)カフェに行くの。一緒に行こう。

Bさん
Sure!
訳)もちろん!

Aさん
I like cats better than dogs.
訳)わたし、犬より猫が好きなの。

Bさん
Me too.
訳)わたしも猫の方が好き。

 

共感を伝える相槌として、「Me too.」は短いながらも非常に便利です。例文のように「Me too.」と言うだけで、「わたしも犬より猫が好き」という気持ちを簡単に伝えることができます。

ちなみに「Me too.」は「I thnk so too.」でもよいです。このように、比較的簡単な「Yeah.」や「OK.」だけではなく、その他の表現も使えると英会話のレベルがアップします。

Exactly. まさにそのとおり

Correct.  そのとおり

No wonder.  道理で

I know, I know. わかる、わかる

など、相槌にはいろいろな表現があります。

この項で紹介したYeahは、「うん」「そうそう」のほかに、場面によってさまざまな意味合いを表現することができる、便利なことばです。次の記事でYeahの使い方を掘り下げているので、知っておくと役に立ちます。

相手への気遣いを示す相槌

相手が大変な状況にある場合、以下のような相手を気遣う意味の相槌を打てば、相手の気持ちに寄り添うことを表現できます。

Aさん
Oh dear.
訳)それは大変ですね。

Aさん
That’s a bummer.
訳)それは残念ですね。

Aさん
Oh no….
訳)それは辛いですね。

・dear(間投詞)まあ、おや(困惑や驚き、同情など)

Dear me! (おや、まあ)

 

・bummer(名詞)いやな経験、失敗

What a bummer! (なんということでしょう)

ちなみに、「それは大変ですね」と言いたい場合「That’s too bad.」や「It’s shocking.」を使っても構いません。

 

Aさん
The cat which I kept died….
飼っていた猫が死んだの。
Bさん
That’s too bad.
それはお気の毒に。

「That’s too bad.」は「共感を示す相槌」と同じように「わたしはあなたと同じ気持ちです」ということを伝えています。ただし、内容がネガティブな場合は、共感すると同時に「あなたを心配しています」という意味合いも含まれます。

驚きを表す相槌

Aさん
Wow!
訳)すごい!

Aさん
Congratulations!
訳)素晴らしい!/ おめでとう!

Aさん
Really?
訳)本当に?

驚いたときの相槌は、声の調子もポイントです。語尾をしっかり上げることで、非常に驚いていることを伝えられます。

信じられないくらい驚くような話をされた場合は「You’re kidding!(冗談でしょ?)」「No way!(まさか!)」も便利です。

Aさん
I saw a ghost last night in a tunnel.
訳)昨日の夜、トンネルで幽霊を見たんだ。

Bさん
You’re kidding!
訳)冗談でしょ?

 

このように、相槌にはいろいろな言い方がありますが、まずは相手の話を聞いて受け止め、それに対して「共感」「気遣い」「驚き」を伝える役割があります。

反対に、自分が話しているときに、相手の同意や共感を求めることもあると思います。以下の記事では、「そう思わない?」というような、相手に反応を求める表現も紹介していて参考になります。

【初級編】超便利な「That’s~.」!これ1つで様々な相槌が打てる!?

【初級編】超便利な「That’s~.」!これ1つで様々な相槌が打てる!?

超初級編から少し踏み込んだ表現として「That’s~.」が挙げられます。That’sの後ろに形容詞を置けば「それは~だね」とこれひとつでさまざまな感情を表現できます。

Aさん
That’s nice.
訳)それいいね。

Aさん
That’s shame.
訳)それは残念だね。

Aさん
That’s amazing.
訳)それはすごいね。

・shame(名詞)恥、恥辱、不面目/この文脈では、残念なこと、気の毒なこと、不運なこと

What a shame! (ついていないね) 相手に対する同情と、自分もそのことを残念に思う気持ちを伝える相槌

ちなみに「それいいね」「それは面白そうだね」を意味する「That’s nice.」は、「It sounds great.」や「It must be fun.」などの言い換えもあります。

「eccentric」(変)・「odd」(不思議)・「unusual」(珍しい)など少し難しい形容詞を覚えて使えば、より英会話を楽しむことが可能です。

 

・eccentric(形容詞) (ひとや行動が)風変わりな、上記を逸した 類語:strange

 

・odd(形容詞) 変な、変わった、奇妙な、おかしな、異常な 類語:strange

 

・unusual(形容詞) ふつうでない、異常な;まれな、珍しい;風変わりな

Aさん
I do a live with a friend this time.
訳)今度友達とライブをするんだ。

Bさん
That’s interesting!
訳)それは面白そうだね。

【中級編】相手の発言を活用する「So~I.」「Neither~I.」

【初級編】超便利な「That’s~.」!これ1つで様々な相槌が打てる!?

基本ルール

簡単な表現に慣れてきたら、次のステップに進みましょう。

「So do I.」は相手の言っていることを理解しないと使えない、中級レベルの相槌表現で、「Me too.」と同じく「わたしも」という気持ちを意味します。ポイントは肯定文では「So ~ I.」、否定文では「Neither ~ I.」を使うことです。

肯定文に使う場合

Aさん
I’m a big fan of the cake of that café.
訳)あのカフェのケーキの大ファンなの。

Bさん
So am I.
訳)わたしもそう。

 

「So ~ I.」を使う場合、相手の発言の動詞に注目してください。

例文では「I am」とAさんがbe動詞を使っているので、Iと対になるbe動詞のamを使って相槌を打ちます。

このように、この文型は相手が使っている動詞に合わせて言い方を変えなければならないので、高度なテクニックが求められます。正しい相槌を打つには、相手の英語をしっかり聞き取るヒアリング力を養うことが大切です。

Aさん
I always eat only sweets.
訳)いつも甘いものばかり食べちゃうの。

Bさん
So do I.
訳)私も。

 

この場合、Aさんは「I eat」という動作を表す一般動詞を使っています。そして現在形を使って話しているので、現在形のdoを使うことで正しい相槌になります。

Aさん
I ate sweets yesterday.
昨日甘いものを食べた。
Bさん
So did I.
私も。
  • sweets (名詞) 甘いもの;砂糖菓子、キャンデー ※sweetの複数形

先程の例文とは違って、Aさんはeatの過去形のateを使い、「I ate」に変化しています。昨日という過去の話をしているので、相槌の打ち方も過去形のdidを使うのが正解です。

否定文に使う場合

肯定文と否定文では表現の仕方が異なります。しかし、相手の話を聞いて動詞を判断するというポイントは同じです。

Aさん
I don’t eat the sweets.
訳)甘いものは食べない。

Bさん
Neither do I
訳)わたしもそう。

Aさん
I didn’t eat the sweets yesterday.
訳)昨日は甘いものを食べなかった。

Bさん
Neither did I.
訳)わたしも。

Aさん
I have not eaten a cake so far.
訳)今までケーキを食べたことがない。

Bさん
Neither have I.
訳)わたしも。

 

最後の例文では、動詞eatがhave eatenと現在完了形に変化しているので、相槌を打つのも同様に現在完了形を使って返答しましょう。「できる」を意味するcanや未来形のwouldなどが使われている場合でも、同じように「So(Neither) can I.」「So(Neither) would I.」と表現すればOKです。

慣れないうちはフィラー言葉でカバー!

慣れないうちはフィラー言葉でカバー!

フィラーとは?

次の言葉がなかなか浮かばない時、「えーっと」「あのー」などと無意識に声に出してしまう人がいます。この日本語の「えっとー」「あのー」こそがフィラーです。英語では「filler」と書きます。

・filler (名詞)詰め物、充填物

Aさん
uh./um.
訳)あのー。

Aさん
Uh-huh.
訳)なるほど。

Aさん
Let’s see./Well.
訳)えーっと。

Aさん
You know.
訳)ほら。

Aさん
Oh.
訳)へえ。

フィラー言葉の代表的な例として、以上のようなものが挙げられます。

英語で会話している最中にどうしても次の言葉の言い方が分からなかったり、自分の気持ちがなかなか決まらなかったりするときに使うと便利です。

Aさん
Which clothes do you think make me look better?
どちらの服の方が似合うと思う?
Bさん
Well…, I think red clothes look better.
えーっと、赤色の服の方が似合うとわたしは思う。
  • Well(間投詞) えーと、あのね、さあ
  • Well, let me see. えーと、そうねえ

このようにフィラー言葉を使うことで、自分の気持ちを少し整理する時間をもらうことができます。まったく無言だと、自分の話を聞いてくれているのだろうかと相手を不安にさせてしまうので、「Well….」と会話をつなげることが大切です。

フィラー言葉はいわば、「わたしは今、考え中です」と表現する方法といえます。

フィラー言葉を使うポイント

日本語と同様、フィラー言葉は適度に使うことが大切です。多用すると英語のリズムが崩れてしまうので、慣れてきたらできるだけ使わないように心掛けてください。フィラー言葉を使わなくても次の英語が出てくるようになれば「英語力が上がっている」と上達具合を判断できます。

先述の通り、英語と日本語では相槌の役割が少し違います。次の記事では、英語式の相槌の打ち方について、豊富な例文と使い方を紹介しています。

相槌1つで英語が話せている気分になれる!?

「uh.」といったフィラー言葉や「Yeah.」などの簡単な相槌を使えば、明日からでも英語が話せている気分を味わえます。

英語の会話の間に自然に相槌が打てるようになれば、テンポよく話が進み、打ち解けた雰囲気で会話することができるようになります。

実は相槌やフィラー言葉を使うと英語の発音をよくしたり、ネイティブスピーカーの英語のリズムを学べたりするメリットがあります。初級編だけで満足せず、ヒアリング力が試される「So~I.」や「Neither~I.」も駆使して、もっと自然に英語の会話を楽しんでみましょう。