アート好きな人であれば、海外へ行く機会に美術館を巡る計画を立てることはよくあるのではないでしょうか?
美術のジャンルに彫刻があります。皆さんは、彫刻や”彫刻をする”の英語がどのようなものになるか知っていますか?
この記事では英語「彫刻」を取りあげ、彫刻家や仏像彫刻など関連する表現を紹介。次回、外国の美術館を訪れる際などにもお役立てください。
彫刻のマスターピースが観れるロンドンのおすすめ美術館も紹介します。
彫刻の英語表現を紹介
美術には絵画、書、デザイン、写真や建築がありますが、彫刻もそのひとつです。
さっそく、彫刻の英語をみていきましょう。
英語で彫刻は以下、3つの表現があります。
- sculpture
- engraving
- carving
次で、それぞれを解説します。
sculpture
彫刻というときに代表的に使われるsculpture(スカルプチャ)には、名詞として「彫刻・彫像・彫刻作品」といった意味があります。
sculptureはブロンズなどの硬質、またはプラスチックの材料を加工し、縦・横・高さを持つ三次元(立体)の芸術品を作る”芸術的形式”を指します。芸術という点がポイントになります。
美術館へ行っても、絵画(painting)とともに人気の彫刻はsculptureと表記されます。
ブロンズ像であれば、bronze sculptureのようにして表します。
Where is the original sculpture of The Thinker?
訳)「考える人」のオリジナルの彫刻ってどこにあるの?
The original one is in the Musee Rodin in Paris.
訳)オリジナルはパリのロダン美術館にあるよ。
ロダンのブロンズ像「考える人=The Thinker」はかなり有名な彫刻ですね。筆者もパリ、ロダン美術館の庭にあった彫刻を観に行ったことがあります。ロダンの生前に作られた9体を含め、世界に21体あるという「考える人」、日本でも上野や京都など4体があるそうです。
engraving
次の彫刻英語は「engraving(イングレイヴィング)」になります。
名詞engravingには、技法やプロセスとしての「彫刻・エッチング」、版画、版木などに彫られた「文字・デザイン」という意味があります。
sculptureが三次元であるのに対し、レーザーで彫刻する2.5次元というものもあるそうです。通常は平らな表現に溝を切ってデザインを掘り込むのがengravingです。
carving
さて、3つめの彫刻「carving(カーヴィング)」を紹介しましょう。
こちらcarvingはやはり名詞ですが「彫刻すること」や「彫刻した像」という意味です。つまり、道具を使い素材の一部を削り取って何かの形を作る行為を指します。
また、来客時やレストランでお肉を薄く切り分ける作業もカーヴィングと言います。
「彫る」の英語表現を紹介
ここでは”彫刻を彫る”というときの「彫る(ほる)」の英語についてみていきましょう。
「彫る」という動詞は、上で挙げた”彫刻”の意味を持つ単語の関連用語で表現することができます。
engrave
engrave(インブレイヴ)は「彫る・彫刻する」または、文字やデザインを「彫り込む・刻む」という意味を持ちます。
例えば、結婚指輪に名前を彫刻する、または記念の文字を彫るといった場合にengraveが使われます。
I’ve engraved my husband’s birthday on my wedding ring.
訳)結婚指輪に夫の誕生日を彫ったよ。
結婚の記念品でもっとも大切なアイテムが結婚指輪ですね。リングの裏柄に名前、誕生日、結婚記念日などの文字を彫る人は多いでしょう。皆さんはいかがですか?
carve
次はcarveで「彫る」をどのように表現するのか紹介します。
お肉をゲストのために薄く切り分けるという意味を持つcarveには、石や木などの素材を削り取って形づくるニュアンスがあります。
The artist carved the statue from marble.
訳)そのアーティストは大理石から像を彫った。
marble=大理石
「彫刻刀」の英語表現を紹介
彫刻に必要な道具が彫刻刀です。彫刻刀には、切り出し刀、平刀、丸刀、三角刀のように異なる種類があります。
多くの人が小学校や中学校の美術で彫刻刀のセットを購入したのではないでしょうか?残念ですが、その後使うことがなくなる存在になったりします。
彫刻刀はcarving knife/chisel/graver
これまでcarvingやcarveという単語を紹介しましたが、彫刻刀の英語も「carving knife」として表します。
その他にもchisel(チズル)やgraver(グレイヴァ)も彫刻刀です。carving chiselなどのように言うこともあります。
彫刻刀を例文で使ってみよう
I’ve cut my index finger while using a carving knife.
訳)彫刻刀を使っているとき、人差し指を切っちゃった。
index finger=人差し指
He carved my name in stone with a carving chisel.
訳)彼は彫刻刀で私の名前を石に彫りました。
SculptureとStatueの違い
sculptureが立体の芸術品ということを学びました。ところで、銅で作った銅像との違いはどんなところにあるのでしょう。
有名な銅像というと、日本では渋谷のハチ公、上野や鹿児島市の西郷さん、長崎の平和記念像など、世界を見ればアメリカの自由の女神からロンドンのシャーロック・ホームズ像まで挙げればキリがありません。
sculptureとstatueの違い
ここで、statue(像・銅像)という言葉とsculptureの違いについて軽く解説します。
statueは人や動物の形をした彫刻です。一方、sculptureは石、木や金属などから形づくられた立体的な芸術作品になります。
A statue of Sherlock Holmes stands near Baker Street in London.
訳)ロンドンのベーカーストリート近くに、シャーロック・ホームズの銅像が立っています。
「仏像彫刻」の英語表現を紹介
日本の彫刻といえば、お寺や神社にある木彫刻でしょう。白檀(びゃくだん)などの木材から作られる木彫りの仏像は、古いものでは日本書紀に登場の「放光仏」というものがあります。
仏像彫刻はBuddha statue
お寺めぐりが好きな人にとって仏像彫刻は特別な彫刻でしょう。
仏像彫刻は「Buddha statue」または「statue of Buddha」です。Buddhaが仏陀、釈迦の意味を知っている人は多かもしれませんが、実は仏像や仏画の意味も持っています。
Buddha statueを使った例文
Kotoku-In is a Buddhist temple in Kamakura, Japan. There stands the Great Buddha of Kamakura, which is a bronze statue of Amida Buddha and is 11.4 meters high.
訳)高徳院は日本の鎌倉にある仏教寺院です。そこには、高さ11.4メートルで青銅製の阿弥陀像である鎌倉大仏があります。
Many people in England have a Buddha statue in their garden. Peace and quiet is the key focus.
訳)イングランドでは庭に仏像を置く人が多くいます。平和と静寂が重要な点です。
「彫刻家」の英語表現を紹介
石材や木材などを使い彫刻という作品を作る人は彫刻家と呼ばれます。
この彫刻家は英語で「sculptor(スカルプタァ)」であり、sculptureやsculpに関連した言葉です。
Instructor(インストラクター・指導者)やtutor(チューター・家庭教師)などと同様に、後ろにorを加えることで人を表現するパターンになっています。
sculptorを使った例文
Michelangelo and Henry Moore are very famous sculptors.
訳)ミケランジェロととヘンリー・ムーアは非常に有名な彫刻家だ。
ミケランジェロはルネッサンスを代表する芸術家の一人でシスティーナ礼拝堂の「最後の審判」でも有名です。また、ヘンリー・ムーアはイギリス人彫刻家で、モダンアートの代表とも言える人物です。
There are many sculptures in museums where the sculptors are unknown.
訳)美術館には作者不明の彫刻が多くあります。
ロンドンで観るマスターピース・彫刻作品
イギリス好きでアート好きな人へ、特に彫刻がたくさん見られる美術館を紹介しましょう。
V&A博物館
ロンドン・サウスケンジントン駅から近いV&A博物館(Victoria and Albert Museum)にはかなりの数の彫刻が展示されています。その数、34,142点です。ロダンの作品群から、ヨーロッパの有名な彫刻や建築物がずらりと並べられた部屋もあります。そのスケールには圧倒され、彫刻作品のなかで素晴らしい1日を過ごすことができます。
大英博物館
世界最大の博物館ともいわれるのが、ロンドンにある「大英博物館/The British Museum」です。
目玉のひとつロゼッタ・ストーンをはじめ、そのコレクションは8万点を超えるというスケール。古代ギリシャ、古代ローマと言えば紀元前から始まりましたが、その時代やエジプトのものなど1日では足りないほどの彫刻を見ることができます。
入場料無料で彫刻を楽しむ
ロンドンの美術館はほぼほぼ入場料が無料です。無料で丸1日、かなりの数の傑作を目前で見ることができます。ロンドンにいらっしゃったら、彫刻や絵画など、ぜひアートを楽しまれることをお勧めします。
入り口・出口などに寄付を募るボックスが設置されていますので、小銭でも入れて美術館や作品管理などのためのサポートを是非してください。
まとめ
彫刻の英語sculpture/engraving/carvingから、ロンドンで彫刻を楽しむおすすめ美術館の紹介まで幅広くお届けしました。
筆者は海外旅行へ行くと、その国を代表するものを買ってきますが、ギリシャのクレタ島へ行った際に小さな彫刻を買ったことを思い出しました。
美術品のひとつである彫刻や関連表現について、英会話に役立ていただければ幸いです。