友人から「デリカシーがないね」なんて言われたらドキッとしますね。
このデリカシーは英語からきている言葉ですが、その表現や正しい使い方はどのようなものなのでしょう?
記事では、デリカシーの意味や英語表現について紹介します。普段使っている言葉を英会話に使える機会にしましょう。
デリカシーとdelicacy
まず、デリカシーの基本情報です。意味と使われ方、そして英語になった場合の表現を紹介します。
デリカシーの意味とは?
日常会話で使う日本語「デリカシー」がどのような意味であるか、いざ説明しようとするとできなかったりしませんか?
デリカシーは繊細さを表します。この繊細さとは、感情や心配りなどにおける微妙な気持ちを指します。その場の空気が読めたり、人の心の動きに気づけたりすれば、それはデリカシーがあるということになります。
しかし、デリカシーの使い方は「◯◯はデリカシーがない」や「デリカシーに欠ける発言だ」のようにネガティブな感じで使うことがほとんどです。そこで「デリカシーがない」という言い方については後ほど詳しく取り上げます。
デリカシーdelicacyの意味とは?
デリカシーの英語は”delicacy”です。
delicacyのカタカナ発音はデリカシー、デリカスィのような感じになります。
delicacyは辞書で調べると、意外な意味を持つ名詞であることが分かります。
1.(他人の感情を害しないように努める)心遣い・思いやり
2.(形状・容姿・色などの)繊細さ・優美さ
3.(体の)弱さ
4. ごちそう・珍味
1は日本語デリカシーのイメージからイメージできますし、2と3は繊細に関連する意味で理解できます。
しかし、4のごちそう・珍味という意味がdelicacyにあるとは想定外ではないでしょうか?ここについては記事の最後で紹介しましょう。
しかしながら、カタカナ語デリカシーの「気遣い・心遣い・感情の細やかさ」という人の持つ繊細さに対し、英語delicacyにはそれ以上に様々な意味があるんですね。
delicacyの語源
delicacyですが、実は形容詞delicateが名詞になった単語です。delicateには「繊細な・優美な・精巧な・細かい・弱い・微妙な」に加え「美味しい」という意味があります。やはりdelicacyのごちそう・珍味が関連していますね。
delicateの語源ですが、ラテン語”delicatus”(うっとりさせるような)や、フランス語”delicat”(繊細な・思いやりのある)に由来しています。
デリカシーがない
先に述べた通り、デリカシーを会話で使う場合には「デリカシーがある」よりも「デリカシーがない」や「デリカシーに欠ける」のようにネガティブな感じで使うことがほとんどです。
「デリカシーがない」とは、配慮ができない、無頓着なというニュアンスが隠れています。例えば「マークってデリカシーがないね」と言えば、それはマークが周りに対して気配りができないということでしょう。
デリカシーがない男性は女性にモテない、のように言われることもあります。例えば、容姿について言ったりプライベートを詮索してきたり、こう人には近寄りたくなくなりますね。
「デリカシーがない」の英語
外国人にもデリカシーのない人がいますので、ぜひ英語で表現できるようにしましょう(笑)
以下、主語をマークにしてdelicacyを使ったいくつかの例文を紹介します。どれも「マークはデリカシーがない」の意味になります。
Mark is lacking in delicacy.
Mark has no delicacy.
Mark has no sense of delicacy.
以下のような状況も想定できます。
Can you listen? Mark was so rude and with no delicacy. He said I had gained the weight!
訳)聞いてくれる?マークってとっても失礼でデリカシーがなかったの。彼、太ったねって言ったのよ!
マークは随分と「ノンデリ男」ですね。
※ノンデリ男=ノン・デリカシーな男
デリカシーがない – 無神経
デリカシーがないと言うときには、その人が無神経であることを指します。無神経な人とは、周囲を気にせず自己中な行動を取ったり、周りがどう思っているか気づかずに人を傷つけてしまうような人です。
無神経はinsensitive
insensitiveという単語は「無神経な・心ない・思いやりのない」という意味を持つ形容詞です。
in+sensitiveと分けてみるとさらにinsensitiveを理解できます。英語ではin-またはim-は単語の頭につけることで否定を表します。例えば、このinsensitiveであればsensitive(思いやりがある・親切な)でないことを表しますし、impossibleならpossible(可能性がある・起こり得る)がない=不可能・無理ということになります。
このように、無神経な人だと言いたいときにはinsensitiveを使えば表現できるのです。また、insensitivityと名詞の形にすると無神経の他、鈍感という意味になります。
マークには悪いのですが、以下でinsensitiveを使ったパターンの英文を紹介します。
Mark, as my boss, is completely insensitive. He tells people off in front of others.
訳)マークは私の上司だけど、まったく無神経です。彼は他の人の前で人を叱るんですよ。
粗暴な人
繊細さがなく、暴力的な振る舞いをするのが粗暴な人です。乱暴はその言動を表しますが、粗暴は特に人の性格について使われる言葉です。
粗暴な人はratchet
機械類の歯止めや拳銃という意味のratchet(ラチェト)がスラングになると「粗暴な」になります。
Mark is not a ratchet, he just has no delicacy.
訳)マークは粗暴ではなくって、デリカシーがないだけね。
デリカシーの類語3選
デリカシーを他の言葉にすると、ここまでで紹介した無神経または粗暴になります。
「気遣い・心遣い・感情の細やかさ」という意味を持つデリカシーには関連するさらなる類語があります。デリカシーがないというニュアンスで、別の英語表現を3つ紹介します。
思いやりのない
思いやりや配慮に欠けるようだとデリカシーがないことになります。言いたくないようなプライベートを聞いてくるというのも人の気持ちに鈍感だからですね。
Mark is an inconsiderate person. He keeps asking me for my private thoughts and I don’t want to answer him.
訳)マークって配慮に欠けるの。彼は私のプライベートな考えについて何度も聞いてくるけど、私は答えたくないのよ。
inconsiderate=配慮に欠ける・思いやりのない
感じの悪い・不快な
相手にとって感じが悪いな、この人の言動って不快だなと感じさせられるのがデリカシーのない人です。
Mark is obnoxious. He doesn’t say thank you.
訳)マークって感じ悪いね。彼、ありがとうって言わないよ。
obnoxious=感じの悪い・とても不快な
気配りがない
完璧に気配りすることは難しいですが、あまりにもデリカシーがない場合はどのように表現するのでしょう。
Mark has no tact.
訳)マークは気配りができないです。
tact=気配り
気配りができないということは機転がきなかいというニュアンスでもあります。
デリカシー – 食べ物
最後に、日本語で言うところのデリカシーとはまったく別の意味を紹介します。
delicacyの意味を紹介したなかに「4. ごちそう・珍味」がありました。デリカシーで食べ物を表すの?と驚かれた人がいたのではないでしょうか?
delicacyのトリビア
西洋風のお惣菜を販売するお店をデリカテッセンと言います。デリカテッセンには「すぐに食べられる食品・珍味」の意味があり、フランス語delicatesseからできました。このdelicatesseを英語にするとdelicacyになるのです。
delicacyってどんな食べ物?
delicacyはすべての食べ物を指すのではなく、特に高価なもの、珍しいもののことを表します。
very specialでありvery selectedなもので、美味しいことが前提になります。
Snails are considered a delicacy in France.
訳)カタツムリはフランスでは珍味とされています。
The Japanese can say eating tuna’s eyes is a delicacy.
訳)マグロの目を食べることは日本では珍味だと言えるでしょう。
カタツムリでもマグロの目でも、こういった食文化を知らない外国人にとっては驚きですね。しかし、現地ではデリカシーなのです。
まとめ
デリカシーの英語はdelicacyになります。本記事では日本語のデリカシーに当たる意味、そして高価で珍しい食べ物もdelicacyで表すという面白い英語も紹介しました。
デリカシーのない人を変えることはできません。そういった人への対処法は聞き流す、ありがとうと一言言って離れるのが一番。
気持ちよく毎日を過ごすためにも英語学習を継続して、世界に目を向けましょう。