”per second”や”$5 per item”のように、英語を読んだり英会話を聞いたりしていると”per ~”という表現をよく目にしたり耳にしたりしますよね。

”per ~”は基本的な英語表現でありながら、色んな意味や使い方がされるので、上手に使いこなすのが難しい表現でもあります。

特に英語を使う外国人は、それぞれの意味や使い方ごとに上手に使い分けるので、日本人英語学習者にとっては、例え英語上級者であっても瞬時に判断するのは簡単ではありません。

そこでこの記事では、”per ~”が持つそれぞれの意味や使い方を、例文付きでわかりやすく紹介します。

例文付きで紹介することで、丸暗記せずに、実際に英語を使うイメージをしながら身につけることが期待できるからです。

この記事を読み終わる頃には、”per ~”の色んな意味や使い方ごとに適切に使い分けられるようになっているのでぜひ最後まで読んでください。

perの意味と使い方まとめ

perの意味と使い方まとめ

“per ~”には主に、以下の意味や使い方がされます。

~につき、~ごとに、

”per ~”の使い方の中で最もよく見かける一般的な表現が、この「〜につき」や「〜ごとに」の意味だと言えます。

”per ~”の表す「〜につき」や「〜ごとに」の「〜」の部分には、モノの個数や金額、重さや期間などの「数字」が入ります。

「500円ごとに1回の入場券」や「1時間あたり1500円」といった使われ方で「〜につき」や「〜ごとに」の意味で使われるわけですね。

【例文】

  • Companies pay employees per hour for their time worked each week.
    会社は従業員に、週ごとの労働時間に応じて時給を支払います。
  • The admission fee is $50 per person for the museum tour.
    美術館ツアーの入場料は1人あたり50ドルです。
  • The price per kilogram of apples is displayed at the market.
    リンゴの1キログラムあたりの価格が市場で表示されています。

~によって、~で

”per ~”を使って、「~によって」を意味することもあります。

この使い方では、「手段」や「方法」の意味で”per ~”が使われています。

例えば…

Aさん
He traveled per train.
訳)彼は電車で旅行した。

といった感じで、「手段」や「方法」の意味で使われます。

ちょうど、「手段」や「方法」の意味で用いる”by ~”と同じ使い方(”He traveled by train.”)をイメージしやすいですね。

【例文】

  • Per government regulations, all citizens must wear masks indoors.
    政府の規制により、すべての市民は屋内でマスクを着用しなければなりません。
  • The decision was made per the committee’s unanimous vote.
    委員会の満場一致投票で決定されました。
  • He was appointed as CEO per the board of directors’ decision.
    取締役会の決定で、彼はCEOに任命されました。

〜に関して

“per ~”は「〜に関して」の意味で使われることもあります。

“regarding~”や”in terms of~”と似た使い方ですね。

「お客様のご相談に関して〜」や「製品の特徴に関して〜」といった使われ方がされます。

【例文】

  • Per your request, here is the information you needed.
    あなたのリクエストに関して、必要な情報を提供します。
  • Per the agenda, the next item for discussion is budget allocation.
    議題に関して、次に話し合う項目は予算配分です。
  • Per the contract, any changes must be mutually agreed upon.
    契約に関して、変更にはお互いの合意が必要です。

”as per”はどんな意味で使われるの?

”as per”はどんな意味で使われるの?

”per ~”の表現の他に、”as per ~”の形で見かけることもあります。

“As per ~”は、「〜に従って」や「〜に基づいて」という意味で使われる表現です。

“as per ~”に似た表現として、”according to” や “in accordance with”があります。

“according to” も “in accordance with”も、大学受験英語やTOEIC、英検などでよく見かける表現なので、大学生や社会人の英語学習者さんには馴染が深いでしょう。

なので大学生や社会人の英語学習者さんたちは、頭の中で”as per ~”を”according to” や “in accordance with”に変換して読んでみると、グッと読みやすくなりますよ。

【例文】

  • As per the company policy, employees are required to attend training sessions annually.
    会社の方針に従って、従業員は年に一度の研修会に出席する必要があります
  • As per these instructions, please submit your report by Friday.
    これらの指示に従って、レポートを金曜日までに提出してください。
  • As per the regulations, please refrain from using your phone during the meeting.
    規則に基づいて、会議中の携帯電話の使用を控えてください。

”per se”の意味は?

”per”を使った慣用句表現として”per se”という表現があります。

“per se”は、ラテン語から来ており、直訳すると「それ自体は」や「それ本来の意味は」、「正確な意味においては」という意味です。

“per se”が英語で使われる場合には、そのものの「本質」や「性質」に焦点を当てる場合に使われます。

例えば、「彼女自身は悪いわけではないが、彼女の行動は問題がある。」という文で、”per se”を使うと、”She is not bad per se, but her actions are problematic.”となります。つまり、彼女「自体は」悪いわけではない、を意味するわけですね。

“per se”が使われる場合は、「彼女自身」と「彼女の行動」とを区別して、それぞれ別の事として扱うことを強調して使われるイメージです。

【例文】

  • The artwork isn’t valuable per se, but it holds sentimental value.
    その芸術作品自体は高価ではないが、感情的な価値がある。
  • Intelligence isn’t a guarantee of success per se; it requires hard work.
    知性そのものが成功の保証なのではなく、努力が必要なのです。
  • Traveling isn’t dangerous per se, but it does require careful planning.
    旅行そのものは危険ではないが、注意深い計画が必要です。

まとめ

この記事では、英文でよく見かける基本的な表現の”per”について、意味や使われ方の違いから例文付きで紹介してきました。

ここまでお読みのあなたは、”per”の意味や使い方について、あなた自身も英語を使う外国人のように適切な意味や使い方で使い分けられる知識が身についているでしょう。

この記事でお伝えした内容が、あなたの英語表現をより豊かにできれば幸いです。